なだぎ武、歯茎の膿胞で手術していた

6月18日7時52分配信 サンケイスポーツ

 お笑い芸人、なだぎ武(39)が17日、大阪・京橋花月の舞台で、歯茎に膿(のう)がたまる膿胞のため、11日に手術を受けていたことを明かした。

 術後、かなり腫れて「顔が縦に5倍になって、寝込んでいました」と語った。12日のブログで「11日にある部分を手術した。自分にとっては結構大きい手術」と記し、16日には体調不良を理由に同劇場での公演をキャンセルしていた。


なだき武さん 歯茎ののう胞のために手術をしていたというニュースがありました。
のう胞も色々なものがあり 先天性のものもありますが 多分 歯茎に膿が溜まったということから
神経の治療をした後にできる 膿の袋 (根尖性歯周炎)によるものだと思います。
通常は歯を削って歯の方からアプローチしていわゆる神経の治療をやり直す
根管治療という方法をするのが一般的ですが
今回そののう胞が大きかった もしくは 歯を外すにはリスクがあった 
治療期間の短縮化 など色々な理由で 外科的な方法(手術)を選択したのではないかと
推測されます。
歯根端切除術 という手術を選択したと思われますが これは記事中にもありますが
かなり腫れを伴うことが多いのです。
縦に5倍というのは大げさかもしれませんが・・・・・・。

ではなぜ 歯の神経の管の先に膿が溜まるのでしょう。
色々原因はありますが
神経の治療をしているとき ラバーダム もしくはそれに準ずる防護策を
やらずに神経の治療をしていたことも一因であると考えられます。
当医院では 神経の治療 はもちろんのこと 光重合レジン充填
(いわゆるプラスティックを詰める治療)
の場合でも ラバーダム防湿 もしくは それに準じた方法を
ほとんどの場合使用しています。


隠れ里 5代目歯科医の独り言その他飲食日記
もし神経の治療を行っているときに ロールワッテ (脱脂綿の棒状のもの)
だとかを口の中に入れて治療している時に
担当医に尋ねてみてはいかがでしょうか?

「先生はなぜ ラバーダムをしないで治療するのですか?」
「大丈夫でしょうか?」

って。
もしも保険制度ではラバーダムは認められない
云々と言われたら 
「保険制度では最近点数算定が 再診料に含まれたのではないですか?」
と聞いてみてください。


学会誌(学術的な論文を掲載する雑誌)ではなく 一般的な商業誌
(いわゆる業界雑誌)の投稿でさえ 神経の治療のときに
ラバーダムを使用していなければ まずその臨床写真は掲載されないでしょう。
それくらい 神経の治療の際には当たり前なのです。
もちろんレジン充填の際の臨床写真でも同様です。

例えばホームページ等で 「当医院は 器具の完全滅菌をしています」 とか 「・・・・綺麗で清潔で・・・・」
う云々を標榜しているのであれば 歯の神経の治療なんて見えない細菌を相手にしているのですから
最小限のラバーダムもしくはそれに準ずる処置をして行うのが普通であると思っています。

確かにラバーダムを装着すると 苦痛を感じる方がいらしゃいます。
しかしながら 
ばい菌だらけの口の中で歯の神経の管の中を無菌化を目的にする神経の治療で
最小限の防御は絶対に必要であると私は考えています。
もちろん 保険点数にラバーダム処置は含まれているので当院では保険治療でラバーダムを行っています。
ラバーダム防湿をしたからといって必ず歯の根の先に膿の袋を作らないかというと
因子はそれだけではありません。でも因子の一つは排除できると考えています。

ラバーダム防湿の重要性についてという意味で今日のブログを読み取っていただければ幸いです。