<27th Apr Mon>

ベルリンはあんなに暖かかったのに、ロンドンは真冬に舞い戻って寒いこと。

ベルリンのことを早く書きたいけど、その前に、準備が出来てたユニークな場所でのオペラ鑑賞についてご紹介したいです。

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4月17日、風変わりな環境でオペラを観ました。



ドックランドにあるブルネル博物館(→こちら )はうんとちっちゃくてわざわざ行く価値は無いですが、地下にある河底トンネル用シャフト(トンネルを掘るためにまずぶち抜く縦穴)は、有名なヴィクトリア時代の土木エンジニアであるブルネル(ウィキ→こちら )の偉大なプロジェクトを見ることのできるユニークな空間。


当初19世紀半ばに歩行者用に作られた河底トンネル、今は電車が走ってて、このイベント会場になってる空間の床の下にしょっちゅう電車が通って音と震動を感じますえっ。まあそれがユニークで面白いってことでしょうけど、クラシック音楽イベントにはかなり邪魔むっ






すぐ近くからは広々としたテムズ河が眺められて、コンサートやオペラのインターバルにここで夜風に吹かれながら一杯やるのはオツなものでしょうビール




問題はシャフトへの入り口で、やけに小さなドアの高さは1メートルくらいしかないので、思い切り屈まないと入れません叫び  茶室のにじり口じゃあるまいし・・

終演後にトーチャンが出ようと苦労してるところですが、レンガの囲いの向こう側は階段じゃなくてうんと小さな足場が横向きに二つついてるだけなので、出入りがとても困難ショック!



切符をオンラインで買うときに警告されてたので覚悟はしてましたが、跨がなくちゃいけないのにタイトスカートなんかで行った日にゃ、中に入れませんね、こりゃ。

不便なだけでなく、このままではなにかあった時に危険過ぎるので、ドアを拡大して簡単に入れるようにする予定だそうです。ユニークなイベント会場としてもっと活用してもらおうってことでしょうね。

最前列ど真ん中に座ってる白髪頭はトーチャン。 自由席なので一番乗りしてここを確保。教会同様、きっと響き過ぎるでしょうから、なるべく近くから聴かないとね音譜


   

床スペースに降りるのは工事現場の足場ですが、これもちゃんとした階段を作るとのこと。



入り口や階段はちゃんと直すけど、剥き出しのシリンダー形の壁はこのまま変えずに歴史を感じさせてもらえるようです。

雪地下で寒いですから厚着で来て下さい」、というアドバイスもあったので、割と暖かい日だったけど私は真冬のダウンジャケット着たままオペラ観ました。



ポップアップ・オペラPopUp Operaという言わば旅芸人グループのモットーは、珍しい所で上演することと、オペラをもっと気軽に観てもらおうということだそうで、私は初めて観るのですが、一体どんな感じだったかと言うと・・


ライトバン車で運べるミニマムのセットと伴奏用エレクトーン

モーツァルトの「後宮からの逃走」だったのですが、出演者は歌手5人と伴奏一人。



Die Entführung aus dem Serail


Darren Royston ;stage director

Berrak Dyer ; music director


Eleanor Ross ;Konstanze (大柄女性)

Emily Phillips ;Blonde (小柄女性)

Paul Hopwood ;Belmonte

Antoine Salmon ;Osmin

Tom Morss ;Pedrillo

Elizabeth Challenger ;Pianist



歌のレベルは高く、特に女性二人とベルモンテ役のテノールが上手で、とても楽しめました。

ドイツ語で歌ってくれたのはオリジナル通りだろうと思うのですが、壁に映写した字幕はうんと要約してあってほんのエッセンスだけ。でも、台詞の翻訳以外のジョーク満載でにひひ、これが結構面白くて、オペラを身近なものにしようとする努力は立派に実ったと思います。実は私は来月このオペラをベルリンで観るのでその予習も兼ねていたのにその目的は全く果たせませんでしたが、別物としてうんと楽しめたので満足。


トルコの太守セリムの宮殿ならぬヘルス・スパ温泉に設定が変えられてて、それはよくあることだけど、歌わないで台詞だけ喋るセリム役を設定からも完全に外したので、なぜかスパに閉じ込められた女性二人を男二人が助けに来ただけというシンプル過ぎるストーリーになってましたが、そこは偉大なモーツァルト、音楽の素晴らしさだけで充分カバーし、皆さんお芝居も熱演で、見応えのあるエンターテイメントになりましたクラッカー

切符代は23ポンド+手数料と決して安くはなかったけど、偉大な建造物の中で上手な歌を目の前でたっぷり聴けて一石二鳥の大満足。一番近くに座ってたので歌手たちにおちょくられたのも楽しい経験べーっだ!


因みに、以下がこのオペラのロンドンでのスケジュール。なるほど、ヴァラエティに富んだ会場だことビックリマーク このグループのスケジュールはこれからもウォッチして、また面白そうなのがあったら行ってみましょう。



3 March, 7.30pm – The Elgin pub , Ladbroke Grove, W11 1PY

17 March, 7.30pm – The Bull pub , Highgate, N6 4AB

19 March, 7.30pm – Black Swan Yard , Southwark, SE1 3XW

26 March, 7.30pm – Dalston Department Store , E8 3HY

12 April, 5pm – Peckham Asylum , SE15 2SQ

14 April, 7.30pm – Stour Space , Hackney Wick, E3 2PA

16 and 17 April, 7.30pm – Thames Tunnel Shaft , Rotherhithe, SE16 4LF




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