(ミラノ行きから2週間以上も経ってますが、やっとこれが最後の記事です。お疲れ様でした)
今回のスカラ座行きは2月12日の勿論トリスタンとイゾルデが主目的でしたが、折角なので2泊して翌日のコンサートにも行きました。
Conductor and Soloist Daniel Barenboim
Filarmonica della Scala
Ludwig van Beethoven Concerto No 1 in C maj. Op. 15 for piano and orchestra
Arnold Schönberg Pelleas und Melisande Op. 5 symphonic poem
席は昨日より一段低いだけで同じようなボックス席の2列目でしたが、オーケストラ・ピットに床を張ってかなり前にせり出していたので、オケもピアノも中腰にならなくても三分の一見切れだけで、ほぼ満足な見え方でした。
昨夜あの壮大なトリスタンとイゾルデを暗譜で指揮したばかりのバレンボイム先生、今夜はピアノを弾きながら指揮をして、超人ぶりを見せ付けてくれました
モーツァルトを弾き指揮した人は見たことありますが、ベートーベンはこの形式で聴くのは初めてです。今回のシリーズはベートーベンのソナタ5つを5日間に分けて全部弾くもので、後半はこれも全てちがうシェーンベルグ。
バレンボイム先生のピアノ演奏はロンドンでかなり何度か聴いたことがあるのですが、10年近く前に初めて聴いたときの感動が忘れられず、その後は期待が高過ぎたので失望することが多く、一年前のベートーベンの全ソナタ制覇
なんてやるだけで凄いと感激したものの、今回もピアノ演奏自体にはあまり期待せずに聴きました。
それで、結局まあこんなものでしょうという予想通りの出来だったのですが、決して下手なのではなく、もちろん充分一流の域に達しているので、初めて聴く人はそれなりに感動したことでしょう。
ウヘーっ、シェーンベルグかあ・・・前衛的で頭痛のするような曲だったらどうしよう・・・と心配だったのですが、初期の作品ですから、うんとまともで聴きやすい曲でした。
symphonic poemなので、普通の交響曲のようにはっきりと楽章に分かれているわけではなく、だらだらと同じような調子で続くのですが。
去年ROHで観たドビュッシーのペレアスとメリザンド (あの超ヘンテコリンなジャンプスーツ衣装の)を思い浮かべながら聴いてみましたが、オペラもそんなお馴染みではないし、特に強いつながりは聴き取れませんでした。そういう単純なものではないのでしょう。
でも、観念的で叙情的な雰囲気は感じられたたし、それは別にしても、スカラ座オケの美しい音色と、スカラ座で鑑賞するのもおそらくこれが最後というおセンチさも加わり、高揚した気分になれました。
尚、バレンボイム先生は、ベートーベンのソナタとシェーンベルグのおそらく全く同じプログラムを来年1月と2月にロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホ-ルでやってくれます。
オケはBerlin Staatskapelle。切符もすでに売っていて、私はひとつだけ買いました。(→詳細はこちら
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