「花子とアン」第6回~親指姫と王子様の恋、はなの旅立ち | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第6回
第1週 「花子と呼んでくりょう!」
親指姫と王子様の恋、はなの旅立ち


1903年(明治36年)

ふじ) 曲がり角の先へ行っちゃいけんよ!
   危ねえ、危ねえ! もも! 戻ってこう!
はな) もも。おかあんとこ帰れ。
    おかあが心配してるじゃんけ。

もも) (頷く)
はな) 行ってきま~す!
かよ) 行ってきま~す!
ふじ) 行ってこうし!


はなは、いつか大好きな本を
思いっきり読んでみたいという
夢を胸に秘めながら、
上の学年に上がりました。


**********

吉太郎がうちに帰ってきました。

吉太郎) ここはちっとも変わらねえ。

3年の年季奉公が明けたのです。

ふじ) 吉太郎! お帰り!
吉太郎) おかあ。ただいま。
ふじ) 元気にしとったけ!
吉太郎) ああ。死ぬほどこき使われたけんどな。
かよ) 兄やん、お土産は?
はな) お土産は?
吉太郎) 羊羹じゃ。

花子とアン(6)

**********

吉太郎) おかあ、お代わり。
ふじ) 奉公先じゃ、腹いっぺえ食えただけ?
吉太郎) いんや。おらが一番年下なもんで、遠慮し
     ろって言われて。
ふじ) 大変だったなあ。しっかり、食えし。
吉平) 帰ったぞ!
はな) あっ、おとう! 兄やん、帰ってきてるさ。
吉平) おお…もう奉公明けただけ。

花子とアン(6)

ふじ) あんた、すまんじゃんね。
    もう、夕飯残ってねえだよ。
吉平) 酒、くれ。
ふじ) ああ、へえへえ!

**********

リン) 吉太郎、無事に帰ってきたはいいけんど、
   婿殿とはやっぱし折り合いが悪いずら?
周造) そうさな…。
リン) ふじちゃんは何であんな変わりもんの亭主と
   一緒になったずらあ? あんなよそもんとくっつ
   かんでも、なんぼでもマシなんがいたじゃんね。
ふじ) よそもんだから引っ掛かっちまっただよ~。
    お茶でもどうでえ?
リン) へえ。頂かあ。
   よそもんだからって、どういうこんで?
ふじ) もうお彼岸だに、あっつい日だったさあ。

(回想) 
吉平) 娘さん。櫛や、かんざしは要らんですかね?
ふじ) 櫛もかんざしも、要らん!

(倒れる周造)
ふじ) てっ! ここいらにゃあ、井戸も川もねえだか
    ら。おブドウで、勘弁してくれちゃあ。
吉平) 甘い…。

花子とアン(6)

リン) そもそもほれが大きな間違えの始まりけ。
ふじ) あの人は、行商でいろんな土地へ行ってるだ
    から、どこにも行ったこんねえおらは、初めて
    聞く話ばっかで…。


(回想)
吉平) 鎌倉の海には海水浴の人が大勢いて、
    男も女も、水浴びしてキャッキャ言って。
    あっ…こういう話、退屈じゃ…?
ふじ) おら、海なんて見たこんねえから。
    いまっと話、聞かしてくれちゃあ。
吉平) あっ。これ、江戸の職人がこさえた櫛じゃ。
    やっぱり、ふじさんによく似合う。

花子とアン(6)

はな) てえ~! ほうやっておとうとおかあは結婚し
    ただか。親指姫と王子様みてえじゃん!
ふじ) はな、聞いとっただけ!
リン) ボコに聞かせる話じゃねえずら!
周造) そうさな。キチ、田んぼ行かざあ。
吉太郎) はい!
はな) おかあがおとうを好きんなったんは、おらが本
    を読んでる時の気持ちと同じじゃんけ!
ふじ) ほれ、どんな気持ちでえ?
はな) 本を読むと、行った事ねえ場所や、見た事ね
    え景色が、どんどん頭に浮かんでくるだ。じっ
    としていられんほど、ここが、ドキドキして、熱
    ~くなる。
ふじ) はな。思いっきし、本が読みてえけ?
はな) えっ?
ふじ) はな、言ってたじゃんけ。
    う~んと本がある家に住みてえって。
はな) そりゃあ、おらの、夢ん中の話だ。
    おかあ、どうしただ?

**********

ふじ) お父やん、お願えがありやす。
周造) 何でえ。改まって。
ふじ) はなの夢を、かねえてやってくりょう。はなを、
    東京の女学校に、行かしてやってくりょう!
はな) おかあ…。
周造) どうしただ?
ふじ) ずっと、考えてただよ。いつか、この子の夢を、
    かねえてやりてえって。はなは、うちの仕事を
    手伝ってくれて。自分が、遊びてえのも我慢し
    て、妹たちの面倒見てくれて。ふんとにふんと
    に、いいお姉やんだ。これっからは、はなの、
    好きなように、やらしてやりてえだよ! 吉太郎
    も奉公から帰ってきたし、この機会に、はなを、
    東京に、行かしてやってくりょう!
    お願えしやす! お父やん!
吉平) お願えします!

