山咲サトシ 寫眞創話集

写真で物語やエッセイを綴った作品集です

皆さんに報告です。

2009年から書き始めたブログも、そろそろ8年目をむかえようとしています。
性格上これまで個人名や存在の一切を伏せて作品を綴って来ましたが、今回ある出来事をキッカケに今までのハンドル名を終わりにして本名に帰ろうと思います。

注意)

ハンドル名は変わってもブログまだまだ続きます。
でもFacebookは近日閉鎖しますので、Facebookで友達登録して頂いている方は既に下記↓Facebookに新たに登録してくれれば嬉しいです。

https://www.facebook.com/zaki.san.370?fref=ts


テーマ:

 

 

 

海を掘り陸を敷き

男の種と女の種と

木の種と花の種を

撒き終えた神さまは

 

最後に

 

人肌を忘れないようにと、冬を

命を尊ぶようにと、春を

生きるを愉しむようにと、夏を

今を大切にするようにと、秋を

創りました

 

そして仕上げに

 

夜が映し出された青石の壁に

愛する人と見上げなさいと

星のご褒美を散りばめました

 

見上げていますか

 

愛する人と冬の星

 

 

(2018.2.改定)

 

 

 

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:

 

 

 

「 そろそろボクのお終いの時だ 」

 

そう言うと、赤トンボは森のベンチに静かに舞い降り、羽をたんたんと、それはそれはとても丁寧にたたみ始めました。神さまからいただいたわずか30日の命でしたが、赤トンボはそれでもたいそう満足していました。それもそのはず、大抵の仲間たちはツバメやスズメやカマキリに食べられてしまうからです。

 

「あぁ、今日を無事に迎えられてよかった。そろそろお終いにするよ」

 

そう言い、赤トンボは身体の真ん中の芯から、ゆっくりそして静かに力を抜き、命のお終いの準備を始めました。それはまるで炎が消えかかった燐寸(まっち)のように、最後の灯をゆらゆらと揺らす、とてもゆっくりでとても静かな行いでした。やがて命が終わりかかったその時、森の樹々が一斉にささあと道を開け、この世のものとは思えないほどの真っ赤な光を天の頂きから赤トンボめがけて差し出したのです。

 

「あぁ、すごい・・・なんてきれいな光なんだ、山が真っ赤に萌えているよ」

 

赤トンボの大きな目には真っ赤な空がいっぱいに広がりました。横たえたその身体は前にも増して紅く紅くどこまでも深く染まりました。

 

「最期の日にこんなご褒美の空を見せてもらえるなんて、ボクはなんて幸福なトンボなんだろう」

 

か細い声でそう呟いた赤トンボの目からちっちゃな涙がぽとんと一粒流れ落ちました。やがて静かに瞼が閉じられ赤トンボの命はそうやって音もなく終わりました。空は赤トンボの最期を讃えるかのようにいつまでもいつまでも黄金の光を放ち続けました。

 

 

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:

 

 

 

「 しいーっ、静かに歩いてください 」

 

クルミの帽子を深々とかぶった蟻が

振り向きざまに僕に言った

 

「 どうして ? 」

 

蟻の顔がいつになく真剣だったので

不思議に思って尋ねると

蟻は帽子を深くかぶり直し小声で言いました

 

「 だってまだ星が眠っているから 」

 

 

------------------------------------------

 

 

公園に群生する青草を見る度に

そんな会話が僕には聞こえてきます

 

朝方まで働いていた星々が

地上に降りて

ふかふかの青草のベットで

眠っているからです。

 

(「ふかふかのベットとクルミの帽子」より)

 

 

 

 

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:

 

 

 

遡上した鮭が

知床斜里町の遠音別川の一面を

銀色に埋め尽くしている頃

 

世界中にいる30万人もの

武装した子ども兵士が

瓦礫の上で銃の引き金を引いている頃

 

大量のイワシが50キロにわたって

海岸に次々と打ち上げられている頃

 

帰る家を奪われた人々が

放射能に怯えながら

身を寄せ合って冬を越えようとしている頃

 

僕らは気にもとめず

今日もどこかで

携帯電話を見つめている

 

一つ一つの出来事に

想い憂いでいた

あの頃の僕らの誇りは

一体どこに置き忘れてきてしまったのだろう

 

 

 

 

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
{3C09B69A-65A8-4E6D-9E9C-A3AA851E1021}

{4645441D-9360-4649-80D4-DC81598EBD55}



[ 尊いもの。 ]


形も重さもなく握りしめる事もできない仮想通貨と、汗を流してやっと手にした報酬の、そのどちらがキミには尊いものですか

ネットゲームで争い勝ち得た得点と、それに費やして失った時間の、そのどちらがキミには尊いものですか

ゴルフ場の芝の青さと、その下を流れる化学肥料に汚された水の行き先の、そのどちらがキミには尊いものですか

ネット上に飛び交う出どころのないニュースと、故郷から届いた懐かしい手紙の、そのどちらがキミには尊いものですか

いずれキミの子ども達に影響を及ぼすであろう遺伝子組み替え野菜と、商品にならないからと廃棄されたいびつな野菜の、そのどちらがキミには尊いものですか

不夜城の街を煌々と照らすネオンのための原子力と、満天の星を大切な人と見上げる時間の、そのどちらがキミには尊いものですか

ぎこちなく愛想を振リ舞くロボット犬と、あなたの帰りをひたすら待ち続けている犬の、そのどちらがキミには尊いものですか

 そのどちらをキミは選択しますか

      




いいね!した人  |  リブログ(1)