熱について | あすも院長の思うところ

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ちょっと専門的な医学の話になりますが・・・ひらめき電球

よく肘や足首などケガをして熱をもつ感覚があると思います。これは末梢の循環血流量が増加して起こるものです。(いわゆる炎症を起こしたときの発熱のことです)


これに対し、全身性の発熱はどのような仕組みで起こるのか?難しい話になりますが、流して読んでみてください。

人体が細菌やウイルスなどの病原微生物に感染すると、マクロファージやNK細胞、好中球、Tc細胞などとよばれる免疫細胞が働き始めます。これらは炎症を引き起こす細胞でもあるので炎症細胞と呼ぶことができます。

これら炎症細胞はサイトカインという発熱を引き起こす物質を産生するのです。このサイトカインが脳の視床下部付近の血管内皮細胞に作用し、その血管内皮細胞がプロスタグランジンE2の合成を促します。このプロスタグランジンE2が視床下部の体温調節中枢に作用して、全身性の発熱を生じさせるということなのです。

このプロスタグランジンの作用を抑える薬が、ロキソニンのような解熱鎮痛薬ということです。

現代医学はこのような病気の原因を具体的に解いて行き、それに作用する薬を使うことで症状の緩和を行うわけですね。ひらめき電球


これに対し、東洋医学にも「熱」という考え方があります。

黄帝内経素問・熱論篇には以下のようなことが書かれてます。

『身体の表面には陽気(衛気)があります。この陽気は気温の変化に応じて変化し、外邪から身体を衛ります。ところが、精神的動揺、過労、飲食の過不足などによって陽気が弱ることがあります。この陽気の働きが低下したとき寒邪が侵入します。
寒邪が侵入するとまず悪寒しますが、多くの場合寒邪を追い出そうと熱を生じます。この病熱は経脈を通って内を攻撃します』。。。

といったようなことが書かれています。(素問ハンドブックから抜粋)


体表面には衛気という第一防衛線みたいな「気」が流れていて、この衛気をやぶって寒の邪気が体内に入ってくることで、体内に熱を発生するという話です。
(*邪気というのは、病気の原因となる6つの外因のこと。これを六淫とよび、風・寒・暑・湿・燥・火がある。またそれらを、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪などという。)


よって、東洋医学ではまず衛気=陽気を高めることが重要な予防となりますね。それでも邪が体内に入り込んでしまったら、その症状から察して、それに対応する鍼灸治療を行ったり漢方薬を選んだりするということになるのです。(少々説明はざっくりですが、まあそういうことです)ひらめき電球



同じ「熱」に対する考え方でも、西洋医学と東洋医学は違っていたりしますね。

現代では、風邪や熱に鍼治療というふうにはなりにくいかもしれません。ただ、身体に鍼を施すことによって、発汗して、熱を冷ますというようなことは鍼特有な治療法かと考えています。

薬を服用するのが苦手な方などは、鍼治療を試してみるのも良いかもしれません。音譜



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