「花子とアン」第1回~はなじゃねえ。花子と呼んでくりょう | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第1回
第1週 「花子と呼んでくりょう!」
はなじゃねえ。花子と呼んでくりょう







曲がり角を曲がった先に、
何があるのかは、分らないの。
でも、それはきっと…。


(空襲警報)

きっと、
一番よいものに違いないと思うの。


**********

昭和20年4月15日。
東京の夜空に、

100機を超えるB29が現れ、
大森の町も恐ろしい爆撃を受けました。


美里) お母様!
はな) 美里! 防空壕に逃げましょう。
美里) うん。
はな) 早く行かないと危ないわ。

(爆撃音)
美里) キャ~!

もしもこの夜、
たった一冊の原書が燃えてしまったら、
私たち永遠に

出会えなかったかもしれません。
みんなが大好きな、あの「赤毛のアン」に。


美里) 何?
はな) 命よりも大切なもの。




**********

はな) 大丈夫。大丈夫よ。

  お寺まで逃げるの。
  大きな防空壕があるから。
子供1) 怖いよ。
子供2) 怖いよ。
はな) 花火みたいね。いい? 

  想像してみて。これからみんなで、

  あの花火の中を、走り抜けるの。
  怖くないでしょ? 

  さあ、行きましょう。急いで。

この勇ましいおばさんは、

村岡花子といいます。



「赤毛のアン」を、
初めて日本語に訳した翻訳家です。
これは、花子とアンが出会い、
日本中の人たちに、
夢と勇気を送り届けるまでの物語。


**********

1900年(明治33年) 甲府



花子こと、安東はなです。
甲府の貧しい農家のうちに生まれました。


はな) ひゃっ。つべてえなあ。
  おはようごいす。

  おまんらも早起きじゃんね。



はな) あっ、待ってくりょう。よ~し。

はなは小さい頃から、
夢見る力を持っていました。




眠い朝や、辛い力仕事の時、
こうやって想像の翼を広げれば、
どんな鳥よりも、
高く飛ぶことだってできるのです。




はな) 富士山じゃんけ! あ~!

**********

はな) おじぃやん。おはようごいす。
周造) ああ、おはよう。
はな) 兄やん。行ってこうし。
ふじ) はな。

  ももとかよの世話、頼むじゃんね。
はな) うん。
ふじ) ももが腹すかして泣いたら、
  畑に連れてきてくれちゃあ。
はな) うん。おかあ。はあく行っけし。
ふじ) ふんじゃ行ってくるじゃんね。


**********

はなはこんなに小さくても、
このうちの、大事な労働力なのです。


はな) おかあ、昼飯じゃん!
ふじ) ああ、はな。悪かったね。
   さあさあ、お昼にしっか。
はな) おじぃやん、はい。
周造) は~い、ご苦労。


**********



はな) ええなあ…。
武) 突撃! はな! はなたれ! 

 おまんちは、小作で貧乏なもんで、

 学校も行けんずら!
一同) 貧乏、貧乏! はなたれ! 貧乏!
武) 何とか言えし! はな!
はな) はなじゃねえ!
  おらの事は花子と呼んでくりょう。
武) はあ?
はな) 花子と呼べし!
武) こいつ、何言うだあ。

 小作のくせに花子?
 笑わせるじゃんけ、はなたれ!
はな) 何するでえ!
朝市) はな。でえじょうぶけ?
はな) はなじゃねえ。

  花子と呼んでくりょう。
朝市) あっ。
はな) あっ。
吉平) はな! ほれ。




はな) おとう! けえってきただけ!
吉平) おお~! けえったぞ~!


**********

はなのおとうは、
行商の仕事をしています。
甲府特産の生糸を東京に売りに行き、
代わりに日用品を買い付けて、
こちらで売るのです。




**********

吉平) ちっと待ってろし。
はな) 何でえ?
かよ) 何でえ?
吉平) おまんたちに、

  取って置きの土産があるだぞ。
はな) 土産?
吉太郎) おとう、何ずら?
かよ) 何ずら?




吉平) これじゃ~!
ふじ) ほりゃあ、何ずらか?
吉平) 絵本じゃ。
はな) てっ! 絵本?
かよ) 食うもんがよかった。
吉太郎) 食うもんがよかった…。
ふじ) 誰が読むでえ?
吉平) 誰って…。
周造) そうさなあ。ここんちじゃ

  婿殿しか字読めんだからなあ。
はな) てっ! 本じゃん! 

  本物の本じゃんけ。
  おら、初めて本に触った。

  夢みてえじゃん。
吉平) はな! 夢みてえか?
はな) うん! おとう、ありがとう。
吉平) やっぱしはなはおとうの子じゃ。
ふじ) はなも飯にしろし。
吉平) はな、逆さまじゃ。
はな) あっ、こうずらか。
吉平) はなは、1年生ずら?
  学校で字は習っとらんのか?
ふじ) うちの手伝えが忙しくって、
  学校にゃ、1日も行っちゃあいん。
吉平) てっ! 一日も?
ふじ) あんた、知らなんだだけ。
周造) そうさな。1年のうち半分も

  うちにいねえだからな。
吉平) 頂きます。


**********

吉平) ほら、はな急げ! 

