ごちそうさん(82)~水とアーチと露店のアイスクリン | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第82回
「アイスる力」
~水とアーチと露店のアイスクリン


馬介) ほな、ふ久ちゃん、来週頭から学校行けること
    になったんや。
め以子) うん。先生が様子見に来てくれて。実験は、
     台どこでおじいちゃんとやる癖ついたから、え
     えですよって。今日、桜子は?
馬介) ああ、ハモニカとカスタード巻き置いてもらうっ
    て話で、百貨店に話し行ってる。
め以子) へえ~。室井さんも、少しは働いたら?
室井) うん。
め以子) 桜子、書いてほしいって言ってたわよ。
室井) おでんの国、一応平和来ちゃったしね。
    僕もそろそろ、大人の小説を書こうかと思って
    準備してるんだよ。いつまでも、いい大人が、お
    でんとか、ポトフとか、バカらしくなっちゃってさ。
ラジオ・希子) では、
        「私のお料理自慢」のコーナーです。
め以子) おっ!
ラジオ・希子) 今日のお題は干しシイタケ。皆様より、
        たくさんの干しシイタケのお料理をお寄
        せ頂きました。

馬介) めいちゃんも、出してたよな。
め以子) 出した。干しシイタケと干瓢のピクルス。

ラジオ・希子) その中から、ミセスキャベジさんから
        のお料理をご紹介します。
め以子) もう~、キャベジ!

**********

馬介) ふ久ちゃん。うまかったか?
ふ久) …わからん。
馬介) こっちの方は、相変わらずなんか。
め以子) まあ、全く食べへん訳やないし、元気やし。
     あんまり気に病むのもやめました。
馬介) そのうち、何や大好物いうんも出てくるわ。
め以子) まっ、そのうち、そのうち。
室井) あっ、悠さんは? 相変わらず、忙しいの?
め以子) それが、
     水が、どうにもこうにもならんらしいです。
室井) はあ、水がね。


**********

悠太郎) 防水、あれで限界ですか?
石川) 無理やり止めても、水圧で必ず、漏れてくる
    からな。まっ、こっから先は建築の範疇やさか
    い、そっちで、好きにやってくれや。
池本) どないする?
悠太郎) 樋で水逃がすしかないですよね。
池本) アーチに沿った樋か。
    ア~チらを立てればこちらが立たぬ。
    かかりそうやな、お金も時間も。
悠太郎) けどもう、それしかないですよね。

**********

桜子) あら、竹元教授、お久しぶりです。
竹元) うん。彼女から、日替わりジュースなるもの
    を始めたと聞いてな。
桜子) そうなんですよ。オーナーの長年の夢で、何
    が出て来るかわからないメニューを、一つ用
    意したいとずっと言っていて。
竹元) 素晴らしい!
    私はそういう発想は、大好きだ!
桜子) ありがとうございます。2人は、お仕事で?
希子) ああ。明日教授にラジオに出演いただくんで、
    その、打ち合わせしてたんです。
桜子) へえ~、地下鉄の話ですか?
竹元) 騒音や振動で、印象が悪い部分もあるから
    な。その素晴らしさを語って、ご理解を頂こう
    という訳だ。
室井) あの~、地下鉄って、大変なんですか?
竹元) うん?
室井) いろんな思惑が絡み合って、男同士が互い
    に足を引っ張り合うような現場なんですか?
竹元) お前はホントに、ゲスだな。
室井) あ、いやいやいや、心配して言ってるんです
    よ~。大変なんでしょう? 今。
    あちこちに水がねえ、出ちゃってねえ?
竹元) 今? 水?

