荒川小屋の裏から登りが始まる。
登りの途中に水場がある。
振り返ると、荒川小屋が小さくなっている。背後には赤石岳が聳える。
この辺りは、高山植物のお花畑として特に有名。ミヤマキンポウゲ
シロウマタンポポ(ミヤマタンポポ)
お花畑は、柵で保護されている。
クジャクチョウ
ハクサンフウロ
お花畑はとても綺麗だが、登りは結構きつい。
この日初めて、後ろから来た人に道を譲る。赤石小屋からとのこと。
お花畑のジグザグ登りから、トラバース道に。ザレていて、慎重に行く必要がある。
イワギキョウ
ようやく稜線に。案内板に荒川前岳の表示はないが、地図によると、稜線を左に行かないといけない。案内板の所に荷物を置いて、デポする。
といっても、ほんの数分の距離。11:35着。
荒川中岳(3,083m)山頂。12:00着。
中岳避難小屋と悪沢岳
とてつもなく大きい。コースタイムでは1時間半。しばらくは展望の良い尾根歩き。
コルまで結構下る。その先は、かなりの急登のようだ。
お花畑は続いている。タカネマツムシソウなど
ジグザグの道の辺りから、岩と砂の急峻な登りが始まる。
振り返ると荒川中岳の避難小屋が小さく見える。
コバノコゴメグサ
岩を登る箇所あり。
振り返ると、荒川岳が随分高い。ということは、まだまだ登らないといけない。
赤石岳。右横に大きく見える。
山頂が見えてきた。しかし、足はなかなか進まない。
13:25 遂に悪沢岳(荒川東岳)山頂に到着。今回の登った山の中で、最も高い標高3,141m。
遅い昼食。百間洞山の家のお弁当。エビ天が入っているなど、充実の内容。
またまた他に人がいないので、頂上を占領中。
まだ、千枚小屋まで、コースタイムでは1時間45分かかる。
とはいっても、天気はもちそうだし、せっかくなので、味わってゆっくり行くことにする。
ゴジラみたいな岩
頂上から、急降下。下りで足のマメが痛む。
望遠で見ると、聖平小屋の屋根が見える。
タカネナデシコ
聖岳。見る方向によって形が変わる。
14:20 丸山(3,032m)着。まだ、3000m超。
椹島の方向
話に聞いていた、丸山と千枚岳のコルにある「危険な岩場」
疲労もピークの中、結構怖い。
振り返ったところ。高度感あり、両側滑落の危険もある。
さらに連続でもう一発。真面目に怖かった。北アルプスだと、もう少し鎖や梯子等のサポートがありそうなのものだが。
岩場の上部。回り込む。下りだと結構危険なのではと思う。最後まで気が抜けない。
そんなこんなで最後のピーク千枚岳(2,880m)に14:50到着。
今日、千枚小屋に入り、泊まる人が登っていた。
悪沢岳を振り返る。
千枚小屋へは、比較的歩きやすい道が続いていた。山小屋周辺はお花畑がある。
千枚小屋
随分遅くなったが、15:40、無事に千枚小屋に到着する。千枚小屋はこれから縦走に向かう人と、赤石小屋から来た人が多く、昨日百間洞山の家に泊まった人で、今日千枚小屋泊は、私以外には、悪沢岳で私を追い抜いていった若者だけだった。
明日の椹島のバスは10:30.これを逃すと次は13:00になってしまう。
千枚小屋から椹島までコースタイムは4時間50分なので、朝食(4:30)を食べずに出発するのが無難かと思っていたら、朝食食べて、小屋の前からの日の出を見てからでも十分間に合いますとのこと。大丈夫だろうか。
2009年火災で焼失した千枚小屋は、今年の7/16から、この新建物で営業再開。
小屋のすぐ裏のお花畑
17:00 夕食。
夕食後、ここまでの無事を祝うかのように虹が出ていた。
よくここまで頑張れたものだ。今日はぐっすり眠れそう。
第四日目 8/24(金) 晴れ
千枚小屋(2,600m) 5:20発 →5:30着 駒鳥池 5:35発 →6:05着 見晴台 6:10発 →吊り橋 8:40着発 →滝見橋 8:45着発 →9:00着 椹島ロッジ(1,120m) 10:30発 (東海フォレスト送迎バス) →11:25着 畑薙夏季臨時駐車場
