こんにちは♪
ワンランク上のステージへ~魅力的な演奏を目指して~
横浜市青葉区 たまプラーザ 江戸ピアノ教室
江戸智子です♪

先日BSで、
「もうひとつのショパンコンクール~ピアノ調律師たちの闘い~」
と番組があり、録画しておいたのですが、
とても面白くて、
2時間、あっという間に観てしまいました


ショパンコンクールでは、
スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ファツィオリ の4社のメーカーから、
ピアニストが自由に選べるので、
もし誰にも選ばれないと、全く弾かれないという、
悲劇的な状況になってしまいます・・・

そこで、いかに多くのピアニストに選ばれるか、
そして、優勝者が弾くピアノは、どこのになるのか?!
メーカーと調律師側からの視点が、とても面白かったです


番組最初は、ファツィオリから~

イタリアの操業34年という、まだまだ新しいブランドなのですが、
最近よく耳にします。
私が初めてファツィオリに出会ったのは、
10年前ぐらい、地元石川県小松市で、リサイタル開催したときでした。

それまで全く知らなかったので、
なんでスタインウェイじゃないんだ?!
と、最初思いましたが(笑)
弾いてみると、すごく明るい音で、迫力もあり、
すっかりファンになりました♡

私のファツィオリとの出会いは置いといて、
番組の話に戻りますが、
イタリアブランド、ファツィオリの調律師は、
なんと日本人!

その調律師さんが考える、
ショパンのふさわしい音、
柔らかく、温かみのある音が出せるよう、
ハンマーのフェルトに針を刺して、柔らかくしたりして、
ピアノを調整していました。

しかし、そのピアノは、全然ピアニストに選ばれなくて、
なんと、途中で、
もう1つ持ってきていた、ピアノのアクション部分(鍵盤とハンマーの部分)と、
取り変えたのです!

アクションを丸ごと取り替えている様子↓



チャイコフスキーコンクールで使用したという、
その取り替えたアクションから出るピアノの音は、
確かに、最初のアクションのときの音より、
はっきりとした、力強い音でした。

その結果、1人だけ、中国人女性ピアニストが、
ファツィオリを選びました!

やはり、コンクールという舞台となると、
目立たなければいけないし、
華やかさ、派手さ、迫力が求められるからでしょう。

残念ながら、その方は、1時予選で敗退し、
ファツィオリの出番は、そこで終わってしまいました。


次は、カワイ

カワイは、重厚感のある低音が好まれて、
根強いピアニストのファンがすでにいるようでした。

私も、大学1年から、十数年、カワイのグランドを愛用してました。
今はヤマハですけど。

カワイの調律師さんは、腕も、もちろんですが、
コミュニケーションを、とても大切にされていて、

ピアニストのための休憩室を用意して、
やきとり缶詰とかバナナとか?食べ物を置いてくれていたり、
ピアニストの高橋多佳子さんも登場していて、
当時のワルシャワには、物があんまりなくて、
とても助かったし、精神的にもありがたかった、とおっしゃっていました。

ちなみに、数年前、私もショパン音楽大学冬季セミナーで、
ワルシャワ行きましたが、
その時には、スーパー行けばなんでもあるし、
スタバもマックもあるし、
H&Mもあるし、
今は、日本と変わらず、なんでもありますのでご心配なく (;^_^A

また、カワイを選んだ、ロシア人ピアニストの方が、
1次予選では、風邪で、高熱で弾いていて、
弾き終わってから落ち込んでいるところを、相談にのっていたり、
(でもその方は、3次予選まで残りました)
単身で異国のコンクールに挑む、孤独な参加者たちの、
精神的支えとなっている姿が、印象的でした。


次は、ヤマハ

ヤマハは30年以上前から、ショパンコンクールにピアノを出していて、
しかし当時は、西洋音楽の歴史のない、
東洋の日本が作った楽器は、なかなか受け入れてもらえず、
とにかく弾いて良さを分かってもらうところからスタートしたという、
苦労話から、始まりました。

ショパン音楽大学セミナー参加中、
大学で、練習室で毎日の練習&5回のレッスンがあったのですが、
ヤマハのピアノがあって、たしか日本からの寄付だとか言ってたような?!

スタインウェイは、ホント古くて、かなりガタガタしていて、
ヤマハの方がまだ新しかったので、
レッスンでは、ヤマハの方を選んで弾いてました。

レッスン室のイスも、座っているとだんだん下がってきて、
(要するに、壊れている・・・)
日本の音大の方が、はるかにいいもの置いてあるけど、
あんなおんぼろピアノと、壊れたイスでも(笑)
マリア・シュライバル先生が弾くと、全然違って、
音楽が満ち溢れていて
感動した覚えがあります。

また、話が脱線しましたが、
番組に戻すと、

今回、ヤマハは、
1次予選では、約半数に選ばれ、
そのうち7人がファイナリストになるという、
快挙を成し遂げました!

なんと参加者全員の、ホテルの部屋に、
ヤマハ電子ピアノを設置するというサービスをしていて、
それで、意識づけされたんじゃないか?!
(メンタリストでそういうのをやっているのがあったような・・・)
とも思いましたが、
そうだとしたら、素晴らしい戦略ですけど(笑)

普段、ヤマハで練習していて、弾きなれている、
クセがなく、素直に自分の音楽を表現できる、
という理由から選ばれていました。

しかし、3次予選までヤマハを弾いてきたのに、
本選になって、スタインウェイに変えるというピアニストが2人現れ、
(本選だけは、コンチェルトなので、
予選のソロとは違い、
オケに負けない迫力が必要とされるため、
本選だけは、スタインウェイにしたという、
もっともな理由でした)

最終結果は、本選、
5人スタインウェイ、5人ヤマハ
となりました。

そして、
優勝は、ご存知の通り、チョ・ソンジン 
ピアノは、スタインウェイ でした。


番組最後に、ちょっとだけ、やっと、スタインウェイ登場~

スタインウェイの調律師は、ポーランド人で、
ショパンコンクール会場である、
ワルシャワフィルハーモニーホールの常任調律師でした。

そりゃあ、ホールの響きを知り尽くしているし、
どう考えても有利ですよね。

そしてなんといっても、天下のスタインウェイだし(笑)

王者スタインウェイに、どこまで挑めるか、という、
スタインウェイ 対 その他
という構図がよく分かりました(笑)

再放送があったら、ぜひお見逃しなく!