  今日から学校行くだよ。
はな) 学校?
吉平) これまでの遅れを取りけえすだ。
はな) おとう! 

  おら学校なんか行かんでいいだよ。
  ももの子守があるし。
  うちの手伝えしなきゃならんだよ。
吉平) はなはうんとこさ本が好きじゃん? 
  ほれなのに字が読めん。
  あんまり不憫でおとうは、ほっとけん。
はな) ふんだけんどおらは…


はあ…夢にまで見た学校でした。

はな) 学校じゃん。学校じゃん!
  おとう! 学校じゃん! 学校じゃんけ!
吉平) はな! 転ぶじゃねえよ!


**********

本多) 新しく入学した、安東はなさん

  ずら。おまんら、仲良くしろし。
生徒達) はい!
本多) とりあえず、こけえ座れ。
はな) はい。




武) おまん、今まで学校来ちゃいんから、
  ほんなこんも分らんだか。
はな) おら、先生に言われた通り、

  やっただけずら。
本多) 椅子に座れってこんだ。
吉平) はなの言うとおりじゃ!
  先生の言い方の方が間違っとる。
本多) 余計なこん言わんでくれちゃあ。


**********



本多) 学問して、よき人となれずら。
生徒達) 学問して、よき人となれずら。
本多) よしよし。ほうずらほうずら。
  よ~く読めたずらよ~。
吉平) ほういうなまった言葉で子供らに

  おせえるのはどうじゃろう。これじゃあ、

  東京じゃ通じんぞ。ずらずらずらずら。
本多) おまんはまだいただけ。
  授業の邪魔ずら。帰ってくれちゃあ。
吉平) 俺は、子供らの教育のために

  言っとるんじゃ。
本多) 先生は、尊み敬えずら。
生徒達) 先生は、尊み敬えずら。


**********

吉平) あんな田舎教師にゃ、

  はな任せられん。

**********

そして、1週間後。

はな) ふ…ぼ…は…わ…れ…を…
  や…し…な…い…そ…だ…て…
  そ…の…お…ん…ふ…か…し…。
本多) てっ! 

  おまんはもう字ぃ覚えただけ?
  がとう頑張ったじゃん。ほら、

  おまんら。頑張らんとはなに

  追い抜かれちまもうぞ。
  武、聞いてるだけ!
武) イテッ!
本多) さあ、みんな。

  石盤とろう石出せし。
生徒達) は~い!

(武がはなの背負っている子の

 髪の毛を引っ張り…)
本多) 誰でえ! ボコ泣かしたは!
武) 朝市君でごいす。
はな) 朝市け。
朝市) はな…。
はな) はなじゃねえ! こん卑怯もん!




本多) はな! 朝市! 立ってろ!

**********

その頃、はなのおとうは…

吉平) ここけえ…。



とんでもない場所で、
とんでもない事を考えていたのでした。


この続きは、また明日。
では皆さま、ごきげんよう。
さようなら。


**********

少女の頃、夢中になって何度も何度も繰り返し読ん
だ、名作「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子さんの
ものがたりが、始まりました。主題歌のバックに、赤
毛のアンの世界が広がっていたことに、まず感動!
そして、冒頭の52歳の花子の姿に、いや、女優吉高
由里子の心意気に涙。ほうれい線はもちろん、あご
のたれ、首のしわ、手のしわまでも。25歳の彼女は、
見事52歳のおばさんになってくれました。えらいっ!
予告でチラっと観た以上の出来に、涙ぐんでしまい
ました。理由は野暮になるのでお察しくださいませw



↑ う~ん。素晴らしい。女優魂を感じます。ホント。

そして、これぞ、朝ドラ。ヒロインとその家族の温かさ。
貧しくても、互いに思いやる、愛ある家族がそこに…。

そして、なかなか根性がありそうで、大人しい女の子
ではなさそうなはながいい。彼女の夢見る力が、きっ
と彼女が強く生きる力となっていくのでしょう。随所に
「赤毛のアン」の世界を思わせるシーンがあって、も
のすごく田舎で貧しいおうちのお話なのに、何とも豊
かな世界が垣間見えて、久々にワクワクしています。

子役・山田望叶ちゃんの、強い目力も魅力的。子供
時代も楽しく観ていられそう。あ~待ちに待った春!
おばさんの花子、そして子供の花子に、惚れました。
これからまた、元気な朝を迎えられそうです(*^。^*)

あまちゃんは「じぇじぇ!」、「花子とアン」は「てっ!」
が、驚きのキーワードとなりそうです。そして、ずらず
らずらも、知らない内に口にしてしまいそうで怖い~。

ちなみに、修身で、黒板に書かれていたのは↓

 

 一、としよりは、ねんごろにいたはれ

 

 一、がくもんして、よきひととなれ
 一、ほういうとは、なかよくまじはれ

先生、ずら~は余計ずら~。おとうが不安になって、
とんでもない事を考えたくなる気持ちもわかるずら~。
花子のおとう、吉平から、目が離せないずらずら~w

 


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