■行動時間:3時間40分
朝食4:30 今回の山での最後の食事。がっつり食べる。
小屋の正面。「富士が見える千枚小屋」の看板に偽りなし。
今日もいい天気。登る人たちは続々と出発していく。
日の出5:10頃。しっかり見届けて5:20頃下山開始。1,500mを一気に下降する。
マメに絆創膏を貼っただけだが、快調なペースで下っていく。
駒鳥池。なかなか神秘的。オコジョも出没するそうだ。
見晴台。正面は赤石岳。
道は整備されているが、かなり降りたところに岩場の登下降があったりして気が抜けない。また赤いテープの目印はあるが、見落とすと、道を外したりする。
今回は吊橋に始まり吊橋に終わる。
滝見橋
滝見橋のたもとで車道に出る。車道(砂利道)歩きは登りでつらい。
コースタイムを1時間10分短縮して、9:00椹島ロッジ到着。
しばらくしたら、赤石岳の大蔵尾根を降りてきた人が増えてきた。
洒落た売店。バスの整理券をもらう。畑薙湖沿いにある赤石温泉白樺荘で一風呂(500円)浴びたいところだが、その後の運転が眠くなりそうなので、ここでシャワーを申し込む。こちらも500円。
湯船にお湯は張っていないので、シャワーのみだが、実に4日ぶり。顔、肩などかなり日焼けしてしみるが、本当にさっぱりした。途中の高速道路のサービスエリアに入るのが少々気がひけるところだったので良かった。
売店の裏は芝生になっている。のんびりするには良いところだ。10:30定刻のバスに乗る。百間洞であった逆コースの人たちには会わなかった。さすがに一本早い8:00のバスには乗ってないと思うが。
畑薙駐車場が近づくにつれて、車のエンジンがかかるか等、心配になる。4日間、炎天下置きっぱなしということなので。ちょっとドキドキしたが、大丈夫だった。運転席に座ると、終わった気持ちになるが、東京までは、4時間以上かかる。すぐ出発。
帰る途中、なかなか来れなそうもないので、井川を観光する。これは、井川大橋。
2トンまでの車が渡れるという吊橋。しかし「転落注意」とあるが、転落したら間違いなく大事だ。
当然すれ違えない。これを車で渡るには、度胸がいる。
大井川鉄道・井川駅。駅員がいて売店がある。観光客らしき人が何人かいた。
後は行きと同じ、県道27号線で帰る。行きと違って、昼間だと全然印象が違って明るい雰囲気だった。ただ、道が細くすれちがいにくい中で、大型の工事車両が通るため、曲がった道を、待避場所までバックさせられたりして苦労する。県道27号線は、新静岡ICにつながっていて、スムーズに高速に入れる。
混雑表示があったが、NEOPASA 駿河湾沼津SAに寄っていく。新しいSAは賑わっている。山の中とのギャップがすごい。
無事に帰り着くことができた。
とにかく南アルプスは大きかった。危険な場所もなくはないが、危険と事前に分かる場所ばかりなので、リスクは少ないと思った。とにかくきついことは確かだが、天候の急変や体調不良がなければ、何とか歩ききれるように思う。
ただ、とにかく登下降が激しく体力を消費する。歩くのに精一杯となるので、本来したかった、思惟をめぐらすことはなかなかできなかった。
このエリアの魅力は、日常と隔絶した感覚を味わえることだと思う。今時は海外でも電話などが通じたりするが、ここはほとんどつながらなかった(ちなみに、ドコモはかなりつながるらしいが。)。とても不安ではあるが、慣れると気にならなくなる。
ただ、単独行ということもあるが、今回の山行はいろいろ心配ばかりしていた。ある意味、都会のストレスから逃れるために、新たなストレスを抱えてしまったようなところがあった。2日目の後半から徐々に本来の調子が出てきたが、久々の本格登山で、心配性の度が過ぎてしまったようだ。それでも都会のストレスよりは全然楽ではあるが。
それにしても、4日にわたり天気が良く、最高に恵まれたときを過ごすことができた。休暇も含めて、こうした環境を得られたことに感謝したい。
次はいつ山籠りできるだろうか・・・。