父の愛犬の死
父の愛犬が先週の水曜日に亡くなりました。
朝、父と一緒に寝ていた愛犬は
いつものように起きて来て庭へ行くと
何もせず、芝生の上で座り込んで
暫く、外を眺めていました。
年老いたその目は白内障でほとんど見え憎くくなっているはず
なのに、外の景色をずっと眺めていたそうです。
家へ戻り
今度は母の前へ座り込み
母の顔を見上げて見つめると
今度は父の所へ......
父の膝の中へ入ると
苦しくなったのか肩で呼吸をし始めました。
容態が突然悪化。
父は涙を流しながら
ありがとう。もう頑張るな。
もう、そんなに頑張らなくても良いから行きなさい。
そう言うと
大好きな父の膝の中で息を引き取りました。
心臓に手をずっと当てていた父は
その心臓がゆっくりと止まって行くのを確認すると
静かに愛犬から手を離しました。
元々、患っていた
心臓の病気の悪化が原因。18歳でした。
早朝、父が仕事へ出掛ける前の悲しい出来事でした。
私がフランスへ発つ前、父の愛犬と最後に来た場所。
photo by Nico