ラブリーボーン | ヤンジージャンプ・フェスティバル

ヤンジージャンプ・フェスティバル

基本はシュミ日記です。
…遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん…
  

名作(『独裁者』)に感動したあとは、約1時間の休憩タイム。

この間に、座り疲れで固まった関節を伸ばしたり、お昼ごはんをすませたりするのです。



休憩タイムの後は、こちらの作品をチョイス。
今日はサービスデイだけあって、映画館は恐ろしい混雑っぷり…。

満席になった劇場で、こちらの作品を観賞です。



【あらすじ】

 アリス・シーボルドの同名ベストセラーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した異色のファンタジー・ドラマ。
わずか14歳で残忍なレイプ殺人犯の犠牲となり天国へと旅立った少女が、崩壊していく家族に魂を寄り添わせ、その再生を見守る中で自らも悲劇を乗り越えていく姿を、優しい眼差しでファンタジックかつサスペンスフルに綴る。出演は14歳のヒロインに「つぐない」のシアーシャ・ローナン、その両親にマーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ。また、「ターミナル」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のスタンリー・トゥッチが憎々しい犯人を好演。
 優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。
初恋の予感に胸をときめかせていたある冬の日、彼女は近所の男に無慈悲に殺されてしまう。最初は自分が死んだことにも気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。そんな中、犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送っている。
一方、愛する娘を失った家族は深い悲しみに暮れていた。やがて、父親は残された家族を顧みず犯人探しに妄執し、自責の念に苛まれていた母親はそんな夫に耐えられずに、ついに家を出てしまう。
バラバラになっていく家族を、ただ見守ることしかできないスージーだったが…。

(allcinema online より)



えー、まず初めに言っておきますが…。


この作品。

ものすごく注意力散漫な状態での観賞となってしまいました…。

その理由は…。


(1)開始後約20分ほどでトイレに行きたくなり、その後ラストまでガマンしながらの観賞だったから。


(2)開始後約10分の間、隣の席の男のケータイにひっきりなしにメールが…。



まあ、(1)に関しては、休憩時間中に缶コーヒーを3本も飲んだ自分がいけない。仕方ない。

…だけども、(2)に関しては………。



着信音はOFFにしてあって、バイブだっただけマシだったけれど…。

メールが来るたびに、ケータイ開けてチェックしやがるのだよ…

…この男……。


あんまりウザいもんだからメール来るたびに、この人のケータイを覗きこんだり(苦笑)、顔を覗きこんだりしたらば、さすがに電源をOFFにしてましたけど…いったいどういうつもりなんでしょう……。

そんなにメールが気になるのなら、映画なんか観にこなければいいのに…と、思っちまいます。




そんな、映画を観るにはとっても不利な状態で観たこの作品。


あらすじの通り、不慮の死を遂げた少女と、その家族たちの物語。

予告編で観て以来、心を奪われていた死後の世界の映像の美しさには、やっぱりウットリ。

主人公の少女の美しさにもやっぱりウットリ。



作品の流れは大まかにわけて二つの流れ。

一つは、残された家族の姿を映し出したヒューマンドラマパート。


そしてもう一つは、主人公のスージーを殺した極悪非道な犯人を、周囲の人々や警察が追いつめていく…というサスペンスパート。


この二つの物語を、この世とあの世との狭間の世界にいる、スージーの視点で映し出していく…という流れ。



スージーがいなくなったことで空いてしまった穴を、見ないふりをして埋める母親、必死に犯人を捜し出すことで埋めようとする父親。

二人の溝は深まっていき、崩れていく家族の絆。

だけど、それをただ見守る以外、どうすることもできないスージーの哀しさ、もどかしさ……。



一方、犯人は…というと、自分の犯した罪を反省したり、後悔したりする…ということは皆無。

自分の身を守ることだけに必死だったり、自分の欲求の為に再び犯行計画を練ったりする始末。

だけど、それをただ見守る以外、どうすることもできないスージーの悔しさ、もどかしさ……。



「ただ見守る以外、どうにもできない」っていうのは、客席にいる僕も同じこと。

彼女と共に哀しんだり、悔しがったり、もどかしい気持ちでいっぱいになったり…。



こんな感じで、空間も時間軸をも越えて、様々な色彩を見せてくれるこの作品。


場面が変わるたびに、残虐な犯人にムカムカしたり、新たな事件の予感にハラハラしたり、悲劇を乗り越えて生きていく家族の姿にウルウルしたり…。


…と、退屈しらず…だったのですが、最後まで観終えた時には何となくモヤモヤ…。


うーん、何でだろう…。

事件の結末がああいう結果になったからなのかな…。

それとも、そもそも彼女の死を、僕自身が最後まで受け入れられなかったからなのかな…。


とはいえ、どう考えても陰鬱になりそうなストーリーを、希望をもって描いている…というところには大変好感が持てる作品でした。

機会があったら、ぜひ原作も読んでみたいな…と思いましたよ。