誇ることも
着飾ることもせず
ただ黙々と
地に根を張って
猛然と生きる
野の花よ
キミの命の生い立ちを
ボクに教えてくれないか
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人や車が激しく行き交う東京新宿御苑の
池の隅っこでこの花と出逢いました。
決して深い森に咲いていたわけでもなく、
花屋の店先を飾る綺麗な花ではないけれど、
鉛色したスモッグを横目にこれ程までに真剣に、
そして猛然と「命を生きる」姿を、
ボクが人間社会で目にすることは数える程しかありません。
ボクらにはたくさんの欲しいものがあって、
そのせいか気づかないうちに
隣人と着くらべ、物くらべに汗を流し、
命や幸福の生い立ちに振り返る事を
忘れがちになっています。
もしも命の生い立ちに喜びを見つける事ができたら、
生きる事こそが幸福だと思えるのかも知れません。
そう思いながら、
ボクは野の花を撮り続けているのです。