<25th Jan Sat>

ブタ健康のためにお肉を減らして野菜をたくさん食べようとしてるのに、何度言ってもトーチャンはスーパーで肉をどっさり買ってくるので、今日は私も一緒に買出しに行きました。今後はいつもそうしようかな。「そんなら、時間もできたんだし、久し振りに掃除もしろ~っむかっ」、とトーチャンに言われそうですが、長年しなかったから掃除の仕方忘れちゃったもんねべーっだ!

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3年半前のプレミエ以来初めてのローラン・ペリーのマノン、先回はネトレプコとグリゴーロという美男美女の大スターで盛り上がったのですが(→こちら )、今回はぐっと落ちる顔ぶれのため切符の売れ行きは悪く、オペラ仲間でも今回はパスという人が何人もいました。私は大好きなテノールのマシュー・ポレンザーニが出るので楽しみにしてましたけどね。


マノン役だけ二人いて、両方観に行きますが、まず一人目のマノンで2度、1月17日と24日に左右それぞれから観たので、ざっと感想を書いておきます。


オペラとプロダクションについては以前の記事をご覧下さいですが(→こちら )、文章一つでまとめると、


クリップ享楽的な性格を心配した親に修道院にぶちこまれる直前に逢ったばかりの騎士デグリューとパリに駆け落ちしたマノン嬢、金持ちの愛人になって贅沢しても激怒する父親に連れ戻されて神父になったデグリューを忘れられず教会に押し掛けて復縁を果たし、二人で賭博で金儲けを目論むが、ソデにした男の復讐でイカサマの罪で逮捕され、デグリューは父伯爵のコネで釈放されるが、哀れマノンは流刑地に発つ前にデグリューの腕の中で力尽きて息絶える。

若い恋人がいるのに贅沢好きな美女マノンは金持ちの愛人になり、哀れな青年を振り回し、最後はいかさま賭博の疑いで逮捕され、島流しになるというお話ですが、このマスネ版は、島流しになる前に死んでしまいますクリップ



Director Laurent Pelly

Dramaturg Agathe Mélinand
Set designs Chantal Thomas
Costume designs Laurent Pelly
Costume designs Jean-Jacques Delmotte
Lighting design Joël Adam
Choreography Lionel Hoche


Conductor Emmanuel Villaume
Manon Lescaut Ermonela Jaho
Lescaut Audun Iversen
Chevalier des Grieux Matthew Polenzani
Le Comte des GrieuxAlastair Miles
Guillot de Morfontaine Christophe Mortagne
De Brétigny William Shimell
Poussette Simona Mihai
Javotte Rachel Kelly
Rosette Nadezhda Karyazina

日本でもROH引越公演でやったので、このプロダクションをご覧になった方はいらっしゃると思いますが、セットは全くつまんないですよね。私の安い舞台横の席からは庇(ひさし)に隠れて上の方が見えなかったので尚更殺風景に見えました。


ワンピースでも、衣装は素敵だし、ドガの踊り子の絵から抜け出したような可愛いバレリーナもたくさん出てきて、楽しめます。マスネの音楽は華やかで官能的で大好きだし。

    




      


マノン役はアルバニア人ソプラノのエルモネラ・ヤホ


ROHには何度も出てお馴染みですが、手堅くはあっても華やかな魅力に欠けるので、「おお、ヤホが出るなら観に行こう!」、と思う人はまずいないでしょう。うんと小柄なので貧弱だし、中身の詰まってないスカスカの薄い声というのが決定的な欠点。


「3年前のあの大輪の花のような声もふくよかで艶っぽいネトコちゃんには逆立ちしたってヤホが敵う筈はないどころか、目の当てられない貧弱なマノンになりそう・・・」、と私も思ったので、ポレンザーニじゃなくて下手なテノールだったらパスしたわ、きっと。


