<11th February Sat>

また寒い日でしたが、イーリングでの美容レッスンの後、近くに住むムスメとボーフレンド君と3人でOkawariというなんちゃってジャパニーズレストランでランチ。主にお寿司でしたが、ニセモノ日本食としてはそう悪くなかったかしら。中国人が必死で日本人のふりをして頑張ってるのは、ちょっと複雑な気もしますが、ありがたいことでしょう。その後ムスメと二人で楽しくショッピングワンピース

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   London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


昨夜のオペラは奇妙なことになりました合格


モーツァルトのコジ・ファン・トゥッテのドン・アルフォンソ役のSirトーマス・アレンが急にキャンセルして、歌も芝居も両方代わりができる歌手が見つからなかったので舞台の脇で代役歌手が歌い、芝居は他の人がやるという方式となったんですが、それは時々起こることで(たいていの場合は、歌は歌えないけど芝居はできるくらい元気な当の歌手がする)、別に驚きもしないんだけど、交代を告げる直前のアナウンスで、「サー・トーマス・アレンが出ないのなら観たくないと仰る方は今すぐに出てって下さい。バウチャーでお金返しますから」、なんて言うんだもの、これにはびっくり叫び


私の知る限り、どんな有名歌手がキャンセルしたってそんなオファーしてくれたことないのに(何十回も経験してますよ、わたしゃむかっ)、なんで今回はそんなに気前がいいんだろう?(ドミンゴが欠場した時はややこしい手続を踏めば3割返してくれたことがあったけど)。 今回のコジはアレン爺ちゃんのROH40周年記念祝日と銘打ってるとは言え、ドン・アルフォンソなんて所詮は脇役よ。


第一、そんな先例作ったら、今後ヤバくないか? 代役が日常茶飯事のオペラで。


ROHのCo-Chairmanという肩書きを持つ(実際に何かしてるのかどうかは知りませんが)アレン爺ちゃんの顔を立てたのかしら? どうせそんなオファーをしても、すでに席についてるわけだし、まさか本当に出てく人はいるまいと予想して、損はしなくて一挙両得、とても思って?


しかし、本当に出てっちゃった人が百人くらいいたんだそうです。私の回りでは誰もいなかったけど、異常な寒波の中を折角ここまで来たのに、まったく理解しがたい行動です叫び


私はいい加減聴き飽きてるし引き際の悪い爺さんだと思っているので、降板するのが彼だと知って喜んだくちですが、ふーん、アレン爺ちゃんって、まだそんなに人気があるのね。おみそれしました。しかし、たしかに知名度は高いし、他に有名歌手は出てないけど、この役は嫌というほどやってる彼を観るだけのために来てる人がいるなんて・・・。


或いは、今回はアレン記念オペラと宣伝したので、このオペラを知らない人が彼が主役だと思ったとか? 


いずれにしても、首をかしげながら観始めたわけですが、見始めたらもう一つこれも理由の一つなのかなと思ったことがあり、それは芝居の代役のあまりにもひどいことが最初からわかっていたに違いないということ。


Oliver Plattというアシスタント・ディレクターなのですが、ひょろってした青二才のニイチャンで、一応立ち位置とかゴルフのスィングしたりすることは勿論知ってるけど、芝居っ気がまるでなくてへらへらしながら手持ち無沙汰に突っ立ってるだけダウン

口パクしろとは言わないし、人前に出る仕事じゃないんだから照れるのも当然で、上司に命令されて嫌々やってるのは同情するけど、もうちょっとなんとかならないものか?むっ 熱演してる歌手たちもやりにくいだろうし、あまりの違和感に観る方もしらけるばかりで、これなら誰もいない方がうんとまし。こんなド素人を出して、演技面が重要なコメディ・オペラを台無しにしたんだから、去らずにこれを観る羽目になった私たちにもお詫びとして少しバウチャーくれてもいいんではないのがま口財布? 


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
ドん・アルフォンソが出ずっぱりの主役ではなかったのが救いで、見切れ席の私は更に恵まれてたとも思うけど、見なきゃいいと思ってもつい目が行ってしまうし、50歳くらいのローズマリー・ジョシュア扮する女中のデスピーナ役にちょっかい出す場面で、デスピーナに「あなたは私には年取りすぎてるわよ」と言われた時は皆大笑いだったし、滅多にない面白いもの見せてもらってありがとうと感謝すべきかもにひひ


もう一人の代役もド下手だったら笑ってられないでしょうが、舞台袖で歌ったイタリア人バリトンのCarlo Leporeは立派だったので文句は一切ありません。


翌日からはじまるフィガロの結婚のバルトロ役なんですが、ドン・アルフォンソはやったことがあると言っても暗記はしてないようで、必死で音譜追いながら歌ってました。私の席からは出番じゃないときに椅子に座って音譜をなぞっているのも見えたのですが、この役がこんなに聴き甲斐あるとははじめて知りました。アレン爺ちゃんだと抑揚のない鼻歌みたいなんだけど。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
いや、アレン爺ちゃん、声は衰えたものの、演技はさすがの貫禄と余裕で素晴らしいんですよ。先月これをはじめて観るトーチャンを連れてってあげた時は爆笑演技のアレン爺ちゃんが元気に頑張ってて良かったと思いましたもん。


来週もう一回ある公演に果たしてアレン爺ちゃんは出られるのでしょうか? 私は行かないのですが、40年間もオペラ界に大いに貢献した偉大な歌手(だった)アレン爺ちゃん、なにかに感染したようですが、折角の記念公演ですから元気に登場できるといいですね(←自分は行かないので、もうどうでも思ってない?) 。


聴かないで帰ってしまった人は全く惜しいことをしましたね、というくらい素晴らしいパフォーマンスだったのですが、それは又あらためて。

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