鉄道ファン、しかも私鉄ファンの私が、
毎週の刊行を楽しみにしていた
週刊「私鉄全駅・全車両基地」シリーズ(朝日新聞出版刊)
の第3号は東急電鉄の特集でした。
東急電鉄は、路線総距離はそれほど長くはありませんが、
東京の城南地区
(大田区・世田谷区・目黒区・渋谷区・品川区)から
神奈川県北東部(川崎市中部や横浜市北部や中心部)という
日本有数の高いブランド力を持つ地域に路線網を持ち、
利用客数は日本の私鉄最大を誇る会社です。
路線総距離では遥かに長い東武鉄道や近畿日本鉄道を
遥かに凌駕する輸送人員と営業収入を記録しています。
関西の阪急電鉄と並んで、早い時期から宅地開発と鉄道を
一元的に営業・運営してきたことも大きな特徴で、その
最初の開発街区が現在の田園調布の町並みになっています。
###私鉄全駅・全車両基地03/東急電鉄###
この第3号では、東急電鉄の伝統的本線という存在の東横線
(一体運営されている横浜高速鉄道みなとみらい線を含む)
をはじめとして、
目黒線・多摩川線・池上線が紹介されています。
生まれて以来ずっと東急沿線に住まい続けてきた私にとって
懐かしい写真が数多く掲載されています。
全号の小田急の旧塗色と同じだった旧3000系車両や、
戦後のバラック同様の光景だった蒲田駅周辺の風景や、
高いビルが無かった渋谷駅付近の遠景等、半世紀以上の
時間の中での東京の変貌をあらためて実感します。
最終日には、当の東急電鉄関係者も
ビックリするような大フィーバーになった
モダンな頭端駅だった東横線(旧)渋谷駅の引退と、
地下(新)渋谷駅の使用開始のよる副都心線直結と
東武東上線と西武池袋線も含めた相互乗り入れ運転によって
渋谷は更なる変貌を遂げはじめています。
また、この週刊シリーズの特徴として、車両基地の写真、
特に空撮のカットを掲載しているところも、
鉄道ファンとしては魅力的です。
10両編成にまで発展した東横線や田園都市線の一方で、
未だに3両編成の電車が行き来する多摩川線や池上線は、
正に庶民の足といった雰囲気を現在でも醸し出しています。
・・・一昨年1月の大雪の時の池上線・・・
・・・桜の下を行く新型電車7000系・・・
・・・テレビや映画のロケも多い石川台駅の桜風景・・・
東急の話題は次週に続きます。