ごちそうさん(146)~宙ぶらりんめ以子と、元さや夫婦物語 | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第146回
「とんだごちそう」
~宙ぶらりんめ以子と、元さや夫婦物語



泰介) へえ~室井さん、そんな恰好つけてんの?
め以子) 「どうも」…やって。
静) すけべえが、ほとばしっとるで。あれ。
め以子) 何やってるんですか。もう。
静) いつのまにか、ピタ~って、横座っとる。
め以子) 女の人の方は…。
静) まんざらでもないみたいやわ。今日は、蔵座敷
  が、連れ込みになる日ぃかもしれん。
め以子) かなんな~。
     泰介! あんた、何やってんの、もう。
泰介) いや…。室井さんやったら覗いてもええんち
    ゃうかなて。
め以子) いい訳ないやろ。ちょっと。
泰介) お母さん…。
め以子) はっ!

**********

室井) 雪のようだね。
め以子) 失礼します。
室井) あ…ご飯来たかな~。
め以子) ご飯はまだなんですけど…。
     奥様が、お着きです。
室井) おく君? そんな知り合いいないけどね~。
桜子) お久しぶり。室井さん。
室井) えっ?
桜子) まあ~仲良し?
室井) 蚊! 蚊がね。
路代) あの、先生?
室井) うん? あっ…。うん、もういいから。
路代) えっ?
室井) うん。いいから。もういいから。ごめんね。うん
    うん、はいはい。は~い、は~い、またね、ごめ
    んね。はいはいはい。は~い、は~い、は~い、
    どうもどうも。は~い、は~い、どうもどうも。は
    い、お世話さま~。失礼しま~す。
桜子) 追い出すことなかったのに。
室井) 何しに来たのよ!
桜子) 興味あるじゃない?
    自分の旦那が、どんな相手と交際してるのか。
室井) 悪趣味だよ。のぞきなんて。
桜子) はっ! 誰が言ってんの?
    楽しかった? 文通。
室井) 関係ないでしょ。もう、僕たち別れてるよね。
    そういう解釈でいいよね?
桜子) 楽しかった?
室井) はい。楽しかったです。あの…彼女は、僕の
    文学を、理解してくれてまして。
桜子) ディケンズだとか、西鶴だとか。
室井) そうなんだよ。その感性が素晴らしいんだよ。
桜子) 涙でその字が流れてもも読んでて。
室井) そうそう。発禁になったやつまでどうにか手に
    入れて読んでくれて。
桜子) 阿呆の佛はまさに集大成!
室井) …え? えっ? ちょっと、えっ?
    ちょっと待って。えっ? ひょっとして…。
    僕が文通してたのって…。

**********

め以子) ひどいことするなあ…。
路代) ねえ、ちょっとかわいそうですよね。
静) あんさんは、どないな関係の…?
路代) あっ、私、民子の姪です。
め以子) 民ちゃんの?
路代) はい。ちょっとアルバイトしてって頼まれて。
    桜子さんの手紙も清書して、受け取りもして
    たんです。


**********

桜子) 塩と砂糖の話が出ましたが、
    路代さん、あなたは砂糖のような人だ。
室井) やめて!
桜子) 全てを甘くま~るく包み込む。白状しよう。
    僕はあなたの事を思わない日はない。
室井) ごめんなさい!
桜子) 思えば、
    ずっとしょっぱい女房に支配されていました。
室井) ごめんなさい!
桜子) 偉そうで、気まぐれで。
室井) いや、嘘! それ、嘘だから!
桜子) あまつさえ、戦争中に僕を放り出す様な女だ。
    酷くない? 普通そんな事する? しないよねえ。
室井) ごめんなさい…。
桜子) 酷いでしょう! いきなり文体が変わって。
    雑! 室井さんは、大作家になったんだから。
    こんな手紙書いちゃダメよ。書簡集って出るの
    よ、死後。あの作家が、普段どんな事を考え
    てたのか、書いてたのかって、みんな読むん
    だから。この文体の混乱は、ない。
室井) 桜子ちゃん?
桜子) でも、手紙に書いてたことは、ホント。阿呆の
    佛は、ホントに面白い。バカバカしくて、くだら
    なくて、猥雑で。でも根底に、焼け跡を、生き抜
    く人たちへの、愛がある。命への、愛がある。
室井) ねえ…。阿呆の佛を書かせるために、僕の事、
    追い出したの?
桜子) 室井さんを走らせるには、過酷な状況が必要
    だから。どうしても、読んでみたかったの。室井
    さんが、焼け跡で、描く物語を。
室井) 酷いよ。
桜子) ごめんね。
室井) 酷いよ、桜子ちゃん。
    もう…もう、もう。大好きだよ~!

