藤江和子講演会「建築とともに考える家具」 | 飲・水・思・源・2

藤江和子講演会「建築とともに考える家具」



 一級建築士の定期講習の後、新宿の工学院大学へ。大学生に混じって、家具デザイナーの藤江和子の講演会「建築とともに考える家具」を聴講しました。

 初期の槇文彦さんとの協働から始まり、C+Aとの「金沢海みらい図書館」や古谷誠章との「茅野市民館」等のコンペでの建築家との協働、そして伊東豊雄さんとの「多摩美術大学図書館」から始まる協働について、「台湾大学社会科学部棟」の竹製の書架、2015年に竣工した「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の書架、最近竣工したメキシコ・プエブラの「バロック・ミュージアム」まで貴重な写真を見せて頂きました。

 藤江さんはプロダクトとしての家具ではなく、その空間のためだけの家具を創造されています。そのためには空間を丁寧に読み込み理解することに多くの時間を費やすそうです。家具によって何か空間の趣をガラッと変えてしまうというのではなく、その空間の持つポテンシャルを家具によって増幅し可視化しています。家具の持つ可能性について改めて深く考えさせられた夜でした。

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com