「ノンケミカル」の意味ってご存知ですか？
化粧品がいらない肌に導く化学者
大川明伸（はるのぶ）です。
“ノンケミカル”
最近は
この言葉をよく耳にしないでしょうか？
化粧品におきましては
天然成分の対義語にように使われていますよね。
おそらく
化粧品を研究開発している
化粧品技術者の発想から
生まれた言葉ではないでしょう。
作り手からしますと
意味がわからない言葉ですから。
それに
ノンケミカルには定義もありません。
そろそろ
日やけ止め化粧品が
店頭に陳列されはじめています。
この日やけ止め化粧品に
紫外線吸収剤が配合されていないことを
「ノンケミカル」と謳われています。
化学的に
紫外線を吸収させて
肌内部への侵入を防ぐのではなく。
物理的に
紫外線を反射させているということですね。
“SPF競争”
かつて
そういわれたことなのですが。
各化粧品メーカーが
日やけ止め化粧品のSPF数値の高さで
品質を競争しあったときがありました。
その際
紫外線吸収剤をどんどん配合することで
SPFの数値を上げていき
ご使用された方々に肌トラブルが多く発生しました。
そのときに
紫外線吸収剤が問題になったことが
嫌われるようになったはじまりです。
現在は
研究開発も進み、改善をされているのですが
紫外線吸収剤は技術者も
まだまだ配合することを敬遠しています。
ただ、
紫外線吸収剤が配合されていないことを
「ノンケミカル」というのは・・・。
かなり
イメージ戦略色が強く
少々強引な気もします。
このことから
「ノンケミカル」は、「化学物質が配合されていない」
という意味ではありません。
わたしは
化学は、人の心を豊かにし、幸せにし
笑顔にするものだと考えています。
ですので
ケミカルの言葉に悪いイメージづくりには
極端に反応しているかもしれません。
現在は
天然成分から、植物から
界面活性剤、防腐剤をつくることができます。
しかし、これも科学技術によるものです。
トウモロコシからつくられた
１,３ブチレングリコールという保湿剤。
鶏冠から湧出されたヒアルロン酸と
微生物からつくられたヒアルロン酸。
クエン酸、リンゴ酸、安息香酸Ｎａなど。
化学でつくられた成分と
天然物を原材料につくられた成分は
まったく同じ成分です。
もちろん
肌に対する効能、効果もまったく同じです。
逆に
肌に負担になる場合も全く同じです。
原材料の由来が
天然成分であっても、化学であっても
全く違いはありません。
もし、違いがあるとすれば
天然成分のほうが手間がかかるため
化粧品の価格が高くなります。
“オーガニック”や“ノンケミカル”など。
このような定義もないことを
訴えたいだけにつくられた原材料よりも
品質のいい保存料や界面活性剤も
実際には多く存在しています。
配合量などによっては
天然物のほうが肌に負担になる成分もあります。
天然由来の成分を合成することも化学技術です。
抽出、精製、合成、発酵など。
化粧品は
化学技術のもとに研究開発されています。
化学の努力の結晶のようなものです。
化粧品は
あなたに勇気をもたらしてくれて
笑顔になれるための素敵なパートナー。
イメージだけに惑わされることなく
ご自身にとって最高に素敵な化粧品を選んでほしいですね。
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