**********

静) 泣く事ないがな。
め以子) よかったなあって。元のさや収まって。

**********

桜子) 東京戻って、民ちゃんに会ってね。それで、姪
    ごさん紹介してもらったのよ。女優志望だから、
    いい勉強にもなるかも~って。
め以子) そうだったんだ。
桜子) め以子の事は、さっき室井さんから聞いた。
め以子) 何て?
桜子) いろんな事が、宙ぶらりんのままだって。
め以子) かっちゃんを、殺したんは、何やかんや言
     うて、行かしてしもた、私やと思ってる。私が、
     変わらなあかんて、思ってるんやけど、ね。
     かっちゃんの事考えたら、やっぱり、かわい
     そな気ぃがして。私だけは、許したら、あかん
     ような気ぃがして。出口が見つからんのよ。


**********

静) 室井さんにお布団、ええの?
泰介) うん。後でもっかい行くわ。
静) そうか。
泰介) お母さん、僕らには話されへんのかなあ。
    本音いうか。
静) アメリカの事か? まあ、近すぎるいうんはある
  かな。あの子が本音をぶつけたら、どう言葉選ん
  だかて、泰ちゃんも希子ちゃんも、責める事にな
  ってしまうやろし。まあ、当分は、こんなあんばい
  で行くしかないやろな。
泰介) 何や、孤独やな。お母さん。
    まわりに人おっても、一人なんやな。
静) 当たり前やんか、そんな事。
  人はみ~んな一人や。それぞれ、勝手がちゃう。
  理屈もちゃう。せやからこそ、腹の底から一つに
  なれる瞬間いうんは、ごっつうありがたいんやっ
  て、わかるんやで。

**********

倉田) こんにちは。
め以子) こんにちは。
倉田) 若ゴボウ、もうてんけどな、
    ちょっと、何かしてくれへんかな。
め以子) ああ、きれいですねえ。
倉田) せやろう?
め以子) あっ、倉田さん。
倉田) えっ?
め以子) お姉さんて、会うてはります?
倉田) うん。ちょくちょく、手紙でやり取りしたりは、
    してるけどな。何ぞあるんか?
め以子) どないしてはるかなあ思て。近頃、昔のお
     姉さんの気持ちわかるようになってきて。
     まあ…少しなんですけど。

**********

源太) 何や、花が咲いたようやな。
馬介) ホンマになあ。
源太) どないしたんや?
泰介) 腹の底から、
    一つになれる瞬間て、どんなもんかな?
諸岡) 西門。
泰介) はい。
川久保) 泰介君。
泰介) 何ですか?
川久保) 僕はね、平和主義者やけど、
     これは闘わなあかんと思うんや。
諸岡) 断固闘うべきや。
泰介) えっ、えっ、ちょっと待ってください。
    何と、闘うんですか?
川久保) GHQや。


**********

室井と桜子は、想定内の思った通り話なので割愛。

もう学校は春休みに入っている筈。子供と一緒に観
てしまった親御さんの心の悲鳴が聞こえてきそう…。
すけべえがほとばしってるとか、連れ込みになる日と
か…。そもそも、倉田さんのための、倉田さんスポン
サーの蔵座敷なんだから、連れ込みになる日ぃかも、
なんて言ってる場合じゃなくて、そんな客は追い出さ
なきゃいけないと思うんですけど。倫理観のない人た
ちの話だからしょうがないのか。儲かればいいのか。

最後の最後まで、言い訳と自画自賛なのもウンザリ。

バカバカしくて、くだらなくて、猥雑で。
でも根底に、
焼け跡を、生き抜く人た
ちへの、愛がある。
命への、愛がある。

ホント、そうあってほしかったよ。本当は、室井の書く
小説「阿呆の佛」とリンクして、「ごちそうさん」も、そう
描かれているはずだったのよね? そのはずだった。
キャラへの愛、キャラ同士の愛が、あればよかった。
あってほしかった…。夫を思いやる。子供を思いやる。
親を、家族を思いやる。友達を、関わった人たちを思
いやる。そんな姿が…命への愛が…見たかったなぁ。
(とってつけたかのような、民ちゃんの姪って設定に
も苦笑いしか…。民ちゃんには出てもらえないのね)

室井と桜子の様子を見ため以子は、泣いてなかった
し。目薬ぐらいさせよってツッコミを入れたくなるほど、
顔が渇いていたし。ただでさえ、目には見えない「愛」
を描こうと思うなら、せめて、それを感じさせる演技力
がないと…。阿呆の佛どころか、痴呆がもうすぐ佛に
なりそうなぼけっぷり。つるつるした顔の母親と息子
の図に、これを親子と思えって、どんな拷問だと思う。
ストーリーも年齢さえも、視聴者の脳内補完に頼るっ
て…。作者のいう、「最後にやっと、ちょっとだけ成長
する」中身だけが、気になって観ているのだけれど、
想像がつかない。一体、何を持って成長したと思わ
せてくれるのか。ここまできたら、和枝ちゃんに頭を
下げて謝れたら、ちょっとだけ成長したと思ってあげ
てもいいかな~と、秘かに思っているのだけれど…。
め以子の成長…さあ、みんなで予想してみよう!w


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