でも、ヤホ・マノンは予想に反してなかなか良かったです。芝居上手なのは知ってたけど(プッチーニ三部作の修道尼アンジェリカの苦悩ぶりにはぐっと来ました)、今回の長丁場を一瞬たりとも手を抜かず、表情から体の仕草まで若くて無垢な少女から妖艶な美女、そして力尽きて死んでしまう哀れな女を変化に富んだ真摯な演技で見事に表現。悲しい役だと毎回ちゃんと涙も出るし、優れた演技力にはあらためて舌を巻きました。はじまる前に「地味でぱっとしないからこの役には合わない人よ」、と言っといたのに、トーチャンは「そんなことはない、美人じゃないか」、と反論。たしかに、演技力で美しく見えてしまうところがすごいクラッカー


声もよく出て、不快とは全く思わないけど特に好きではないのに、時折「まあ、美しい声だこと」と思わせてくれたし、演技同様、細かい所にまで始終気を配って、ネトコちゃんのチャーミングではあっても大雑把な(スケールが大きいとも言える)歌と演技とは対照的で、偏見なしで聴いたらちゃんと上手に聴こえるでしょう。


でも、努力賞は差し上げますが、彼女を何度も聴きたいかと言われると答えはノーで、夏のラ・ボエームのミミ役でもきっと迫真の演技で泣かせてくれるに違いないけど、相手役が大嫌いなカステルノーヴォということもあり、おそらくパス。来週から登場の二人目のマノンのうんと愛らしいアイリーン・ペレズを楽しみにしてるので、もしアイリーンが病気にでもなって又ヤホと言われたらがっかりだしね。


というわけで、褒めてるんだかけなしてるんだかわからないヤホ・マノンですが、ショック! 要するに、イマイチの素材を努力で最大限以上にしてるってことです。 

   


NYメトの花形テノールとも言えるアメリカ人テノールのマシュー・ポレンザーニ。日本でネトコちゃんと共演しましたよね。

ROHではこれまでにコジ・ファン・トゥッテとドン・ジョバンニに登場し、私はメロメロになりましたが、今回はほんのちょっとだけど声が濁ったし、役に合わないのか、実は少々失望。


まあ、先回初めて生で接したグリゴーロのセンセーショナルな迫力歌唱とハンサムでフレッシュな若者ぶりが耳と目に焼きついているので、どうしても比べてしまい、そうするとポレンザーニの太目の体とおっさんっぽいヘアスタイルはちょっとナンだわよね。


それでも、世界的なテノールですから勿論とても上手だし、彼なら何度でも聴きたいですラブラブ。2度目はグリゴーロの面影も薄れてポレンザーニ・デグリューに徐々に慣れたばかりでなく、彼も上がり調子で、より楽しめました。



    


というわけで、歌唱的にはなかなか良かった主役カップルですが、そりゃネトコちゃんとグリゴーロと比べたらスターのパワーに欠けるし、太いおっさんと貧弱な女の教会で誘惑する場面も全くセクシーではありませんでしたしょぼん  

ま、それは最初から期待していないので、誘惑に負けたグリゴーロは情熱的に法衣をはだけて上半身裸になったけどラブラブ!、ポレンザーニはもちろんそんなことせず。誰も見たくないですしねむっ

   


   


脇役たちは、


マノンの親戚でヒモ的存在のレスコー役のAudun Iversenは、トーマス・ハンプソンを薄くしたような印象で、いまいち魅力に欠けるバリトン。


マノンに見向きもされないハゲ茶瓶のヒヒ爺のクリストフ・モンターニュが前回同様、響き渡る美声とコミカルな演技で大受けクラッカー


マノンのパトロンで先回も出たウィリアム・シメル、なかなか素敵なおじ様ぶりではあるけど、今回は歌が全くぱっとせず。どうしちゃったの?ダウン


マノンが憧れる3人の美女たちの中では長身のNadezhda Karyazinaがグラマーな美人でゴージャス宝石赤
  
    



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