「花子とアン」第71回~自覚のない恋心、まるっとお見通しの蓮様 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第71回
第12週 「銀座のカフェーで会いましょう
自覚のない恋心、まるっとお見通しの蓮様


蓮子) それで、私に、何かご用ですか?
龍一) ここは、あなたのようなブルジョアの、
    来るところじゃない。女給にたっぷりチップを 
    はずんでから、お帰りください。
蓮子) セイロンティーがないなら、
    シャンペンをいただくわ。
かよ) シャ…シャンペ…?
蓮子) ないの? じゃあ、ブランデーを。
龍一) 分かんない女だな。あんたの飲むものは
    ここにはないんだよ! 帰った帰った!
蓮子) 帰りません。絶対に。私は、世界で一番
    大切な友達と、今夜ここで会うんです。

**********

宇田川) さあ、早く。
     あなたの恋愛の話を聞かせてちょうだい。
はな) 申し訳ありません! 完全に経験不足で、
    お話しできる事は一つもございません!
    失礼します!

(会社を飛び出すはな)
はな) 蓮様…。

はなと蓮子は、
無事に再会を果たす事ができるのでしょうか?


**********

かよ) いらっしゃいませ。お姉やん…。
はな) 蓮様は? 

(首を横に振るかよ)
はな) 蓮様?
かよ) お姉やん…何時だと思ってるでえ?
はな) けえっちまったの…?
    1時間も待ちぼうけさしちまったから…。
かよ) ほうだよ。
はな) せっかく10年ぶりに会えると思ったのに…。
蓮子) はなちゃん。帰る訳ないでしょ!
はな) 蓮様!
蓮子) お久しぶり。はなちゃん。
はな) 蓮様~! 遅くなってごめんなさい!
    待っててくれたのね!
蓮子) はなちゃん!
はな) 蓮様! 会いたかった!
蓮子) 私も!

**********

蓮子) まずは、乾杯しましょう。
はな) ブドウ酒…。
蓮子) 覚えてる? あの事件。
はな) 忘れたくても忘れられないわ! 私、あれから
    自分に、ブドウ酒禁止令を出したのよ。
蓮子) はなちゃんには苦い思い出かもしれないけど、
    私にとっては、大切な大切な思い出なの。
はな) 蓮様…。
蓮子) はなちゃんを待ってる間に、次から次へと、
    あの頃の事が頭に浮かんだの。
    もう…何もかも懐かしくて。
    どうしてもブドウ酒で乾杯したくなったの。
    10年ぶりの再会に。
はな) そして…。
はな・蓮子) 腹心の友に。乾杯!

(ブドウ酒を飲む2人)
はな) はあ…何だか本当に夢見たい。
    私、この10年間ずっと毎日のように想像の翼
    を広げて、蓮様とこうして再会する日を夢み
    ていたのよ。
蓮子) まあ、うれしい!
はな) 何かを楽しみに待つということが、
    そのうれしいことの半分にあたるのよ。
蓮子) 素敵な言葉ね。
    はなちゃん、ちっとも変わらないわ。
はな) 蓮様も。すっかり素敵な奥様ね。
蓮子) お金がいくらあっても、生きがいのない暮らし
    はむなしいわ。はなちゃんと寄宿舎で過ごした
    あの半年間だけが、私にとっては宝物のような
    時間なの。どんな宝石の輝きにも負けないわ。
はな) 蓮様…。
蓮子) 今夜は、あの輝きを取り戻すわ!
はな) ええ!

**********

かよ) いらっしゃいませ。
英治) どうも。
郁弥) こんばんは。これ、かよさんに。
    この花、かよさんみたいでしょう?
かよ) 私、チップの方が嬉しいんですけど。

(かよの髪に持って来た花を挿す郁弥)
郁弥) よく似合います。
かよ) てっ…。


**********

かよ) お姉やん。村岡さんよ。
はな) てっ。
英治) どうも。
蓮子) はなちゃん、こちらは?
はな) あっ。聡文堂の取り引き先の、村岡印刷さん。
    あっ、女学校時代の腹心の友の、
    蓮子さんです。
英治) ああ。初めまして。
蓮子) ごきげんよう。
英治) 逢い引きってこういう事だったんですね。
はな) あれは編集長たちが勝手に言ってた事で、私
    は逢い引きなんて一言も言ってませんから!
英治) えっ、そうですか~?
はな) そうですよ!
英治) あれ?
    ブドウ酒には嫌な思い出があったんじゃ?
はな) 今日はいいんです。
英治) まあ、腹心の友との再会なら、思う存分飲ん
    で下さい。何ならまたおぶっていきますから。
蓮子) はなちゃん、相変わらず酒癖が悪いの?
はな) もう、蓮様まで~…。
英治) もしかして、もう酔っ払ってるんですか?
はな) まだ酔ってません! あっ、もう、本当にお構
    いなく。あっ、私郁弥さんに本のお礼を言わな
    くちゃ。蓮様、ちょっと失礼。
英治) お邪魔しました。
蓮子) あっ、お待ちになって。
    ちょっと、お座りにならない?

