「孤独のグルメ４」第９話～渋谷区神宮前の毛沢東スペアリブと黒チャーハン

孤独のグルメ Season４

第９話

渋谷区神宮前の
毛沢東スペアリブと黒チャーハン

まだまだ、夏は終わんなそうだな。
野球か…。あの時も暑かったよなあ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（回想）

甥っ子の太が高校で野球部に入り、
ピッチャーとして活躍していることを、
俺は偶然知った。

アナウンス）　４番。ピッチャー井之頭君。

太…。
よ～し。思い切って振っていけ。

一同）　かっとばせ～井之頭！
審判）　ストライク！バッターアウト！
五郎）　ああ…。

野球には興味がない俺だ。
しかし太の母親、
つまり俺の姉貴が離婚した事もあって、
ずっと会っていなかった甥っ子の事が
どこか心に引っかかっていた。

それにしても暑い。

五郎）　ああ…。
男性）　暑いねぇ。
五郎）　ええ、ほんとに。

頑張れ、太。
あっ！
ああ。汗が止まらん。
うぅ、これじゃサウナだ。

男性）　暑い！もうたまらんぞい！
　　　　ふっ…あっ、よいしょ！

そうか。脱げばいいんだ。

男性）　お兄ちゃん。いい体してるね。
　　　　なんかやってたの？
五郎）　いえいえ、そんな。あぁ…。
男性）　あ～ノーアウト満塁だ。
　　　　えらいこっちゃな。おい！

そうだ、太。お前はエースなんだ。

五郎）　フレー！フレー！太！
　　　　頑張れ、頑張れ、太！！
　　　　フレー！フレー！太！
一同）　フレー！フレー！太！
五郎）　頑張れ、頑張れ、太！
一同）　頑張れ、頑張れ、太！

一同）　フレー！フレー！太！
五郎）　頑張れ、頑張れ、太！
一同）　頑張れ、頑張れ、太！イエ～イ！！！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

あの時は、炎天下でカレー食ったんだ。
ウインナーカレー。
思い出したら急に、腹が、減ってきた。

よし。店を探そう。
今はカレー腹じゃない。
でも何か、熱いもんを入れたい。
熱いもん、何だろうなあ？
あつもん、あつもん。

ん？鉄板中華。
聞いたことがないジャンル。
お好み焼き屋みたいに、テーブルが鉄板なのか？
はたまた鉄板皿に中華がのってくるのか？
あれこれ考えず、バッターボックスに立とう。
思い切って行け。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「シャンウェイ」

●「シャンウェイ」ＨＰ
●「シャンウェイ」（食べログ）ＨＰ

あった。鉄板。

鉄板カウンタースタイルか。
このポジションは、ナイスだ。

デカ。鉄板中華って、そういうこと？

なになに…「以前、私の老師の故郷、
上海の町で、鍋ではなく鉄板で
料理をする中国人を見かけました。
皆様の目の前で食材が踊る楽しさ、
弾ける香り、美味しさを家庭的に提供できたら」。
食材が、踊る。弾ける。
いきなり、ふかひれ、姿煮コース。
脅してくるじゃないか。
う～ん。いまいち何の料理か分かりづらいな。
あっ。四川のマーボ。
腹が、熱くなりそうでいいかも。

客）　この店、メニューがあるようで
　　ないようなもんだからね。

え～あってないようなもんって。

煮沸人間？
なんじゃそりゃ。

あのギョーザとマーボとチャーハンを
ちゃちゃっと平らげていくか。

おっ。

おお～なるほど、そうきた。

客）　蒸し鶏半羽、お願いします。

半羽、そういうのもあるのか。

五郎）　私も、蒸し鶏、半羽下さい。
店主）　でも、お一人でしたら、半羽じゃなくて、
　　　　ももの部分だけお出しする事もできますよ。
五郎）　あぁ、結構大きいですもんね。
　　　　じゃあ、それでお願いします。

この店は、
一気に頼むより、様子を伺いながら
ジワジワいったほうが良さそうだ。
よし。作戦変更。持久戦だ。

店主）　はい。お待たせしました。蒸し鶏です。

おっ！

店主）　10時間蒸してありますので、
　　　　骨まで食べられますよ。
五郎）　骨まで？
店主）　えぇ。

ウソだろ～。

店主）　本当ですよ。
五郎）　あ、いやいや、疑ってるわけじゃ…。
店主）　いやいや、本場中国でも骨は捨てますから。
　　　　疑うのは当然ですよ。でも本当ですから。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「蒸し鶏のネギ醤油（もも）」
未体験の柔らかさ！
骨まで愛してほしいのよ

