「花子とアン」第74回~進撃の龍一、姉の道ならぬ恋を知るかよ | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第74回
第13週 「その恋、忘れられますか?
進撃の龍一、姉の道ならぬ恋を知るかよ


英治) ゆうべの事なんですが…。
はな) はい。
英治) すいませんでした! 忘れて下さい。
はな) は…?
英治) とにかく、忘れて下さい…。
    本当にすいませんでした!

つまり、
はなは振られてしまったのでしょうか。

はな) 忘れて下さい…。

**********

はな) 忘れて下さい?
かよ) お姉やん? 大丈夫け?
はな) ねえ。
    忘れて下さいって、どういう意味だと思う?
かよ) ほりゃあ、忘れてくりょうって事ずら。
はな) ほれって、つまり?
かよ) よく分からんけど、思い出したくねえから、
    なかった事にしてくりょうって、ことかな?
はな) なかった事に…。
かよ) ふんとにどうしたでえ?
    また何かあっただけ?
はな) ううん!
    翻訳してて、ちょっこし気になっちゃってさ。
かよ) やっぱし何かあっただね?
はな) ううん。

**********

はな) 行ってきます。
かよ) 行ってらっしゃい。

(ゆうべの事を思い出すはな)
はな) 忘れよう…。
    こぴっと、忘れよう。
    よし。忘れた。忘れた。

**********

はな) 編集長。おはようごいす!
梶原) おはようごいす?
はな) 三田さん、何かお手伝いする事ありませんか?
三田) いえ…別に…。
醍醐) おはようございます。
はな) ごきげんよう。醍醐さん! 岡田先生の原稿
    の編集まだよね。お手伝いします!
醍醐) それは助かるけど…。
はな) 今日も忙しくなりそうね! 頑張りましょう! 
    とりあえず、皆さん。とびっきり美味しいお茶
    いれますね。フフフフ!
三田) いつものお茶っ葉でしょう?
醍醐) はなさん、妙に明るいですね…。
梶原) 不自然なほどね。まあ、何かあったんだろう。
    そ~っとしておこう。


**********

はなが空元気を振りまいている頃、
福岡の蓮子は部屋に引きこもり、
現実の憂さを読書で紛らわせておりました。


タミ) 奥様。お客しゃんがお見えですばい。奥様。
蓮子) 私を訪ねて来る人なんていないわ。
タミ) ばってん、東京から来んしゃったそうで。
蓮子) 東京から? どなた? 女の方?
タミ) いいえ。宮本しゃんっちゅう、男ん人です。
蓮子) 知らない方だわ。お帰り頂いて。
タミ) は~い。


**********

タミ) お帰り下さいち、奥様が。
龍一) はるばる東京から来たんです。
    会わせて下さい。
タミ) ばってん、
   もう奥様はず~っと部屋に籠もりっきりで。
龍一) 籠もりっきり?
タミ) ええ。誰にも会いとうないそうで。
龍一) わかりました。
タミ) お客しゃんがお帰りばい!
トメ) はい。お客しゃん? ちょっと!
   玄関はこっちですばい!
龍一) 蓮子さんの部屋はどこですか?
タミ) 勝手に困りますばい!
   何すいとですか! ちょっと! 待ちんしゃい!
   お客しゃん! 何するとです!
トメ) お客しゃん!
タミ) 本当に困りますき! 帰ってつかあさい!
龍一) 会わずに帰るつもりはない!
タミ) 待ちんしゃい!
蓮子) 何なの? あなた。出ていきなさい!
龍一) 嫌です。話を聞いて頂くまで、帰りません。

(床の本を踏んで転ぶ龍一)
龍一) イッテ~…。
蓮子) フフフ…アハハハハハ! アハハハハハ!
    勇ましさが台無しね。
龍一) 何だこの部屋…。俺の部屋より散かってる。
蓮子) アハハ、おかしい…。
    アハハハハ! アハハ…。アハハハハ!
    ああ…こんなに笑ったの久しぶり。
龍一) 人の不幸を笑うとは悪趣味だな。
蓮子) どなたか存じませんけれど、
    東京から尻餅をつきにいらしたの?
龍一) 笑い過ぎですよ! この顔、お忘れですか?


(回想)
龍一) 新興成金の奥方には、わざとまずいコーヒー
    でも飲ませて追っ払えと、僕が言ったんですよ。

蓮子) ああ…あの時の。
龍一) やっと思い出してくれましたか。
蓮子) こんな所までまた喧嘩を売りにいらしたの?
龍一) いいえ。あなたを口説きにきたんです。
    これ、読みましたよ。
蓮子) それで?
龍一) 僕達の劇団のために、脚本を書いて下さい!
蓮子) 脚本? さあ、三十一文字より多くの文字を
    綴るすべは知らないわ。
龍一) 僕はあなたに書いてほしいんだ!
蓮子) どうして私なの?
    劇団で、お金でも必要なのかしら?
龍一) 金なんか!
    …いえ、本音を言うと、金も欲しいですけど。
蓮子) フフッ。正直ね。
龍一) 僕たちは、演劇を通して、
    今の不平等な日本を変えようと思ってます。
    そのためには、まず人々の心に深く突き刺さり、
    揺さぶる舞台をやる必要がある。僕はこの本を
    読んですぐに汽車に飛び乗りました。
    白蓮の歌に込められた、ほとばしるような激情
    に、僕の心が揺さぶられたからです!
    引き受けてもらうまで帰りません。
蓮子) 随分と熱いのね。でも、世の中なんて
    そう簡単に変えられるものじゃないわ。
    しきたりも仕組みも、変わりはしないのよ。
龍一) じゃあ…世の中なんかどうでもいい。
    僕のために書いてくれませんか。
蓮子) は…?
龍一) あなたにしか書けない脚本を。