**********

はな) 郁弥さん、先日は貴重な原書を、ありがとうご
    ざいました。夢中になって一晩で読んじゃいま
    した。あれを翻訳して、新しい雑誌に載せること
    ができたらいいなと思ってるんです。
郁弥) あれは、兄です。兄から、あなたの気に入り
    そうな本を贈りたいと言われたんです。
はな) えっ?
郁弥) あなたに、
    英語への情熱を、取り戻してほしいって。

(英治の姿を見つめるはな)
郁弥) 今日も何冊か持ってきたんです。
はな) あっ…。あっ、読んでもいいですか?
郁弥) どうぞ。

**********

蓮子) はなちゃん、ちっとも変わってないわ。
(はなの姿を嬉しそうに見ている英治)
蓮子) 村岡さんは、はなちゃんの事が好きなのね。
英治) 花子さんを? そんな…。
蓮子) はなちゃんは、ずっと花子、って呼ばれたが
    っていたんです。あなたのような人が現れて、
    よかったですね。
英治) いえ…そんな事は断じてありません。
蓮子) どうして、断じてなんておっしゃるの?
英治) だって僕は…。
かよ) てっ! お姉やん、ダメ~!
はな) えっ?
かよ) それ、3杯目だから、ダメ!
蓮子) はなちゃん。3杯目はいけません。
郁弥) 3杯目はダメだと、お2人が言ってます。
はな) みんなそこまで必死に止める事ないじゃん。
かよ) ダメずらって! ダメ~!
蓮子) いけません! はなちゃん!
はな) 大袈裟…。大丈夫、大丈夫だから。
郁弥) 置きましょう。
蓮子) はなちゃん!
かよ) お姉やん!
はな) 蓮様、大丈夫です~。
蓮子) 大丈夫じゃありません!

**********

かよ) おはようございます。
蓮子) かよさん、おはよう。
かよ) お姉やん! 蓮子さん、起きてるよ。
はな) う~ん…。
かよ) 姉は、毎日遅くまで、英語の本を読んでるか
    ら、いつも朝寝坊なんです。
蓮子) この辞書、見覚えがあるわ。修和女学校の頃、
    寄宿舎に送られてきたの。
かよ) お姉やん、ずっと大切にしてるんです。
蓮子) どなたの贈り物?
かよ) 村岡さんです。
蓮子) ゆうべの、あの大きい方?
かよ) はい。大きいお兄さんの方からもらったそうです。
蓮子) そうだったの。
番頭の声) 奥様~! 蓮子様~! 奥様~!
はな) てっ! どうしたでえ!?
蓮子) がっかりだわ。もう迎えが来てしまったようね。

**********

(家の外の様子を伺うはなとかよ)

はな) てっ…。
かよ) 人力車。

**********

(何やら書き記した紙を、辞書の中に隠す蓮子)

蓮子) かよさん。お世話になりました。
かよ) いえ、また来てくれちゃあ。
蓮子) はなちゃん。
    楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうわね。
はな) 蓮様、今度いつ会えるかしら?
蓮子) …主人の許可が出たらね。
番頭) 奥様。
蓮子) ごきげんよう。はなちゃん。
はな) ごきげんよう。蓮様。
蓮子) 素敵な恋をしてるはなちゃんが羨ましいわ。
はな) えっ?

続きはまた明日。
ごきげんよう。さようなら。

**********

パンがなければケーキを…じゃなくって、セイロンティ
ーがなければシャンペンを。シャンペンがなければブ
ランデーをと、既に贅沢が普通になってしまっている、
ミドルネーム、嘉納・マリーアントワネット・蓮子さまw
腹が立つ気持ちはわかるけど、せっかく芥川龍之介
ばりにイケメンな龍一君が、チンピラやくざのようです。
もち~っと頭良さそうに描いてほしかったかなあ…と。

郁弥君も、どうせならバラの花でも持ってくればいい
ものを、そのへんで摘んできたような花(素朴で可憐
な花と言いたいのだろうけど)を持ってきて、「かよさ
んみたい」だなんて…。それ、あまりうれしくないから。
花より団子。花よりチップ! 同情するなら金をくれ!
でも、こういうのって、好きな男の人からなら、道端の
花でも嬉しかったりするから、女心は勝手なのよねw

はなと英治のやり取りを見て、あっという間に、まるっ
とお見通しの蓮様。自覚なき恋心を自覚させてしまい
ました。断じてそれはないと言いつつ、動揺しまくって
いるように見える英治さん。同じく、郁弥から英治の心
くばりを知らされて、急に英治が気になり始めるはな。
恋は、自分の気持ちに気づいてからが本番。互いに
意識しだしたら、どんどん相手も自分も変わっていく。
2人の10年ぶりの再会は、蓮子にとっても、はなにと
っても、恋の始まりの日でもあったようです。蓮子が
辞書に隠したものには、はなが、自分の気持ちに気
づくヒントが書かれているような気がします。フフフ♪

それにしても…もう少し2人の感動的な再会シーンに
力を入れてほしかったと思うのは私だけ? 最初から
最後まで邪魔が入り過ぎ~!お酒に飲まれすぎっ!
はなはもう、3杯目を止めるより、お酒自体禁止にし
たほうがいいレベルの酒癖の悪さ。久々に会えて舞
い上がる気持ちもわかるんだけど、あれじゃあ、蓮子
がちょっと可哀想。てか、ヒロインにもっと愛を注いで
くれないかなあ? 脚本家さん! 白蓮の方が面白い
のはわかるけど、主役は村岡花子さんなのだから!


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