マチュピチュ遺跡やナスカの地上絵といった人気観光地とは別に、ペルー旅行の魅力のひとつにアンデス山脈があります。
クスコ近郊にある標高6374mのアウサンガテ山は、地元の人たちの間では、“神々がやどる山”と言われ、そのハイキングコースは世界で最も美しい山道のひとつに数えられています。
2泊3日のアウサンガテ山トレッキングは、登山好きな観光客の間では結構、人気のあるコースとなっています。
しかし、見どころが満載のペルー旅行、最初からトレッキングを目当てに来る観光客の方たち以外は、2泊3日を予定に組み込むのはちょっと難しいのではないでしょうか。
そこで、今回は、クスコ市内から日帰りで行けるトレッキングコースを紹介したいと思います。
それは“レインボーマウンテン”トレッキングです。
その名の通り“虹色の山”を見に行くトレッキングコースで、場所がアウサンガテ山の近くにあるため、トレッキング中、山頂を雪で覆われたアウサンガテの美しい姿も目にすることができます。
早朝、クスコ市内を出発すると、約3時間で山の麓まで到着します。
まずは、比較的歩きやすい山道へ出るまで、約30分、少し傾斜した山道を登ってゆきますが、標高4000mを超えているため、かなり息が切れます。
その山道を登りきった場所へ到着すると、有料ですが馬を借りることが出来ます。
片道、約10㎞、往復で5、6時間近くかかりますので、心配な方は馬を借りることをお勧めします。
私も4000mを超える高所を長時間歩くのは初めての為、馬を借りることにしました。
馬にまたがり、なだらかな道を30分から40分進んでゆくと長机が置いてあり、そこで入山料を払います。
ここから約2時間、歩いたり、馬に乗ったりしながら山頂を目指します。
途中、数か所、休憩場所が設けられており、地面に穴を掘って作った簡易トイレも設置されています。
ほとんどが平坦な山道ですので、登山やトレッキングの初心者でも歩きやすい山道と言えますが、4000m以上の高所なので息切れが激しくて大変です。
馬に乗っている人の場合でも、少し傾斜がきつい場所では、馬から降りて歩かなければならず、ほんの数分歩くだけでも、結構激しい息切れがします。
※ 個人差はあると思いますが、体が慣れてくると息切れも治まってきますのでご安心ください。
しかし、山々に囲まれた広々とした山道のトレッキングは気持ちよく、真っ青な空に浮かぶ雲は手が届きそうなくらい近くに感じることができます。
早朝の薄闇から上へ上へと登ってゆく太陽の光は、アンデス山脈を少しずつ照らしてゆく美しい光と影のコントラストを作りだし、ちょうど真上に上った時、空と大地は、その暖かい光に包み込まれ一体化します。
麓からトレッキングと乗馬で約3時間、頂上まであと一息というところまで来たところで、馬は途中の休憩場所へ引き返します。
ここからは少し急な山道を登って行かなくてはなりません。
このトレッキングで一番しんどいのは、馬をレンタルしている場所までの最初の30分と、山頂へ辿り着く前の20分の登りの山道です。
ゆっくり、ゆっくりとその山道を登り、遂に頂上へ到着、虹色に輝く“レインボーマウンテン”を見ることができました!
道中が苦しかったためか、達成感は半端ではありませんでした。
頂上には、ビールやジュースを置いて待っている商魂逞しいアンデスおばさんやらおじさんが待ち構えていたのですが、誰も買う気配を見せないためか、やる気なそうに「ぼーっ」と足を投げだして座っています。
これで登山も終了かと思いきや、展望台というか展望山があり、更に美しい“レインボーマウンテン”を見るために登ってゆきます。
それほど急な登り坂ではないので、4、5分で到着しましたが、冷たい風が強く吹くので、とにかく寒い、けれど、更に高みから見た“レインボーマウンテン”は美しく、また、周りのアンデス山脈も一望でき、素晴らしい景色を堪能することが出来ました。
我々一行は、頂上にはあまり広いスペースがないため、頂上を少し下りた場所で、クスコから持ってきたおにぎり弁当を食べ、馬が休憩している場所まで歩き、麓まで戻ってゆきました。
復路は、体も高地に慣れ、ゆるやかな下り坂のため、それほど息が切れることなく、往路の3分2程度の時間で戻ることができました。
弊社では、近々、クスコ発の“レインボーマウンテン日帰りツアー”を発表いたします。
日系の旅行会社では、初めての試みだと思いますので、興味のある方は、ぜひ、お問い合わせ下さいませ。