なぜオールペア法なのか? | 組み合わせテストケース生成ツール 「PictMaster」 とソフトウェアテストの話題

なぜオールペア法なのか?

組み合わせテスト技法には、直交表オールペア法ペアワイズ法)の2つがありますが、日本では1980年代の後半から直交表ベースのテストケース生成ツールが開発されてきました。欧米とくに米国では1990年代の始め頃からオールペア法の研究が発展してきました。

ここでは直交表とオールペア法のどちらがより優れているかを論じることはしません。どちらにも一長一短があります。私がオールペア法のツールを採用した理由は以下のとおりです。
(1) 直交表ベースで公開されているツールが見つからなかった。
(2) オールペア法のツールは数多く公開されており、その多くが無償だった。
(3) 直交表ベースでツールを自作する場合、組み合わせることのできない組み合わせ(制約)を除外する処理が難しく、多くの開発費用が見込まれるが、オールペア法のツールの中には制約の処理をサポートしているものがあった(PICT)。

特に決め手になったのは(3)です。私の担当分野ではほとんどの組み合わせテストで制約が存在します。直交表ベースで制約をサポートするツールを作成するには多額の開発費が見込まれるため、この時点で直交表ベースのツールはあきらめざるを得ませんでした。オールペア法のツールであるPICTは、Microsoftが開発した無償のフリーソフトでありながら制約をサポートしている数少ないソフトです。その上、多機能かつ柔軟性を備えた優れたソフトだと感じました。Microsoftでは実際のテスト業務にPICTを組み合わせテストケース生成エンジンとして使用しています。

PICTそのものはコマンドプロンプト上で動作する使いにくい代物ですが、Excel上から使えるようにすることによって、費用をかけずにPICTの持っている優れた機能を簡単に使えるようにしました。また新しい機能追加を行なってさらに磨きをかけたツール PictMaster を作成しました。


PictMasterは無償のフリーソフトです。

以下のURIからダウンロードすることができます。一度使ってみてはいかがでしょうか。
http://sourceforge.jp/projects/pictmaster/