ケロちゃんの暴走?! 』のケロちゃん様から素敵なSSを頂きました!

ケロちゃんさんがアメンバ250名記念SSのリクエストを募集されていたので、

早速リクエストをお願いした所、私のお願い以上の楽しいSSを書いていただきました。

そしてあつかましくもこのSSを下さい!とお願いしたところ快く引き受けてくださったので、

こちらでもUPさせていただきます。アップ

ケロちゃん様、本当にありがとうございます!

そしてアメンバ250名おめでとうございますヾ(@^▽^@)ノ


私がリクエストしたのは、『ラブミー部をいまだ卒業できないで愛を否定している無防備なキョーコちゃんがBOX-Rのナツが放映され一気に人気が出て馬の骨を急増してしまう。そんなある日告白されて他の男に抱きしめられてる姿を見た蓮さんが嫉妬心を爆発させて暴走する』 という内容でした。


これが、ケロちゃんさんの手にかかるとこんな素敵なお話に変わるのですо(ж>▽<)y ☆


もしもまだ読まれていない方がいらっしゃいましたら、是非ケロちゃんワールドをこの機会にご堪能下さい!





゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


『特別任務はお高いです!』


俺 八木沼新太 26歳
LMEに社会研修に入れられた
ここの社長と俺の親父は飲み友達 
転職を繰り返す俺の性格に キレたオヤジが酒の席でここの社長にグチを零した
そして俺はここに来る羽目になった

「君には特別任務を与えよう!」
任務って・・・・
突っ込みたいのは山々だが 社長の奇抜な衣装と部屋に俺の思考は既にフリーズ状態だ
「君にキューピット役をやってもらいたい」
キューピット??それって芸能プロダクションの業務にあるのか??
誰1人として突っ込まない状況に 孤立無援とはこういうことを言うのだと固まった頭で理解した


俺に与えられた任務は2人の男女に恋愛をさせること

はっきり言ってお見合いの斡旋?セッティング?そんなこと当人同士の勝手だろ?
「詳しくはこの男に聞け!言っとくが これが出来たら君は天才だっ!クリアしたなら俺が君の起業資金を全部出してやるっ なんなら誓約書を書いてもいいぞ?男にニ言は無いっ!」

ここまで言われて 俺もやらない訳にはいかないっ!

期限は半年っ!
半年でやってみせるっ!・・・・・・・・・・と豪語したのが3か月前

ところが一向に発展しない状況に俺は後悔という言葉の意味を理解した

「社さ~んっ! 一体どうしたらいいんですか?!」
ターゲットのマネージャーに泣き付いてみるも 「俺が知りたいよ」と白旗を上げられて俺は頭を抱えた

社長指定の男 敦賀蓮 
LMEの若手俳優でその実力は折り紙つき 

ただし恋愛に関しては小学生よりお粗末な超へタレ

そしてこの男の相手の女 京子こと最上キョ―コ
注目株の女性タレント 

ただし愛を完全否定している化石級の干物女


敦賀蓮のネームバリューに読みを誤ったのが俺の誤算
何が芸能界一いい男だ?誰が抱かれたい男№1だなんて言ったんだ?

ふざけるなっ!!

普通この男のフェミニストぶりに当てられたら 女は勘違いして“もしかして 敦賀さん 私のこと・・・”なーんて思うはずだっ!
この3ヶ月当てられた女が暴走するのを何度も見てきた
なのにこの最上キョ―コと言う女 全くっ全然っその気にならない

本当に女なのかっ?

「言っただろ?そんなに簡単に事は進まないんだよ]
ため息を吐き出す社さん

すみません 話を聞いた時 貴方の事 “この人バカか?”っと思ってしまいました

「どっちから手を付けていいか分かりませんっ!」
「簡単そうに見えるけどなぁ~ 実は どっちもどっちなんだよ」
「・・・・そうなんですよ」
俺もあれこれやったんだ だけど全部空振り 
業界で 敦賀蓮が唯一親しくしている女性と言われる京子
スキャンダルになるはずの行動も 色事を一切匂わせないから煙も立たない

いっそデットボールでも当ててやろうか?


