土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」 第3回~結婚相談所 | 日々のダダ漏れ

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土曜ドラマ
「55歳からのハローライフ」

55歳からのハローライフ


第3回
結婚相談所

定年退職してからずっと家でテレビに愚痴をこぼす夫
(浅野和之)に耐えられなくなった55歳の中米志津
(原田美枝子)は離婚を決意する。夫とは違うタイ
プの
男を求め、結婚相談所に登録して見合いを繰り返
すが、
思うような相手は一向に見つからない。優良会
員限定
の合コンパーティにも招待されるが、気おくれ
して退場
してしまう志津子。会場のホテルのバーに入
ると、そこ
で声を押し殺し独り泣いている30代の男
を見つけ・・・。

**********

志津子) 変わりたいんです。私は。
     今までの自分とは違う自分になれるような、
     そういう相手を、自分で選びたいんです。


**********

早坂) いい映画でしたけどね。
    一体、何が言いたかったんでしょうか?
志津子) あなたはどう思ったの?
早坂) 分かりません。彼女には新しい恋人がいるっ
    て事ですか? それとも、もう、結婚しているな
    んて事が、あるんですかね?
志津子) あなた意外と子供ね。話の中身を
     そのまま受け取ってどうするのよ。
     映画の仕事をしてるのに。
早坂) 僕が扱ってるのは機材で中身じゃないですよ。
志津子) 中身を捉えるのが機材じゃないの?
早坂) そんな理屈はどうでもいいんです!
    彼女は何を考えていたんですか?
    こんな映画見せて僕振るなんて、一体どういう
    つもりですか? もう教えて下さいよ!
志津子) 落ち着きなさいよ、少し。
早坂) すいません。彼女の事を考えてたら、
    どうにも腹が立ってきちゃって。
    情けないです。(ため息) 
志津子) 彼女の事、まだ思い続けてるからよね。
     さっきの映画だけど、前に見た時、私は戦争
     してはいけませんって事を伝えたかったんだ
     ろうなって、ずっと思ってたの。今見たら、そ
     れだけじゃないって気づいた。それがあなた
     の彼女が言いたかったことと繋がってるかは
     分からないけど。
早坂) 何を言いたかったというんですか? 彼女。
志津子) 「ひまわり」って、お互いが会いに行くでしょ
     う? そこ鍵だと思うのよ。2人は戦争で引き
     裂かれた訳だけど、ソフィア・ローレンが、ソ
     連に捜しに行った時には、相手に奥さんと子
     供がいて。マストロヤンニがイタリアへ行った
     時には、今度はソフィア・ローレンに、赤ちゃ
     んがいて。お互いに引かれ合っていても、ど
     んなに相手のことを思っていても、それ以上
     一緒にいたら、必ず、後悔する事になる。
早坂) 僕は後悔なんてしませんよ。
志津子) 彼女のために、日本に戻って来られる?
     今の彼女も、きっと同じなのよ。何かは分か
     らないけど、きっと後悔することになるのよ。
     あなたのもとへ行ったら。「ひまわり」がこれ
     ほど切ない映画なのは、年月と状況によっ
     て人間が変わってしまうという事を、身も蓋
     もないぐらいに描いてるからよね。でも、2人
     は会いに行く事で、相手への思いは尽くして
     いるでしょう? 別れるにしても、お互いに遠
     くまで、会いにきている。あなたにこの映画を
     見てほしいと言った彼女に、私は強い愛情を
     感じる。あなたと別れる事の辛さもね。
早坂) (泣)

**********

志津子) 香織。お母さん、間違ってた。
香織) 何が?
志津子) ダメだったのはお母さんだった。 
     お母さんが何も自分で選んでこなかったから
     ダメだったのに。それをお父さんのせいにして、
     ごまかしてた。悪いのはお父さんじゃない。
     あなたは、ごまかさないようにしなさいね。
香織) お父さんきっとそれ聞いたら安心すると思うよ。

**********

志津子) あなたは真面目な人だから、どこに
     行っても、きっと、認めてもらえると思う。
朗) 俺は、不器用なんだよ。仕事をするしか、家族
  を支えるすべを知らなかったんだ。定年して、再
  就職に失敗して、俺は、死んだようなもんだった。
  自分の感情までが、自分のもんじゃなくなったよ
  うな感じがして。うまく言えないんだけど…。
志津子) よく分かりました。あの頃だって、分かって
     いたのかもしれないけど。それを私は、無視
     しようとしていただけかもしれない。
     本当に、ごめんなさい。
朗) いや。こんな言い方は変だけど、離婚が俺を生
  き返らせてくれたんだ。君に対する思いも。

