ごちそうさん(124)~逮捕された悠太郎とめ以子のカルメラ | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第124回
「悠太郎の卵(らん)」
~逮捕された悠太郎とめ以子のカルメラ


め以子) あの~
中西) あっ、あの~課長が、逮捕されました!
め以子) …えっ?

**********

中西) 市役所の主催で、防火演習をする事になって、
    西門課長は、その担当をすることになったんで
    す。それで、今日、軍と警察の視察のもと、有
    志の皆さんと共に、防空演習をする事になった
    んです。最初は、予定どおり、演習が行われて
    いたんですが。さて水をかけるいう段になって、
    課長が…燃えてるとこに、さらにガソリンをまき
    始めたんです。
静) 何でそんな事を?
中西) 空襲いうんは、こんなもんやない。

(回想)
悠太郎) 焼夷弾が降ってくるいうんは、空から火ぃ
     ついたガソリンが、降ってくるようなもんや!
     消してなんかおられん!命が惜しかったら、
     とにかく逃げろ~!


中西) そう、言い始めはって…。

(回想)
悠太郎) 街は人を守るためにあるんです!
     街を守るために人がおるんやないんです!
     街を守るために命なんか懸けるんは、
     道理が通らんのや!

中西) 課長が言い出したんは、防空本部の通達と
    は、正反対の事ですから、その場で、捕まっ
    てもうて。
静) どないなるんですか?
中西) 厳罰…。厳罰はまず、免れないと思います。
静) ちょっとあんた…あんた、どこ行くん?
め以子) 悠太郎さん、何も間違うてないやないです
     か。正しいこと教えようとしただけやないです
     か。街の人の命を守ろうとしただけやないで
     すか!
静) 聞こえたらどないすんの!
め以子) 捕まらなあかんようなこと
     何もしてないやないですか!
勝治) 今はお納めとき!
    確かに、あんたの言う通りやとは思う。わし、そ
    この現場行っとったんや。実際に燃えるん見て、
    西門さんの言うことが正しいんはようわかった。
    けど…今は納めとき。あんたまで連れてかれた
    ら、このうち、どないなるんや!
め以子) 火事で、お母さん亡くして。安全な街を造り
     たいて。それだけで、生きてきたんです。これ
     も、安全のためやからて、今度は引き倒して。
     身ぃを粉ぉにして、尽くしてきたんです。
     それの…それの何があかんのですか!?

**********

源太) おう。何や、いくらか、知らせは来とるか?
川久保) 少しは。
源太) わしも、また聞きやから、詳しい事はようわか
    らんのやけど。
川久保) とりあえず、僕らのところにまで、嫌疑がか
     かるいうんは、今のとこは。
源太) ほな、泰介君やら、
    ふ久ちゃんらも大丈夫かいな。
希子) 一応、連絡してみます。
源太) ああ、わし、やるさかい。身内の人間は、動か
    ん方が、ええと思う。ほな。
川久保) おおきに。
     (希子に) いつもどおり、やるんや。
希子) わかってる。

**********

源太) 何やってんねん?
め以子) 嘆願してくれそうな人に、手紙。
源太) もっと、何かないんか? 早い事動いてくれそ
    うな、ツテは? 処分決まったら終わりやぞ!
め以子) 知ってたら、頼んでる!
源太) こいつ、何でこんなもん持ってんねん?
め以子) …あっ!

**********

静) どこ行くん?
め以子) 悠太郎さんの事お願いに、
     藤井さんのとこに。
藤井) こんばんは~。
め以子) あ…。
藤井) あの…
    小麦粉持ってきたさかい、晩飯、寄せてくれる?
め以子) 藤井さん…。藤井さん!

**********

希子) 大丈夫かな? お兄ちゃん。
静) 藤井さんの幼なじみ、司令部におんのやろ?
  結構な偉いさんやと思うで。
希子) けど、何でちい姉ちゃんは連れていかはった
    んですか?
静) 実はな…。