「そうかっ そうだよっ!その気があるんだから問題ないんだよっ!」

「えっ?八木沼くんっ?」
突然立ち上がった俺に 社さんは驚いて椅子から落ちそうになった


敦賀蓮を相手にするより 最上キョ―コの方が扱いやすい
純朴な性格は この歳の女とは思えないほどすれてない
得体の知れないオーラを醸し出す男より断然こっちの方がやりやすい

俺はそうなる状況を作り出す為に 京子に熱を上げている男をリサーチしまくった
ドラマでカリスマ女子高生を演じた京子に 本気で気がある男は意外にも多い
礼儀正しく驕らない性格は人間的に好かれる要素の1つで その上料理上手でメイク1つで美人になる
男にしたらこれほどお得な女はいないだろう

だからと言って俺が惚れるはずはない 

俺にとってこの女は思い通りにならない忌々しい存在
小娘に舐められてたまるかと しっかりと罠を張らせてもらった

マネージャーのいない京子はタレント部の椹主任から直接オファーの話を聞く 
それだけでも異例なのだが 本人はそのことに気付いてもいないからこちらとしてはやりやすい
社長の意向を笠に着て 俺は京子のスケジュールを操作した

かくして 俺は敦賀蓮と京子を同じ番組に出演させることに成功した
しっかりとネタを仕込んでその時を待つ
収録だからカメラは回っていたが 社長に提出用に自分でもカメラを回した


出演番組はバラエティ番組 
お笑い芸人達が私生活を切り売りして笑いを取って収録を盛り上げる
ノリが良ければどこまでも調子付く 

司会者のかじ取りに俺は口角を上げてカメラを向けた
「本当に 京子ちゃん好きなんだっ!!」
恋ネタは視聴率が上がるから司会者も話題を変えることは無い
「えっ?冗談ですよね?」
「冗談なんかじゃないっ!俺本気だよっ!」
「チョイ待ち!俺もキョ―コちゃんいいなって思っていたんだぞ」
「オマエ この前までOOちゃんがいいって言ってたじゃないかっ!」
「あほっ!それは営業トークだ 本命にするなら京子ちゃんのように料理上手がいいんだよ」

やれ!やれ!もっと煽ってくれよぉ~

この2人結構 本気で京子を想っている
京子本人を前に 2人とも引き下がれないとばかりにヒートアップしていく
「京子ちゃん!」

おおっやったっ!!

1人が京子の抱き締めた するともう1人がその腕から京子を引き剥がして 自分の腕の中に抱き入れる
「ちょっとっ!離して下さいっ!!」
カメラが回っているから 大声を出して突き離せない京子をいいことに 2人の取り合いは徐々にヒートアップしていく
「痛っ!!」
2人に引っ張られて京子が小さな悲鳴を上げた
「お二人とも いい加減にしませんか?」
極寒の地の冷気を纏って男が席を立った

きたぁぁぁ~~!!!

「京子はオモチャじゃないんですよ?」
2人の手を引き剥がして敦賀蓮は京子をその腕に抱き囲った
京子も大人しく敦賀蓮の腕の中に収まっている
「大丈夫?」
「はい ありがとうございます」
「ちょっと! 敦賀さん 俺が告白していたんですよ?」
「そうですよ! 関係ない人は邪魔しないで下さい!」
2人が本気だから 敦賀蓮も本音を曝してしまう これは役者の習性だ
カメラが回っていて 本気で向かってこられたら 本気で返してしまう 
まして愛しい女が目の前で取り合われたら 男として本気にならない訳がない

「俺もキョ―コが好きだよ」
「つっ敦賀さん?!」
「出会ってからずっとキョ―コを女として見ていたよ 俺に愛されてくれないかな?」
「本気ですか??」
「もちろん 冗談なんて言えないよ キョ―コ愛している」

社長!やりましたよ!
半年にギリギリ間に合いましたよ!
俺の起業資金 満額用意して頂きますよっ!!


俺は笑いが止まらなかった

収録は中断 
敦賀蓮は京子を腕の中に囲ったまま控室に籠もってしまった

俺だって やれば出来るんだっ!!

達成感に酔いしれて 俺はその足で社長室へ飛び込んだ
「良くやった八木沼くん!!」
社長は 約束通り俺の起業資金を満額用意してくれた
だが それに番組に穴を開けさせたとして 損害賠償金の請求書も付いてきた


「しっかりしてますね」
「当然だ これは仕事だからな」

やっぱり只者しゃなかった この人



こうして俺はLMEで社会の厳しさを知ったのであった