<5月23日(日)>
太陽ギラギラの猛暑でしたわ、今日は。30度くらいになったにちがいない。そんな日に着物で出掛けた日にゃ、死にそうだったわ
土日とも出掛けてたんで溜まってるのが片付けられませんでしたが、アイーダはどうした?と自分でも焦りながら、その前に素敵なテノールの出たコンサートをことを書いてしまおう。
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5月21日、バービカンで珍しいヴィヴァルディのオペラがコンサート形式でありました。
Ottone in Villa、「古代ローマ皇帝オットーの別荘」という意味なんでしょうが、内容は皇帝の愛人でありながら他の男にも色目を使うもてもてフェロモン女をめぐるしょーもない恋愛沙汰。
同時代のヘンデルのオペラに当然似てるけど、ヴィヴァルディらしく明るくアップテンポで賑やかで華やか。長いけど歌手も皆さん上手でとても楽しめました。
Vivaldi Ottone in Villa
Il Giardino Armonico
Giovanni Antonini conductor
Sonia Prina mezzo-soprano (皇帝オットーネ)=女性歌手の男役
Veronica Cangemi soprano (皇帝の愛人)
Julia Lezhneva soprano (皇帝の愛人の元恋人)=女性歌手の男役
Roberta Invernizzi soprano
(皇帝の愛人が狙ってる若い小姓)=女性歌手の男に変装してる女性役(あー、ややこし)
Topi Lehtipuu tenor (皇帝の側近)
クリックで拡大して美男子ぶりをご覧下さい
どんな歌手が出ても聴きにいったでしょうが、今回は念願のトピ君を初めて聴けるとあって、一年以上前に切符を買って以来、キャンセルされたら悲しいわんとハラハラしながら待ってました
オーストラリア生まれだけどフィンランド系のトピ・レティプーというコメディアンみたいな名前のテノール君の肉の付いてないすっきりした薄い北欧顔は私の一番の好みで、長身なところもイアン・ボストリッジ博士に似てるかな。
私の目には理想的な超ハンサムのトピ君、よくyoutubeでグラインドボーンやザルツブルグのコジ・ファン・トゥッテとかをヨダレを垂らしながら観てたんだけど、生で観ても勿論良い男で、縦に細長い鼻の穴にも見惚れちゃう
こんな美しいオトコがルックスの貧しい人の多いテノール界にもいるなんて、と私の目は彼に釘付けで、近い席なのに双眼鏡でどアップにしたりして、回りの人たちや本人に、「わっ、変な女がいる」と気味悪がられたことでしょう。
嬉しいことに期待通りのノーブルな歌声で声量も立派なトピ君でますますファンになったけど、
悲しいことに歌う場面がやけに少ない上に、「皇帝、別荘に引っ込んで女にうつつを抜かしていては帝国の民に嫌われますぞ」としか言わない爺さんみたいなつまんない役(このオペラでは恋するハンサムな男性は女性歌手が演じるの)。
まあ、こんなちょい役に最近はそこそこ人気も出た筈のトピ君がよく出てくれたものだと感謝しなくちゃいけないんでしょうけど、ROHのコジ・ファン・トゥッテに出て欲しかったわあ(この秋に又コジがあるのに)。で、この夏にはグラインドボーンの「道楽者のなりゆき」に出るんですって。うう、行きたいなあ、でも遠いし、切符代高いし、口惜しいったらないわ
ロベルタ、ヴェロニカ、ソニア トピ、ジュリア
「トピ君は楽でいいわよね。私たちはたくさん歌わなきゃいけないから大変よ」、と他の4人が思ってるに違いないというほど女性陣は歌いまくったのですが、皆さん芝居っ気もたっぷりで穴のない水準の高いコンサートでした。
中でも際立っていたのが、若いロシア人ソプラノのJulia Lezhneva
艶があってふくよかな声質と圧倒的な声量はネトレプコに似てて、その上ネト子ちゃんよりコロコロと小回りが利いて軽やかにコロラチューラもできる凄い新人です。で、顔もネト子ちゃん並に可愛かったらいいんだけど、そこは雲泥の差で負けてるのが残念。小柄なのはいいとしても、やたらおでこの広いファニー・フェイスだもんね。でも、絶対に将来有望。
バービカンのコンサート形式のオペラはいつも楽しめるのですが、至近距離で正面から聴けてお値段も安いので(このコンサートは前から3列目で25ポンド)、これからも優先的に行くつもり。
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