**********

真田) あの、樋がアーチに張り出す事、竹元教授
    に言わんでええんですか? あんだけアーチ、
    アーチ言うてはったし、樋がそこここに飛び
    出すいうの知ったら…。
悠太郎) 事後報告でええんやないでしょうか?
真田・池本) えっ?
悠太郎) 言わん方が、強度が損なわんもんが出来
     ると思いますし。幸い、当分いらっしゃる予定
     はないので。
真田) それ、いずれはバレて怒られるんじゃ?
悠太郎) 後戻りできなくなってから怒られましょう。
男性) 竹元教授が、来てくれはりましたけど。
池本) あかん!
悠太郎) あかん。
竹元) どうかしたのか?
悠太郎) ああ、いえ、何でもないです。
     ねえ、池本さん。
池本) ああ…な、何ですか、急に突然。
真田) どないしはったんですか?
竹元) こっちに出て来る用があってな。今水が出て
    大変だと聞いて。差し入れだ。七星屋のビフカ
    ツサンドだ。うまいぞう。何だ? わがまま放題
    の私の持ってきた物など食べたくないか?
池本) いや、いやいやいや…。カツサンド、皆さん、
    どう? ねえ、嬉しいよな。
真田) もちろんです。うわ、こんなに!
竹元) たくさんあるから現場に持ってって、皆さんに
    食べて…。おい、貴様は何をやってるんだ?
悠太郎) あ…何でもないです。
竹元) 何だ、この樋は? 渡すのか? どこにだ?
    どこにだ!?

**********

め以子) ほな、明日竹元さんがラジオに出はるん?
希子) 観覧もできるから。よかったらみんなで。
め以子) うん。
悠太郎) ただいま戻りました~。
め以子) お帰りなさい。
希子) お兄ちゃん、
    竹元さんのビフカツサンド美味しかった?
悠太郎) えっ? 会うとったんか?
希子) うん。室井さんが、水が出て大変やって言っ
    たら心配しはって。何かええ差し入れないか
    って言わはるから。
悠太郎) えっ、何で室井さんがそんな事知ってはる
     んですか?
め以子) ああ、私が言うたからですけど。


**********

石川) いくら竹元先生が言うたかて、躯体のコンクリ
    ートはつって、樋埋め込むんはないで。んな事
    したら、トンネル自体の強度ががた落ちや。
増岡) 樋つけるんが、
    一番現実的やと思いますけど?
池本) わしらも、そう言うたんやけど。


(回想)
竹元) 何のためだ! 何のために血が滲むような思
    いをさせて、土木の人間にアーチ型のトンネル
    を造らせたんだ! 
    これじゃ彼らの努力も、台なしじゃないか!
悠太郎) いや、せやけど、
     土木も樋にしろ言いますよ。
竹元) がっかりだ!


石川) 別にわしら、がっかりせえへんし。なっ?
    とにかく、躯体のコンクリートは絶対削れんさ
    かい。
悠太郎) はあ…。


**********

活男) すごい! これ何? この電気。
    これって、昔の帽子みたいやんなあ。
室井) せ~の、よいしょ。見える? 見える?
文女) 人いっぱいやな~。
室井) ねえ。
    あんなお髭のおじさんが人気あるんだねえ。
め以子) あ、あ、橘梅次郎ですよ。歌舞伎の!
室井) えっ?
め以子) 橘梅次郎が来てますよ!
室井) えっ、梅次郎? ちょっと見える? 見える?
    梅次郎~。
文女) 誰? あっ、かっこいい~。
竹元) どけ! 邪魔!
女性) 邪魔やねん。どき! おっさん!
竹元) おっさん…。
女性たち) あ~梅様~! 梅様~! 梅様~!
め以子) あっ、竹元さん、大丈夫ですか?
文女) 人、おらんようになったよ。
室井) あっ、みんな、梅次郎見に来てたのか。
    な~んだ。
希子) お待ちしておりました。竹元教授。
竹元) 何だ? あの騒々しいやからは!
希子) えっ?
竹元) 失礼する! 私は見せ物ではないからな!
希子) えっ? あ、え、教授? 教授?
    待ってください、教授!