(周造に頭を下げるふじと吉平)

**********

周造) はな…。
はな) ずっとおじぃやんのそばにいるよ。
    約束したじゃんけ。
周造) そうさな…。ふんだけんど、はなのおかあは、
    頑固で、一度言い出したら絶対に聞かん。
    富士山と一緒ずら。てこでも動かんし、たまに
    ゃあ噴火もする。名前が、ふじだからな。

**********

ふじ) あんた! おとうが許してくれたさ!
吉平) ほうけ! ほうけ! ほうけ!
    はな、よかったな!
    これでやっと東京の女学校に行けるだぞ!
ふじ) はな! よかったじゃん! おめでとう。
吉平) どうしただ? はな。
    もっと嬉しそうな顔しろし!

…と言われても、
はなはまだ実感がわきませんでした。


**********

本多) 安東。
はな) はい。


そして、
みんなにさようならを言う日がやってきました。


本多) みんなも知ってのとおり、はなは、東京の女
    学校に転校するこんになりました。
    今日で、最後じゃんね。
はな) 皆さん、いろいろ、ありがとうごいした。この学
    校の事も、みんなの事も、決して、忘れんさ。
本多) どうしただ。今日で最後ずら。何か、言えし!


花子とアン(6)

(回想) 
本多) とりあえず、こけえ座れ。


朝市) はなの事は、決して忘れんさ。
サト) はなちゃん。
生徒たち) さいならはな! さいならはな!
       さいならはなちゃん!


花子とアン(6)

はな) みんな…みんな…。
武) おまんの言いてえ事ぐれえ、分かるさ。
  おらの事は、花子と呼んでくりょう、ずら?
はな) ほうずら。
本多) 安東…。
生徒たち) 元気でいろし! さいなら!
      元気でいろし! さいなら!

花子とアン(6)

**********

子供達) さいなら! さいならはなちゃん!
武) はなたれ~!


花子とアン(6)

子供達) はな! はな!
はな) さいなら~!


花子とアン(6)

こうして、10歳のはなは、故郷を旅立ちました。
曲がり角の先には何が待っているのでしょう?

この続きは、また来週。
ごきげんよう。さようなら。


**********

あっという間に3年が経ち、吉太郎の奉公が明けて、
無事に帰ってきました! 相変わらず、口が達者で、
クールな吉太郎ですw お土産の羊羹が眩しい~!
おとうと違って、ちゃんと食べられるお土産を持って
帰る息子。3年ぶりに顔を合わせた父と子の微妙な
雰囲気は、今後も何かと尾を引きそうな予感が…。

おしゃべりばばあことリンのツッコミから、ふじと吉平
の恋バナが語られ、それを聞いたはなは、親指姫と
王子様みたいだと大喜び。でも、それじゃあ、おとう
は王子様というよりは、姫に助けられたツバメなんじ
ゃないかい?というツッコミはおいといて…。どちらか
というと、「あまちゃん」の夏ばっぱと忠兵衛さんみた
いなカップルだなあと。外の世界を知らない妻に、外
を駆け回り、知らない世界の話を聞かせてくれる夫。
ふじさんにとって、吉平が、自ら喋る「本」だったんだ
なあって。よそもんだから引っ掛かったっていうのも
よくわかる。知らない事を知っている人は魅力的だし。
2人が出会う回想シーンでの、ふじの声が、ちゃんと
甲高く若い声にしてあるのが、頑張ってるなあと微笑
ましく。見えないけど、何だか若い娘に思えてきたよ。

学校でのお別れシーン。朝市が机の上に正座する
姿もよかったけど、武のツッコミにも惚れた。そして、
3年たっても、花子とは呼ばないみんなと、花子と呼
べという花子の戦いが続いていたことに、笑った~。
そう簡単にはなもまわりも変わらなかったのがいい。
はなの言い分を聞かない自由もあるし、はなが言い
張るのも自由。頑固なふじの娘は、やっぱり頑固w

冒頭、ふじが言う、「曲がり角の先へ行っちゃいけん
よ!」の言葉が、沁みてくる。曲がり角の先を心配し
なければならないボコから、はなはちょっと大きくな
った。はなの中でずっと消えなかった、本への恋心。
3年の月日は、曲がり角の先を心配するより、その
先の一歩を後押しできるようになるまでの、はなに
も大人にも、必要な時間だったのかなあと思ったり。

曲がり角の先、はなには想像することもできなかっ
たカルチャーショックの嵐が待っているはず。はな
の運命はいかに…。明治時代の本物の(他意はあ
りません)お嬢様達の学校生活を見るのが楽しみ!

☆親指姫の物語は、こちらで紹介されています。↓
「福娘童話集」~親指姫


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●「花子とアン」HP


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