名作(『独裁者』)に感動したあとは、約1時間の休憩タイム。
この間に、座り疲れで固まった関節を伸ばしたり、お昼ごはんをすませたりするのです。
休憩タイムの後は、こちらの作品をチョイス。
今日はサービスデイだけあって、映画館は恐ろしい混雑っぷり…。
満席になった劇場で、こちらの作品を観賞です。
【あらすじ】
優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。
(allcinema online より)
えー、まず初めに言っておきますが…。
この作品。
ものすごく注意力散漫な状態での観賞となってしまいました…。
その理由は…。
(1)開始後約20分ほどでトイレに行きたくなり、その後ラストまでガマンしながらの観賞だったから。
(2)開始後約10分の間、隣の席の男のケータイにひっきりなしにメールが…。
まあ、(1)に関しては、休憩時間中に缶コーヒーを3本も飲んだ自分がいけない。仕方ない。
…だけども、(2)に関しては………。
着信音はOFFにしてあって、バイブだっただけマシだったけれど…。
メールが来るたびに、ケータイ開けてチェックしやがるのだよ…
…この男……。
あんまりウザいもんだからメール来るたびに、この人のケータイを覗きこんだり(苦笑)、顔を覗きこんだりしたらば、さすがに電源をOFFにしてましたけど…いったいどういうつもりなんでしょう……。
そんなにメールが気になるのなら、映画なんか観にこなければいいのに…と、思っちまいます。
そんな、映画を観るにはとっても不利な状態で観たこの作品。
あらすじの通り、不慮の死を遂げた少女と、その家族たちの物語。
予告編で観て以来、心を奪われていた死後の世界の映像の美しさには、やっぱりウットリ。
主人公の少女の美しさにもやっぱりウットリ。
作品の流れは大まかにわけて二つの流れ。
一つは、残された家族の姿を映し出したヒューマンドラマパート。
そしてもう一つは、主人公のスージーを殺した極悪非道な犯人を、周囲の人々や警察が追いつめていく…というサスペンスパート。
この二つの物語を、この世とあの世との狭間の世界にいる、スージーの視点で映し出していく…という流れ。
スージーがいなくなったことで空いてしまった穴を、見ないふりをして埋める母親、必死に犯人を捜し出すことで埋めようとする父親。
二人の溝は深まっていき、崩れていく家族の絆。
だけど、それをただ見守る以外、どうすることもできないスージーの哀しさ、もどかしさ……。
一方、犯人は…というと、自分の犯した罪を反省したり、後悔したりする…ということは皆無。
自分の身を守ることだけに必死だったり、自分の欲求の為に再び犯行計画を練ったりする始末。
だけど、それをただ見守る以外、どうすることもできないスージーの悔しさ、もどかしさ……。
「ただ見守る以外、どうにもできない」っていうのは、客席にいる僕も同じこと。
彼女と共に哀しんだり、悔しがったり、もどかしい気持ちでいっぱいになったり…。
こんな感じで、空間も時間軸をも越えて、様々な色彩を見せてくれるこの作品。
場面が変わるたびに、残虐な犯人にムカムカしたり、新たな事件の予感にハラハラしたり、悲劇を乗り越えて生きていく家族の姿にウルウルしたり…。
…と、退屈しらず…だったのですが、最後まで観終えた時には何となくモヤモヤ…。
うーん、何でだろう…。
事件の結末がああいう結果になったからなのかな…。
それとも、そもそも彼女の死を、僕自身が最後まで受け入れられなかったからなのかな…。
とはいえ、どう考えても陰鬱になりそうなストーリーを、希望をもって描いている…というところには大変好感が持てる作品でした。
機会があったら、ぜひ原作も読んでみたいな…と思いましたよ。