ジャン=ポール・エヴァン ショコラ ショ(パリジャン) ♪88.9

スイーツ ランキング ~ぼくはむこようし

 
ホットチョコレートドリンク・・・ようするにココアです。
1155円
 
柔らかな甘味にクリームのコクが膨らみ、その味わいをチョコレートに重ねていきます。
まるい酸味と苦味の素晴らしい質感に溜息が出ます。
チョコレートの質の高さを十二分に楽しませるココアです。
 
高級チョコレートが持ついくらかの排他的な性格を持たせなくとも、高級さを表現するのはなるほどジャン=ポール・エヴァンの得意な世界。
柔らかな味わいで、スイーツの貫録よりもスイーツの心地よさ、いや芯の美味さを表現しているのです。
余韻ではぼーっと体が高揚するかのような太さを感じさせるカカオのフレーバーが現れ、思考能力が奪われるかのような快楽に陥ります。
ミルクのコクとボリュームがこのカカオの風味に重ると、これは豊かで包容力のある性格に・・・。
これこそ究極のスイーツなのではないかと思える内容を示してくれます。
 
添えられたクリームは柔らかくも信じがたいほどの美しい口どけ感を楽しませてくれます。
しかしこの環境においても、トッピングされたチョコレートチップの口どけが信じがたいほどの素晴らしさを提示。
ジャン=ポール・エヴァンの隙のない味わい、完璧主義にも程があるという作品の凄身に、まんまと降参する私。
さらには後味に残る苦味が、チョコレート持つカカオの個性を舌に浸み渡らせ、何と言うか言葉もなく、ただただ溜息・・・。
たかだかトッピングされたチョコレートのかけらでここまで感動を与えられる作家って他にいるのでしょうかという話ですよ、ほんと。

スイーツ ランキング ~ぼくはむこようし

 
クリームを添えて頂くココアもまた素晴らしいもの。
甘味も素晴らしく美味しいのですが、意外にも口当たりに感じる素朴な粒子感もまた魅惑的。
ここで人間味を感じさせて、食べる側を油断させるのですね。
クリームとショコラがマリアージュすれば、その風味には甘味がどこからかふわりと浮き上がり、その表現力も豊かに、そして複雑なものに変化。
優しい個性を持続させながら、徐々に徐々に知性を添えていきます。
コクのあるしっかりある味わいでありつつも、後味にミルキーな清涼感を加え、この時に感じるキメの細かさは、ただただ素晴らしい・・・。
経験知の少ない私などは、「このキメの細かさって何よ!」てな驚きが先行しちゃってゆっくり味わえないほど。
 
ピエール・マルコリーニのココアは表現者の凄身と技術力をいくらか高い位置から突きつけるところに格好良さと、感動を覚えるのですが、ジャン=ポール・エヴァンはまるで逆。
素材の凄身を食べる者の肌に馴染ませていくような優しいタッチにして、下からすっと歩み寄り、そして食べる者の舌先ではなく、体の内側から旨味を伝えていくような印象も・・・。
 
どこか大人の余裕を持った味わいが、やはり彼らしく、それを明かに伝えてくれるこの作品の存在は嬉しい限り。
美味しいもの頂いたな~っと、ほっと肩の荷がおりるような作品。
芸術性を発揮しながら、体の力が抜かせてくれるスイーツなのです。
 
 
○ ジャン=ポール・エヴァン 公式サイト
◎ JEAN=PAUL HEVIN
○ http://www.jph-japon.co.jp/
 
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