夢の国から悪夢の国へ 40年続いたアメリカン・バブルの大崩壊 上 | 53歳 おっさん社長の日記

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このブログはもう8年ぐらい前から書いております。タイトルも入れ替えて、月に数回書いていきたいと思います。コメントは放置でしたが今後は書くようにしたいと思います。

おはようございます。

昨日は、午前中は仕事。午後は学生さんと座談会してきました。

個人的にはいろいろ面白かったです。台湾人の中国と日本と韓国に対する意識がよく解りました。

ほとんど夜あそびしておりませんし、たいしたところにも行っていないのですが、雰囲気は楽しめました。でも、多分しばらくはもうこっちに来たいって思わないかもしれませんね。

台湾は僕の知っている台湾そのものでした。なので、これはこれでいいですよね。充分気が済みましたからね。

さて、今日は趣向を変えて今回読んだ本を紹介したいと思います。

夢の国から悪夢の国へ 40年続いたアメリカン・バブルの大崩壊(増田悦佐) アマゾン
夢の国から悪夢の国へ 40年続いたアメリカン・バブルの大崩壊(増田悦佐) 紀伊國屋



増田さんという人は、医学部が有名なジョンホプキンス大で博士を取って、ニューヨーク州立大学で経済を教えていた人です。普通は、この経歴であればアメリカ礼賛になるのですが、どうしてかこの人は以前から日本のことが大好きで、アメリカをこき下ろすことに使命を感じているようですね。

そのため、日本のことを書くと理想的な話になり、米国の話はお先真っ暗な話になるようです。もっとも、アベノミクスは全くお気に召さないようで、以前から大反対の人なんですがね。それと、現在のデフレは庶民にとっては良いことだと言うことを主張されていますので、チャンネル桜などに呼ばれますと総スカンを食うわけでございます。

ですが、この人のアメリカ批判だけはかなり的を射ておりまして、いや知っていることも多かったですが、知らないこともあまりにも多くて驚いた次第です。

私の知っている1990年代のアメリカと現代のアメリカは本当にたった20年間で様変わりしているんだなと思いましたね。

この本を読むまで知っていた事実。

1.アメリカの貧富の差は世界でも最大クラス

2.アメリカの大学はここ20年で学費が4倍以上に値上がりして、大卒の資格を突ために1,000万円以上の借金は普通

3.フードスタンプという生活保護受給世帯が人口の4割に及んでいる

4.米軍が人的被害を最小限に食い止めるため、ドローン(無人機攻撃)を中心に作戦を組み立てている

5.アメリカがここ20年で公務員の人数を飛躍的に拡大している

6.アメリカにはロビーイストという職業が有り、これがアメリカの政治を動かしている

7.アメリカのガソリンが1ガロン(3.6リットル)あたり1990年代は1ドル台だったのが、現在は4ドル台に入っている

8.アメリカは車社会で、航空機は発達しているが、鉄道は廃れている

このぐらいのことは知っていたわけです。主に増田さんの書籍などに関しては比較的普通の人よりも追いかけているつもりでしたので、知っているのですが、多分上記でも知らない人は知らないのでは無いかなと思います。まあでも一般常識として、アメリカは金持ちの国なんだなというのはあると思います。

それと、アメリカに行ったことがある人は、連中のデブというのはどれぐらいデブか!ということはご存知だと思いますが、この写真にあるおデブちゃんはかわいいものです。だいたい球に手足が着いている様な方々が人口の1/3いると思ってください。つまりはアメリカのドラマはウソなんです。映画やドラマに出てくる出演者の皆さんは結構普通の体型しているでしょう。

これはわかりやすい!数字で見る日本人とアメリカ人の違い10パターン


さて、ではこの本に書かれているアメリカがいかに深刻かという話に入ろうと思います。

アメリカは実質成長をほとんどしなくなっています。1800年代から2010年代までの実質GDPの平均成長率は、3.86%です。しかしながら、1980年以降これを上回る成長と遂げた10年間(ディケイド)というのは存在しません。2010年代は、2%を切っています。

これは製造業で無く、金融業に軸足を移した国の特徴です。

ですが、株価は未だに絶賛上昇中です。というのも、1990年頃に退職金を株式で運用する401Kという制度が始まったために、1990年頃に1兆ドルぐらいだったら株式への投資残高が、2000年に入ると3~4兆ドル台といった残高になります。

つまり、買い手が2倍から3倍に増えたので株価が上がっているというのが現状だったりします。もちろん、退職金だけが買い手ではないと思いますが、100兆円が400兆円になったのは値上がりだけでは無く、しっかりと毎年退職金の積み立てがどんどん積み上がっているということですよね。

日本の場合は、401Kに似た制度はありますが、メインが厚生年金ですからね。最近は自民党が株式にもっと投資しろと、運用決定機関に言っていますね。そんなに株価を上げたいのでしょうか。

そのため米国のGDPに寄与する割合が、製造業が1947年の25%台から2009年の11%台まで下がっており、これに対して不動産+金融+保険などの部門の合計が1947年の10%台から、2009年の21%台までと完全に主役が逆転している訳です。

なんだか暗い話で恐縮です。でも、事実ですからね。暗さをしっかり受け止めないといけませんね。

そして、もう一つ問題なのは、アメリカという国が壮年世帯が若年層を食い物にしているという実態があるんだそうです。

これは日本でも似たような現象が起きていると思いますが、要するに老後の蓄えの無い50代、60代が低賃金労働に甘んじているので、若年層が仕事に就く機会が奪われているという事実です。

実際にリーマンショック後の年代別の就業者数の増減で言えば、2009年1月から2012年12月期で、55から60歳の年齢層が400万人の就業者が伸びているのに対して、16~54歳の就業者は300万人減っているのです。

つまりは、米国で失業率が改善したと騒いでいるのは、定年直前のおっさん、おばさん達が低賃金で採用されたことが大きいといえるみたいなのですね。

今竹中が行おうとしている、正社員の首を切りやすいという制度は、結局若者から職を奪い、老齢者が低賃金で働くことを甘んじるという世界を作るわけです。

これで得をするのは国民では無く、企業でしか有りません。

日本では企業の代表の賃金は精々5千万円です。カルロスゴーンのように10億円も取っていくトップもいますが、日本人で1億円を超えるのは数えるほどです。上場企業の役員で1億円以上の所得を得ている人は公表されるので、それは明らかですよね。

もちろん、稼いだ人が高い賃金を得ることまで否定しませんが、米国のように数億ドルとかもらう資格があるとはとうてい思えないのですけどね。

さて、もっと深刻な話がいろいろ出てきますが、あまりに多すぎるので今日はこの辺にしておきます。

だって、日本戦見ないといけませんからね。コートジボアールには是非勝って欲しいなと。