「あまちゃん」 第65回(完全版)
第11週 「おら、アイドルになりてぇ!」
今日はリアスの当番の日なのに…。
アキはパニックに陥っていました。
リポーター) 袖が浜海女カフェから
リポーター) 袖が浜海女カフェから
の2ステージ、毎日ユイちゃんアキちゃん
に会えるそうです。それでは、明日も、
この時間にお会いしましょう!
池田) はい、カット~! 中継以上です!
(ステージに上がり、アキの頬を叩く春子)
池田) はい、カット~! 中継以上です!
(ステージに上がり、アキの頬を叩く春子)
ユイ) 違うんです!
アキちゃん、私のために…。
こういう男性の…ギラギラした、
春子) うるさい! メガネは黙ってろ!
ちょっと中さ入って!
春子) 黙ってて!
3年生になったら、進路のこと、
将来のこと、ちゃんと真面目に
考えるって言いましたよね~先生!
磯野) はっ、はい! いや、あの~
たまたま…今日は、たまたまです!
たまたま…今日は、たまたまです!
アキ) 叩ぐことねえべ。
春子) え?
夏) 確かに今のはやり過ぎだ!
ここはアキの職場だぞ。そこさ乗り
込んで、訳も聞かずに手上げるとは、
いくら親でもやりすぎだ!
春子) すいません。金輪際、ちやほや
何なんですか?
アキは、ここで、ごく普通の、
(罵声)
春子) ババアっつったなババアって!
誰だよババアっつったの。
磯野) おめえ…おめだべこの野郎!
(騒ぐ声)
誰だよババアっつったの。
磯野) おめえ…おめだべこの野郎!
(騒ぐ声)
**********
<天野家>
(頬に氷をあて、座っているアキ)
春子) 大袈裟な…
春子) 大袈裟な…
ちょっと当たっただけじゃん。
磯野) いやいやいや!
なかなかの闘魂注入でしたよ。
なかなかの闘魂注入でしたよ。
絶対に許さないからね。
あんなチャラチャラしたの。
アキ) ただのチャラチャラじゃねえ。
おらなりの考えがあって
チャラチャラしてだのだ。
春子) どんな考えよ、
言ってごらんなさいよ。
ユイ) 私を家から出そうと思って…。
そうだよね? 水口さんの件で
私がふさぎ込んでたから…。
春子) ユイちゃん黙ってて。
アキに聞いてんの。
アキ) もともと、ユイちゃんがデビュー
して、売れで、帰ってきて、凱旋公演
やるために造ったステージだけど…。
ユイ) 「家から出なきゃ
デビューできないよ」って…。
アキ) ユイちゃんに、
早く元気になってほしくて。
春子) それだけ?
アキ) えっ?
春子) だったらユイちゃん1人で
いいじゃん。あんたまで一緒に
なって歌う必要なかったじゃない。
アキ) それだけじゃ…ねえ。
一同) ん? 何何?
春子) 言いなさい、怒んないから。
アキ) おらも、歌うの、好ぎだから。
歌って「わ~わ~」言われんの、気持
ちいいがら。最初は、ただ海女の恰好
して、電車さ乗って、弁当売ってた頃
は、何がおもしれえのかわがんねが
った。何もしてねえのに、写真バシャ
バシャ撮られて…。だけど、お座敷列
車で、ユイちゃんと歌って、とにかく楽
しがった。
(回想)
アキ・ユイ) ♪「来てよ
その火を 飛び越えて
砂に書いた アイ ミス ユー」
アキ) あん時の、お客さんの笑顔や声
援が、忘れられねくて、ありがとう、あ
りがとうって…。来た時よりも、確実に
元気になって帰っていく、お客さんの
顔が、忘れられねくて…。それはでも、
海女やってる時がら感じでたことだ。
潜って、ウニ獲って、ウニ剥いで、お客
サービスして、お客さんに喜んで
もらうのは一緒だって、おら、
気づいたんだ。
春子) …で?
春子) …で?
アキ) 「…で」?
春子) さっき言ったよね、「自分なり
の考えがあってチャラチャラしてる
んだ」って。何よ? どんな考えよ。
アキ) おら、アイドルになりでえ!
アイドルになりでえ! 歌って踊って、
潜って、ウニ獲って、上がって食わ
アイドルになりでえ! 歌って踊って、
潜って、ウニ獲って、上がって食わ
せる! そんなアイドルになりでえ!
(アキの頬を叩く春子)
(アキの頬を叩く春子)
大吉) 春ちゃん!
ヒロシ) 春子さん!
アキ) おばさん。
春子) おばさんじゃない!
いつどんな時も、私は誰の
おばさんでもありません。
アキ) (泣)
春子) 泣くな!
アキ) 叩くから泣くんだべ!