**********

あの人の事を忘れよう、忘れようとして、
余計頭に浮かんでしまう。
それが恋というものなのです。


はな) あ…どうも、ありがとうございます。
郁弥) いえ。
醍醐) 今日は、
    お兄様はいらっしゃらないんですか?
郁弥) 兄は、別件でちょっと。
    代わりに割り付け、届けに来ました。


**********

かよ) あの…私は花より…。
郁弥) チップの方がいいんですよね。
    でも、わすれな草を見てたら、
    かよさんの事を思い出してしまって。
かよ) ご注文は?
郁弥) あっ、ウィスキーを。
かよ) ウィスキー一つ。今日は、
    英治さんはいらっしゃらないんですか?
郁弥) 何でみんな僕の顔見ると、
    同じ事聞くのかな…。
    兄は、義姉さんの見舞いに行ったんです。
かよ) お姉さん、入院なさってるんですか?
郁弥) もう3年も結核の病棟に。
    兄と結婚してすぐに、胸を患って…。
かよ) 結婚? 英治さん、結婚なさってたですか?
郁弥) あ…ご存知なかったですか?
かよ) え…ええ。
郁弥) かよさん、ひょっとして…
    兄の事が好きだったんですか?
かよ) てっ!? 違います!
    好きなのは私じゃなくて…。

(ドアベル)
かよ) いらっしゃいませ。
須藤) いや~こんばんは。
梶原) こんばんは。
かよ) あちらの席にどうぞ。
梶原) おお、郁弥君。
はな) あっ、郁弥さん。ごきげんよう。
郁弥) どうも。
かよ) お姉やんも、こちらの席にどうぞ。
はな) うん。


**********

かよ) お兄さんが結婚してる事、
    ちょっこし内緒にしていてもらえますか?
郁弥) ちょっこし?
かよ) 傷つく人がいるので。
郁弥) それは、かよさんじゃないんですよね?
かよ) 違います。とにかく、内緒に。
郁弥) 分かりました。
醍醐) 郁弥さん。
    よかったらこっちにいらっしゃらない?
郁弥) はい。
須藤) おいで。
三田) どうぞどうぞ。
郁弥) 失礼します。
はな) あっ、「王子と乞食」の原書は、
    郁弥さんから頂いたんです。
梶原) そうだったの。
郁弥) 安東さんの翻訳、兄は、仕事も忘れて読み
    ふけってました。すごく面白いって。
はな) それは、原作が素晴らしいからです!
醍醐) はなさん、ずるいわ。私も、もっと頑張らなく
    ちゃ。英治さんは、何がお好きなの?
郁弥) 兄の好きなものですか?
醍醐) ええ。
梶原) 珍獣だよ。ほら、ナマケモノとかさ。
醍醐) ナマケモノ?
はな) 変わってますよね。


かよは知ってしまったのです。
お姉やんの恋は、道ならぬ恋だと。


ごきげんよう。さようなら。

**********

東京から福岡まで押しかける龍一。若さって怖い~。
あのタミさんを振り切って進撃の龍一は蓮子の元へ
まっしぐら。傍若無人な若者も、イケメンだから許す。
ていうか、イケメンじゃないと、そんな振る舞いも似合
わないというか、絵にならないのだけれど。黙ってい
れば雰囲気美男子なんだけどな…滑舌がイマイチ
なのが残念。頑張り次第で、10年後にはいい俳優さ
んになれるかも…と、今から期待しておきましょう♪

英治の秘密…というか、事情が郁弥よりかよに語ら
れ、ようやく英治が既婚者であることが明かされまし
た。おせーよ! って、思わず突っ込まずにいられな
い、もったいぶった展開。しかも、傷つくから内緒に
しておいてくれって…。いやいやいや! とっとと教え
てあげたほうが傷は浅いから! でも、こういうわけ
のわからない理屈で、話がメンドクサイ方向に進ん
でいくというのも、ドラマではよくある話。ばっさり、サ
バサバ話が進んだら、あっという間にドラマは終わ
わってしまうしね~。さて、朝ドラとしては、その扱い
がかなり難しいだろう、道ならぬ恋を、どんな風に見
せてくれるのか? カーネーションの恋が秀逸だった
だけに、気になる気になる。しかも今回は、はなと蓮
子の2本立て。キュンキュンさせてほしいものですw


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