ハルピン街~家々の取り壊し
以前、日本人たちが建て、生活していた家々の多くが、
今、取り壊され始めている。
確かに、壊すのには理由がある。
とにかく古いのだ。
暖房も入らず、いまだに炭をたいて暖を取っている家もある。
インフラももちろん良くはない。
これを修繕して、というよりも、新しくしてしまった方が楽だろう。
大連人にとっては、新しいほうがきれいだし、
町にも合うと思っているだろう。
しかも、日本人の住んでいた古い家、
それを中国が保存していく歴史的価値はなにもない。
しかし、と私は思ってしまう。
壊すのは簡単だ。
でも、同じものは二度とは作れない。
観光資源、というわけではないけれど、
思い入れがある日本人はいっぱいいるだろう。
上海みたいな保護・活用はできなかったのだろうか。
じゃあ、自分はなにができるか、といっても、
実際は無力だ。
写真を撮って残すくらい。
もったいない、と思うのは、
きっと日本人の勝手な考えなのだろうな。
せめて、100年前、焼き締められたレンガが、
どこかで再利用されたら、と思うのである。