1日2回も!
春子) 叩かれるようなこと
言うからでしょう。
アキ) 何が!?
ウニ獲って食わせるアイドル!?
アキ) 歌って踊って、潜って、ウニ
獲って、上がって食わせるだ!
春子) 同じよ!
アキ) 同じじゃねえ! 海から上がん
ねえと、息続かねえべ。潜りっ放し
じゃそれこそバカだ!
(アキの頬を掴む春子)
アキ) (泣)
考えろっつってんのに!
アキ) 考えたべ。
春子) 考えた結果が、バカすぎる
担任としてはやはり、南部もぐり的な
要素も入れてほしかったですね。
春子) …え?
磯野) あの~歌って潜って、え~
足場組んで、2人1組で作業する
アイドル…。あ~!
(家を出るアキ)
春子) 待ちなさいアキ!
アキ) バカって言う方がバカだ! バカ!
ユイ) アキちゃん!?
ユイ) アキちゃん!?
<灯台>
(高校生の春子が書いた、「東京」「原宿」
の文字を足で何度も踏みつけるアキ)
**********
<天野家>
(板の間に座り、考えている春子)
**********
吉田君に借りた映画のビデオ。
大吉) 「潮騒の、メモリー」な。
春子) 私が寝てから、毎晩見てたの、
大吉) 「潮騒の、メモリー」な。
春子) 私が寝てから、毎晩見てたの、
ここで。夜中の2時3時まで。時々
はさ、こう…巻き戻して、セリフ復唱
したりしながら。
夏) おらも見た。
一同) じぇじぇ!
夏) 「鈴鹿ひろ美みてえになりでえ」
夏) おらも見た。
一同) じぇじぇ!
夏) 「鈴鹿ひろ美みてえになりでえ」
って言ってた。
かつ枝) ああ…海女カフェでも
かつ枝) ああ…海女カフェでも
しゃべってたもんな。
「鈴鹿ひろ美がすげえ」って。
春子) マジで?
長内) 鈴鹿ひろ美ってあれか?
「鈴鹿ひろ美がすげえ」って。
春子) マジで?
長内) 鈴鹿ひろ美ってあれか?
国鉄のポスターの。
かつ枝) ああ、んだんだ。
かつ枝) ああ、んだんだ。
今、BSの時代劇でほらあの、
静御前やってるべ。
長内) うん。
春子) だからいつか「女優になりたい」
長内) うん。
春子) だからいつか「女優になりたい」
とか言いだすんじゃないかと思ってた
けど。あそこまでバカだとはね。
**********
**********
<海女カフェ>
アキ) うん!
アキ) うん!
ユイ) 本気なの? アキちゃん。
アキ) うん!
ユイ) アイドルになりたいって
本当に思ってるの?
アキ) わがんねえ。売り言葉に買い
言葉みでえな気もするし、実は
随分前がら考えてた気もする。
ユイ) 嘘嘘…私のせいかな。
アキ) わがんねえ。お座敷列車とか、
海女カフェとか、楽しかったし。おらは
ただ、人が集まる場所で、歌ったり、
踊ったり、潜ったりして、まわりの人が
元気になれば、それでいい。うん。そ
元気になれば、それでいい。うん。そ
れがアイドルだっていうならそうだし、
海女さんだっていうんならそうなんだ
べ。へへッ、まあ、アイドルなんかな
れるわけねえけどな。
ユイ) そんな事ないよ。
アキ) え?
ユイ) なれるよ。
…っていうかもうなってる。
アキ) おらが?
ユイ) うん。そもそもアイドルの定義っ
て曖昧じゃん? 自称アイドルなんて
ごまんといるわけだし。でも、うちら
違うと思う。今日のイベントだって、
結局200人近く集まったじゃん。
東京でも通用するって。
結局200人近く集まったじゃん。
東京でも通用するって。
アキ) ごめん。
ユイ) 何?
(うつむくアキ)
電・水口) アキちゃん?
今日のイベント見たよ。
海女~ソニック。
電・アキ) じぇ! な…何で?
電・水口) 誰かが動画サイトにアップ
してたよ。音とか割れちゃってるけど、
勢いだけは伝わった。…っていうか、
勢いしか伝わらなかったけど、大切
なのは勢いだからね。今ちょうど
ユイ) 誰?
アキ) あ…えっと、水口さん。
ユイ) 何何?
電・アキ) もしもし?
電・太巻) もしもし、初めまして。
太巻ですけど。
君どっち? ユイちゃん?
電・アキ) あ…アキです。
電・太巻) あっそう。
夏休みだよね? 今。
東京出てこれる?
東京出てこれる?
(携帯を持ったまま固まっているアキ)
電・太巻) もしもし?
いつ出てこれる?
ユイ) 代わろうか?