**********

池本) もうここは、教授に泣いてもらおうや。
    樋つける以外、現実的には無理やで。
悠太郎) う~ん、そうですよねえ。
真田) けど、このとおり出来たらホンマに素晴らしい
    んでしょうね。
池本) アホか。理想と現実は違うんや。
    安全確保のためには、妥協もせんと。なあ。


**********

活男) あっ、アイスクリンや!
め以子) あっ、うち帰ったら、
     しょぼ焼き作ったげるから。
活男) え~? アイスクリン! アイスクリン!
泰介・文女・活男) アイスクリン! アイスクリン!
室井・3人) アイスクリン! アイスクリン!
め以子) 室井さんは、自分で買ってくださいよ。
室井) エヘヘヘ。
泰介・文女・活男) アイスクリン! アイスクリン!
活男) う~ん!
泰介) なんや、お母ちゃんのとはえらい違うなあ。
め以子) うん。まあ、これはこれでな。
室井) そうそう。露店の味でねえ。
(夢中で露店のアイスクリンを食べているふ久)
室井) へえ~ふ久ちゃんはこういうのが好きなの?

**********

男性) 西門希子さんか?
希子) …違います。人違いです。
男性) なあ、わしと一緒になってえなあ。わし、あん
    たの声、好きやねん。なっ、なっ、なっ。
川久保) 西門君。どないしたんや?


**********

悠太郎) 何か?
老女) あの…
    地下鉄、あんじょう進んでますやろか?
悠太郎) ああ…ええ、まあ。
老女) それはまず何よりで。
女性) ああ、あの、母は、御堂筋造る時に、ここ、立
    ち退いたんです。大阪を日本一の街にする為
    やから~って。
老女) 楽しみにしてますさかいに、
    ええもん造ってくださいね。

**********

あれはちょっと、傷ついちゃうよね。
毎日親しんできた味より、
全く違う、露店のアイスクリンの方が、
好きだなんて。


ふ久) お母ちゃん。
め以子) どないしたん?

**********

話を盛り込み過ぎ! そしてまた使い捨てられるのだ
ろうエピソードが不憫だ。震災絡みの話で、生きてい
く事の大切さの象徴だった、鍋底大根の存在意義っ
て一体…。あっさりと、室井に、「おでんとかバカらし
くなっちゃって」なんて言わせちゃうんだもんなあ…。
全てのエピソードは、興味を引きつけて次に行くため
だけの存在。薄っぺらい。どうしようもなく薄っぺらい。
(そういう作風なんだから、と思っても、ついつい・・・)

それにしても、露店のアイスクリンを美味しそうに食
べるふ久の姿に傷ついちゃうよね~というぬか床は
傲慢だなあと思う。人の嗜好はそれぞれだから。め
以子の味を、全員が美味しいと思うわけじゃないの
が普通なのにね。てか…自分が最初に大阪にきて、
大阪の味を美味しいと思えなかったのを忘れてるし。

ある漫画家さんのエピソードで、子どもの頃自分だ
けが食が進まないと思われていたのが、実は家族
が甘党で、自分だけ辛党だったせいだということに
気づいたという話。それがとても印象に残っていて。
家庭の味とよその味を比べようがない子供の頃は、
家庭の味が基本だと思ってしまって、自分の本当
の好みに気づけなかったりするかもしれないと…。
大人になって、自分の家の味がスタンダードでは
なかった事に気づいたり、食が進まなかった理由
が、実は味が好みじゃなかった事に気づいたりす
るのかも。知人の話で、子どもの頃、納豆がイマ
イチ美味しく思えなかった理由が、納豆に砂糖を
入れられていたからと、大人になって気づいたらし
く。しかも、その時一緒に食べていた姉は、ちゃっ
かり砂糖抜きで食べていたということが発覚。そう、
醤油だけなら、納豆を美味しく食べられていた筈
だったという…。いや~家庭内のルールって怖い。

私も子どもの頃は、濃い味のアイスクリームより、
薄いというか、あっさりした味が好きだったなあ…。
バニラは苦手でチョコレート味が好き。それが今
では、チョコレートは苦手になり、濃いバニラが好
きになってる。味の好みは、結構変わりますよね。
ふ久ちゃんには、ふ久ちゃん好みの味がきっとあ
る。早くそれに気づいて、悔い改めよ、め以子~。
好みじゃない味を食べ続けるのって、苦痛だから。
(そういえば、め以子も最初の頃は、お静や希子
向けに味を変えて作ってたこともあったよね~w)


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