**********

藤井) いや…こんな夜分に、悪いな。さんちゃん。
里見) ホンマに、なんなんや。
藤井) まっ、とりあえず。これでも、食べてや。
里見) カルメラか。頂くで。
藤井) 食べて、食べて。
里見) ようでけとんな、このカルメラ。
    うちのおばあちゃん並みの腕前や。
藤井) それでな、さんちゃん。
    わしの部下が、ちょっと捕まってもうたんや。
里見) まさか、あれか? 市役所の。
藤井) せや。
里見) あれはあかん。いくらこうちゃんの頼みでも。
藤井) 西門君はな、昔、ミナミの大火でお母さん亡く
    しとるんや。それでな、安全な街を造りたい。
    その一心で今までやってきたんや。
里見) 森花小学校やんか。
藤井) せや。ここ、君の孫、通うとったやろう? 震災
    の混乱の中で、これ造ったん、彼や。それから、
    地下鉄。これも全部あいつがやった。
    なあ、さんちゃん。こないにでける人間をやな、
    牢屋に入れとくんはもったいない思わんか?
    やるとなったらごっつ頑丈なもん造りよる。恩に
    着せて、軍の施設でも何でも造らせたらええ。
里見) そんなん、軍に反抗しよるような奴に。
藤井) あいつに思想性はないんや。あいつにある思
    想は、建物は人を守るためにある。それだけな
    んや。その立場になったら、最大限兵隊を守る
    ためのもんを造る思う。
里見) これ、全部ええんか?
藤井) ちなみにな、この見事なカルメラ焼いたん、
    そいつの奥さんや。
里見) え…?
藤井) 挨拶ええか?
里見) はっ?
め以子) ご所望であれば、何百回でも何千個でも
     その、カルメラお焼きします。閣下のために、
     一生作り続ける事もいといません。
     ですから、何とぞ…。
     何とぞ、寛大な処置を、お見せくださいませ。
里見) あんな、ドウナットは作れるか? うん?

**********

静) ほな、今まで延々、甘いもん作ってたん?
め以子) ものすごい甘党の方で、おばあちゃんと
     の思い出のお菓子を、延々と。
希子) けど…あるとこにはあるんですね。お砂糖。
め以子) あんまり、腹立ったんで、
     頂いてきちゃいました。
静) こ…こんな事して大丈夫なん? あんた。
め以子) これでばれるような量、ちゃいましたから。
川久保) けど、そんなんやったら、
     大丈夫なんですよね?
め以子) 大丈夫と…思いたいけど…(ため息)。

**********

め以子) どうぞ。
子供達) 頂きます!
め以子) はい。
子供) おばちゃん。どないしたん? このお砂糖。
め以子) し~!やで。絶対、し~!やで。
     言うたら次から出てこんようになるからな?
悠太郎) 僕らにも頂けますか?
子供) ご…ごちそうでした。
子供達) ごちそうさんでした。
悠太郎) ホンマに、すいませんでした。
め以子) みんなが…みんながどれだけ心配したと
     思ってるんですか! 後先考えんと、これが、
     ええ年した大人の、やる事ですか! あなた
     を頼りにしてる、家族の事、何も考えてませ
     んよね? 考えてたら、こんな事できません
     よね!?
悠太郎) ホンマに…。
め以子) せやけど…立派でした。
     立派な、お仕事でした。

**********

ツッコミをする気力もあまりないのだけれど…。何て
いうか、悠太郎の暴走といい、もうすぐ孫が産まれる
いい大人のめ以子に砂糖を盗ませるところといい…。
(腹が立つのはわかるけど、子供の頃から盗癖があ
るし、お世話になろうとしている人から、砂糖をくすね
てきたと自慢のように見せるその心根が卑し過ぎ…。
あるところにはあるからと、盗んでいい訳ではないし)

一見立派な反戦思想のようで、実は個人的な願望
を叶えたいだけの人間が、やりたいんだから、叶え
たいんだから、何やってもいいじゃない?って、恐ろ
しく、身勝手で自己中な思想が透けてみえて、気持
ちが悪い。ルール違反をしても、生きていくためだし、
食べるためなんだから、しょうがないでしょう?って。
反面教師にって事なのかと思いたいけれども、そう
も見えない。そういうワガママで欲望に正直な人間
がいても、フィクションならいいでしょう?って。今の
私たちから見たら、ありえないほど不自由で、理不
尽な時代だったとは思うけど、その中で生きた人の
我慢や忍耐を、今の私たちの目で軽んじたり、ふざ
けてはいけないと思う。バカにしていいはずがない。

何だろう? このドラマを観ていると、日本人の心が、
美しき魂が、損なわれていくような気がしてしまう…。
やっぱり…ふざけてはいけないことが…あると思う。


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