(ベンチに座って猫を抱いている淑子)
朗) 知り合い?
志津子) ううん。ねえ、あの人寂しそうに見える?
朗) さあ、どうかな? よくわかんないけど、俺は
  寂しかった。お前と別れて、ずっと寂しかった。
志津子) それは私も同じよ。
朗) そうか。
志津子) 何かを失えば、寂しくなるのは当たり前な
     のよ。だけど、寂しくて、人に甘えるようにな
     りたくない。そう思わない?
朗) 俺はやり直しがきくと思うんだ。人生っていくら
  でもやり直せると思うんだ。そう思わないか?
志津子) やり直せるかもしれないけど。
     もう一度一緒に暮らせば、どんな事が起こ
     るか、それもはっきりしてる。いくら寂しいか
     らって、そこに戻るべきじゃない。
     やり直すことと、元に戻ることは、違うのよ。

(手を差し伸べる志津子)
朗) 何?
志津子) あなたと私は、死ぬまで、父と母。
     おじいちゃんとおばあちゃんでしょ。
     これからも仲良くしなきゃ。ねっ。

(握手する志津子と朗)

**********

小宮山) 私は思うんです。結婚相談所で、本当に見
     合いをする相手は、自分自身なのかもしれな
     いと。自分自身との、出会いと別れが、いくつ
     になっても、あるようです。


**********

志津子) 私、気づいたんです。人生で最も恐ろしい
     ことは、後悔と共に生きること。
     孤独ではないって。
小宮山) それで、これから、どうなさいますか?
志津子) はい。一人で生きていきながら、もう少し、
     小宮山さんのお世話にもなろうかと思います。


**********

見合い相手が、これでもかっていうほど変な男ばっ
かりなのが笑えました。でもまあ、結婚相談所に頼
まざるをえない人たちの中には、クセのある人が多
くなるのも不思議ではないというか。自分でどうにか
できない人が集まるわけなので。条件ありきの婚活
は、シビアにならざるを得ないとも思うし。そう考える
と、悪い条件も欠点も許せてしまえる恋愛感情って
いうのは、いい意味でも悪い意味でも魔法だなあと。
特に女性は、好きになれば、大概のことは許せてし
まえる人も多いし、優しくされればもっと優しくしてあ
げたくなる。要するに、結婚相手は鏡のようなもの。
相手に問題があると感じたとしたら、たぶん自分に
も問題がある。お互いの関わり方によって、関係性
は変わっていくから。志津子が言ったように、やり直
す事と、元に戻る事は違う。ただ元に戻るだけでは、
いつかまた同じ過ちを繰り返してしまいがちだから。

映画「ひまわり」は、遠い遠い昔に観たはずだけど、
学生の頃だったから、よくわかってはいなかっただ
ろうなあって自分で思う。今観たら、きっと全然違う
感想になると思う。歳をとってようやくわかる事って
たくさんあるし、同じ映画を観ても、年齢や経験によ
って見え方が変わるってのも、面白いなあって思う。

「ひまわり」を観てほしいという彼女の意図がわから
ない男性。ただ…たとえわかったつもりになったとし
ても、実際には彼女に聞いてみないと正解はわから
ない。だけど、そういう曖昧な問いかけというものは、
ず~っと引きずるというか、心に残るから、そんな風
に心に残すことこそが、彼女の望みなのかもしれな
いとも思う。映画の解釈は、これからまた、生きてい
く上で変わっていくだろうけれど、映画「ひまわり」を
思い出す度、彼女を思い出し、彼女は自分に何を言
いたかったんだろう?と、考えるんだろうなあ、彼は。

良くも悪くも、「
年月と状況によって人間が変わって
しまうという事」を実感するのが、年を取るということ
なのかも…。
どんなに愛し合っていても、どんなに
求め合っていても、人生の中で、互いに後悔しない
生き方をするために、どうしても譲れない時もある。
人間って、ホント、欲張りで、わがままな生き物だ。
でも、たった一度の人生、後悔しないで生きたいと
も思う。若い時は若さゆえ、年を取ったら老いてい
くゆえの悩みがつきず…。上手に楽しく年を取って
いきたいと思うけれど…。なかなかムズカシイです。


「55歳からのハローライフ」関連ブログ↓
第1回~キャンピングカー
第2回~ペットロス
第3回~結婚相談所
●「55歳からのハローライフ」HP

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