ここからは、書き下ろしww

再スタートです♪

でも、3もだいぶ手を入れたので、半分は3からスタートなんですがあせる


3カ月空くと、書きたい方向性も少し変わってきますね。

成長してるのか?単に気まぐれなだけなのか?

わかりませんが、3を読んでいると変えたい部分ばかり汗

でも、あまり変えるのもいけないかな?と思ったので

次回からのお話に繋げる前振り部分だけ追加しました。


これは、多分5あたりで、出てくる話の前振りのつもりだったので

できれば読んでください♪


まだ読まれていない方はこちら から


では、本編をどうぞニコニコ


氷の仮面 ~消滅と誕生~ 4


すでにクランクインしている現場での後からの合流、

それも無名の新人の事なんて誰も気に止めてはくれなかった。

わかってはいた事だけど、この10年、日本では売れっ子俳優として、みんなに気をつかわれてきたから、今の状況はさすがに少し戸惑ってしまう。


だが、そんな事に凹んでいる暇はない!

新人らしく丁寧に一人ずつ挨拶をして回り、キョーコを探し歩く。


「クオン何してるんだ!?
セットが用意できたらすぐにリハに入るから、うろうろしてないで、スタンバイしてろ!」


「すみません!あと一人、共演者のレイナさんにだけ、挨拶ができていなかったので探していたんですが…」


「ああ~彼女なら気を使う必要はない。

どうせ挨拶しても、返事なんかしてくれないさ。

無視されるのはわかっていて、わざわざ挨拶になんて行かなくてもいい。

彼女もその方が喜ぶよww」


あんなに誰にでも礼儀正しかったあの娘が挨拶をしない!?


無視だと?


君は一体どんな風に変わってしまったんだ。


彼の言った言葉に呆然としていると、監督が近づいてきて、指示を出した。

「お~い誰か、レイナを呼んできてくれ!多分あっちにいると思うから…

彼女が戻り次第、撮影を再開するぞ!」

「「はい!」」


慌ててレイナを探しに行こうとするスタッフを止めて、前に出た。


「俺が探しに行きますよ。まだ挨拶もできていないしね。」

「そうか・・・悪いな。頼む!」


軽く手を挙げ頭を下げると、そのスタッフも組み立て途中のセットへと戻っていった。


蓮もまた監督が指し示した方向へと歩いていく。


もうすぐ彼女に会える…

例えそこにキョーコがいなくても、ずっと逢いたかった彼女に会える…


それだけで胸の鼓動が高鳴っていくのを、俺は抑える事はできなかった。


そして、監督が示した辺りをキョロキョロと探し回っていると、立てかけてあった大道具の影が少し揺れた気がした。


「居た!!」


たくさんの大道具で死角になっている場所に、彼女は気配を消して、静かに座っていた。


髪…黒に戻したんだ。昔に比べて、だいぶ伸びたな…


駆け寄りたい気持ちを抑えて、ゆっくり近づき、彼女の前に立った。


「レイナさん、おはようございます。今日から合流しましたフランツ役のクオン・ヒズリです。よろしくお願いします。」


穏やかに微笑んで、クオンとして手を差し出した。


彼女は読んでいた台本から目を離し、俺を見上げると、すぐに目を逸らし、座ったまま軽く頭を下げて、またすぐに台本に視線を戻した。


「えっ?」


彼女の惚れ惚れするような綺麗なお辞儀は?挨拶は?


本当に彼のいう通り、無視だったのか?

いや少し頭を下げたから、多少の反応は有りか・・・


しかし・・・こうやって近くで見ると、キョーコは想像を超えて酷く変わっていた。


真っ黒でまっすぐな長い髪に黒い衣装


まるで漆黒の闇に包まれた死神のようじゃないか?


見た目は髪を切る前の『ダークムーン』の美緒に似ているが、雰囲気は全然違う。


美緒は、憎しみという大きな負のオーラに包まれ、気高く光り輝いていたが、今、目の前にいる彼女にはオーラどころか、生気すらも感じられない・・・生きた屍だ。


全てのものから身を隠すように、ひっそりと息を潜めて・・・ただ生きているだけ?


あんなに張りのあった健康的な肌は、やせ細りくすんでいた。


確かに、今回の役『K-13号』の雰囲気そのものといえば違和感ないが、これは人として存在しているのか?


虚ろに揺れる瞳は、何も映し出さないガラス球のようだった。


「最上キョーコはもういない・・・」


ドクターはそう言っていたが、人としても生きていないのか!?


このすぐには受け入れがたいキョーコの変貌振りに、ショックで崩れ落ちそうになる自分を叱咤して、縋りつくように役をつかせた。


「K-13号、ボスが呼んでいる。すぐに彼のもとに行け。」


一瞬ビクンとなるが、すぐに切り替え、見る見る鋭利で冷たいオーラが彼女の周りを漂いだす。

台本を置いて、さっと立ち上がり


「Yes,Sir.」


と返事をすると、素早く移動し始めた。


役に入ると、生を取り戻すか・・・


彼女はもう『演劇の世界』でしか存在できないのか?


自己を殺し、虚像の世界でのみ生きようとする彼女。


俺も相当覚悟を決めて、彼女にぶち当たらないと、あの固く閉ざされてしまった殻はそう簡単には破れないな・・・


君をここまで追い詰めてしまった俺だから、君を救い出す事だって可能な筈


絶対にキョーコを取り戻してみせるから、もう少しだけ我慢して待っていてくれ。


俺の愛しいキョーコを・・・



5へつづく



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ただお礼文はまだ書けていません・・・

お楽しみにしている方には、申し訳ございませんが、落ち着いたら何か書くつもりグッド!


今回は連載を進めることをメインに頑張ってますww





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