(電話を隠すアキ)
ユイ) アキちゃん!? 貸して!
アキ) やんだ!
ユイ) 貸して!
ユイ) 貸して!
(携帯を奪うユイ)
電・ユイ) もしもし、はいそうです。
ユイです。
初めて母親に反発した夜、
東京から誘いの電話がありました。
**********
こ、怖い・・・怖すぎ春子!一応生中継が終わるまで
は待っていたにしろ、まだ客がたくさんいる前で~!
しかも、顔を、アイドルの顔をぶっちゃダメでしょう!
って、話じゃなく、いきなり暴力はいけませんって話。
北三陸に戻ってきて、大分変わったと思われた春子
だったけど、やっぱり「アイドル」に過剰反応してしま
うことは変わらず(春子がいまだ解消できずにいるト
ラウマだからか?)、暴力と暴言の嵐が吹き荒れて。
大事な娘がギラギラした男の目に晒されるのが嫌と
いうより、ちやほやされてる姿を見るのが嫌だと言っ
ているようだった。金輪際ちやほやしないでもらって
いいですか?って、そんなセリフ、なかなか出てくる
もんじゃない。普通の娘がちやほやされたっていい
し、そもそもアキが、言うほどちやほやされていると
も思えない。あの年頃であの可愛さで、普通の扱い
だと思う。普通のちやほやというか、別にいいじゃん。
そもそも・・・遺伝子だよね、絶対。アイドルになりた
かった母親の娘なんだもの。アイドルになりたくて、
家出した母親の遺伝子を受け継いでいるんだから。
海女もアイドルもサービス業。まわりの人を元気に
したいだけ。歌って踊って、潜ってウニ獲って、上が
って食わせるアイドル!いまだかつてないアイドル。
海に潜りっきりじゃいられない。そう、海から上がっ
て息を吸わなきゃ。普通のカラの中に押し込められ
たままじゃ、息が吸えない。自分らしくいられない!
怖過ぎる春子に対して初めて反抗してみせたアキ。
バカな子だけど、だってもう、アキは自分の可能性
を知ってる。自分が誰かを元気にすることができる
こと、人を喜ばせることができることを知ってるから。
まあ、春子のおかげで、アイドルになるって言えた
ようなものでもあるかもね。私がアキでも反抗しち
ゃう理不尽さだったもん。家出するしかないでしょ!
・・・って風に追い込むわけだ・・・ガンバレ~アキ!
2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(65)~第11週「おら、アイドルになりてぇ!」
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こ、怖い・・・怖すぎ春子!一応生中継が終わるまで
は待っていたにしろ、まだ客がたくさんいる前で~!
しかも、顔を、アイドルの顔をぶっちゃダメでしょう!
って、話じゃなく、いきなり暴力はいけませんって話。
北三陸に戻ってきて、大分変わったと思われた春子
だったけど、やっぱり「アイドル」に過剰反応してしま
うことは変わらず(春子がいまだ解消できずにいるト
ラウマだからか?)、暴力と暴言の嵐が吹き荒れて。
大事な娘がギラギラした男の目に晒されるのが嫌と
いうより、ちやほやされてる姿を見るのが嫌だと言っ
ているようだった。金輪際ちやほやしないでもらって
いいですか?って、そんなセリフ、なかなか出てくる
もんじゃない。普通の娘がちやほやされたっていい
し、そもそもアキが、言うほどちやほやされていると
も思えない。あの年頃であの可愛さで、普通の扱い
だと思う。普通のちやほやというか、別にいいじゃん。
そもそも・・・遺伝子だよね、絶対。アイドルになりた
かった母親の娘なんだもの。アイドルになりたくて、
家出した母親の遺伝子を受け継いでいるんだから。
海女もアイドルもサービス業。まわりの人を元気に
したいだけ。歌って踊って、潜ってウニ獲って、上が
って食わせるアイドル!いまだかつてないアイドル。
海に潜りっきりじゃいられない。そう、海から上がっ
て息を吸わなきゃ。普通のカラの中に押し込められ
たままじゃ、息が吸えない。自分らしくいられない!
怖過ぎる春子に対して初めて反抗してみせたアキ。
バカな子だけど、だってもう、アキは自分の可能性
を知ってる。自分が誰かを元気にすることができる
こと、人を喜ばせることができることを知ってるから。
まあ、春子のおかげで、アイドルになるって言えた
ようなものでもあるかもね。私がアキでも反抗しち
ゃう理不尽さだったもん。家出するしかないでしょ!
・・・って風に追い込むわけだ・・・ガンバレ~アキ!
2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(65)~第11週「おら、アイドルになりてぇ!」
2023年の再放送時の感想はこちら↓
第65回~第11週「おら、アイドルになりてぇ!」
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