いただきます。
うわっ、柔らかい。
これは蒸しまくってるなぁ。
この食感は犯罪だ。

うん。
おかげで三つ葉の
シャキシャキ感も立ちまくってる。

食感もいいけど、味が…。味が…。

あっ…あぁ…。

五郎）　あ…すみません。本当でした。

俺、この骨なら、鶏の骨、大好き。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

客）　すみませ～ん。
　　天使の海老、ありますか？

天使…海老が？なぜ？

五郎）　何ですか？今かけたのは。
店主）　ロンジン茶っていうお茶です。
五郎）　私もあれ下さい。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「天使の海老ロンジン茶炒め」
お茶で炒める中国野菜
天使の海老も旨さに跳ねる！

これは、ロンジン茶のおこげ。
しょっぱ。でもうまい。へ～。

天使。
う～ん。このうまじょっぱさ。
ロンジンがきいてる。

これ、大根なんだ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

お茶を調味料にしちゃう、中国4000年。
えっ？何なんだ。

五郎）　あ、たびたびすみません。今のは？
店主）　スペアリブの湖南風唐辛子炒めです。
五郎）　あの、毛沢東っていうのは？
店主）　別名が毛沢東スペアリブなんですよ。
五郎）　あ～それも頼んでいいですか？
店主）　辛いですけど大丈夫ですか？
五郎）　辛いの大好きです。
店主）　かしこまりました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「毛沢東スペアリブ」
見た者ビビらすその姿
チップが辛い！辛いが旨い！

間近で見るとまたすごいな。
さすが毛沢東。すごい威圧感。
怖気づくな。スペアリブだ。

お～。ほう。うわ～。

う～ん…マーがきた。マーがきた。
しびれる～。
これが中国八大料理最強といわれる、
湖南の辛さなのか。

こんなにウーロン茶が進む料理、初めてだ。
でも、辛さに慣れたのか、
マヒしてきたのかわからんが、
うまくなってきた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

客）　あれが、
　　ここの名物のウーロンチャーハン。
客）　え～かわいい。

チャーハンがかわいいってどうよ。

五郎）　チャーハンはこの３つですか？
店主）　はい。黒チャーハンもありますよ。
五郎）　黒いんですか？
店主）　ええ。中国のたまり醤油を使ってるんです。
五郎）　あ～じゃあそれ下さい。
　　　　あと、スープも飲みたいんですけど。
店主）　黒チャーハンだと、
　　　　マーラータンが合いますよ。
五郎）　お願いします。

黒天丼なら昔食ったよなあ。
人形町だっけ…。

店主）　はい。黒チャーハンです。

うわ。本当に黒い。
こっちは真っ赤。
赤と黒。スタンダール。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「黒チャーハン」
中国の老師が伝えたその黒さ
たまり醤油にただただ感謝！

うわ～しっかり味で、うまい。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「麻辣湯」
辛子が浮かぶ真紅のスープ
飲んで体感麻と辣

なるほど。確かに、マーで、ラー。

中国広し。深し。超うまし。

鍋の音。油の音。炎と鉄。
食材が踊る。弾ける。
中国鉄板食欲雑技団だ。

心が、鉄の上で踊っている。
弾けている。

はぁ～。ごちそうさまでした。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

う～ん。うまかった。
中国4000年。
未知なることが多すぎる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

今日は、五郎さんのプライバシーが垣間見えた貴重
な回でした。甥っ子の名字が井之頭なので、お兄さ
んがいたのか～と思いきや、離婚した姉という変化
球も楽しい。野球に興味がなくても、甥っ子の活躍を
知って応援にいくなんて、いい叔父さんじゃないかｗ
しか～も、五郎さんったら…脱いだらスゴイんです！
いや～普通は出てる腹が…減った…じゃなくてへこ
んでる～！すげ～、いつもあんなに食べてるのに！
そしてフレーフレーと手を伸ばし、おっさんたちと応
援するあの姿！ちょうど今やってるドラマ「あすなろ
三三七拍子」の応援団員たちの姿と重なって、おか
しくもあり、ムフフと思いつつ、あの姿に萌えました！
いや～まさか、こんないいものを見せてもらえるとは。

五郎さんの熱き応援の回想を見たあとは、さらなる
燃える炎を感じさせる鉄板中華のお店。メニューに
は、並々ならぬ店主の情熱が感じられて暑苦しいｗ
メニューがあるようでない店って…。すごく奥が深い、
中国4000年の秘密が隠されているような感じ。いい
なあ。どんなメニューがあるのか、出てくるのか、ず
っと店の隅から観察していたいｗ天使の海老とか、
毛沢東とか、とにかくネーミングがキャッチーでいい。

骨まで食べられるっていう蒸し鶏はもちろん、あのス
ペアリブは絶対食べたい！ウーロンチャーハンと黒
チャーハンも食べてみたい。ああ、胃袋が３つぐらい
欲しい～！中国4000年の未知なる食が知りたい！
今回はホント、五郎さんの裸と中華にやられましたｗ

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