目的は五嶋みどりさんのヴァイオリン。
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Tchaikovsky Violin Concerto
Stravinsky The Firebird - Suite (1911)
Daniel Harding conductor
Midori violin
London Symphony Orchestra
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すっきりとMidoriとだけ呼ばれ、ロンドンでも長年レギュラーに登場し、前日の内田光子さん
同様、確固たる地位を築いてきたみどりさんは、世界的な日本人演奏家として、クラシック音楽界で頑張ろうとして3月にロンドンデビューした葉加瀬太郎さん
が目標とすべき人でしょう。
などど言いつつも、以前何度か聴いたみどりさんにしばらくご無沙汰だったのは、一流と呼ばれるヴァイオリニストを一通り何度か聴いてみた結果、絶対聞き逃すものかと思えるのはマキシム・ヴェンゲロフだけというのが理由です(失礼その1)。
今回の切符は一年以上も前に買ったもので、LSOの枚数割引を確保するためにこれも入れたにちがいありません。チャイコフスキーの有名なコンチェルトだったら自分で行かなくても簡単に譲れるし・・、などど失礼その2なのですが、結局、最近コンサートに行きたがるトーチャンを連れてってあげました。
なので着物ではなく洋服で。あれだけ日本人がいる所の最前列ど真ん中の席で着物を着る勇気もないし、どうせ仕事も忙しいから。(日本人が多いと言っても、もちろんハカセさんのコンサートと比べたら全然少ないです)
「まあ、老けたこと!」、というのが正直な気持ち(失礼その3)。
なんせ私は彼女から3メートルくらいなので、顔のシワとか肌のたるみとか見えちゃうんですよ。それに、ひっつめ髪にすっぴんで、オバサンを通り越してオバアサンの雰囲気なんですけど・・
お肌の曲がり角が過ぎたら、お化粧でシミとか隠さないと。舞台に出る人は綺麗にするのも仕事の内では?まだ36歳、花の盛りじゃなんだし。
でないと、折角のドレス姿もゴージャスに見えませんよ。
が、そのドレスというのが又ちょっとナンなのでありまして・・・
これも内田光子さん同様、洋服のセンスがいまいちのみどりさん、私が見たときはいつも野暮ったいピラピラ・ドレスだったのですが、今日の銀色のサテン地は舞台にも映えて今まででベスト。
しかし、素材は良いのですが、古代ギリシャ風のシャーリングのデザインは野暮ったいですね。でも、それはまあ良いとしても、チャイナ服風シルエットのこのドレス、ミみどりさんの体型の欠点を強調してしまうのでは?
胸がぺったんこなのと、体は細くてもお腹だけポコンという残酷な中年体型のきざしが露になっちゃいました
しかも、足を踏ん張るとスカート部分が美しくないんです。踏ん張らないわけにはいかないでしょうから、ここはやっぱりサラ・チャンやアン・ソフィー・ムターがいつも着ている裾広がりのドレスの方がヴァイオリンには向いてるってことでしょう。
それに、もうちょっと歩き方もお気をつけ下さいね。
以上、ビジュアル面では責める一方となりましたが。
幸い、肝心の演奏は文句のつけようがありません 聴き飽きたチャイコフスキーのコンチェルトですが、やっぱり名曲だし、技術的にも見せ場聞かせ場満載で、知っているだけにこちらもつい乗ってしまいます。
みどりさんはいつものように丁寧に音を一つも素っ飛ばさず、一瞬たりとも気を抜かず(ここですよ、一流と二流の差は)、ほぼ完璧な素晴らしい演奏でした。
しかしですね、(ってやっぱり文句言うの?)
みどりさんとしては私が聴いた中では一番迫力もあったし、強弱のメリハリもお手本のように立派だったのですが、この曲は彼女のキャラにはぴったりとは言いがたいよう な気がするのです。
私は至近距離だからしっかり聞こえましたが、やっぱりちょっと音量不足ではないかとも思ったし。まあそれは後ろの席の方々がそんなことなかったよ、と仰るのであれば撤回しますが、きれいにまとまってはいたけれど、もう一つ私を惹きつける何かが足りなかったんです。勢いとも言えるし、ヴェンゲロフが弾いたらこうだろうな、という贅沢な望みであり、決してみどりさんの演奏を駄目だと言っているわけではありません。
ついでに、もう一つだけ不満を言わせて頂くと、
慎ましやかなでシャイなミドリさんの性格なのでしょうが、カーテンコールが短過ぎます。
あれだけの演奏を聴いた後、観客に心ゆくまで拍手をして余韻に浸りたんですよ。みどりさんがしばらく舞台で声援に答えて下さったり、何度か登場して下さる度に、段々こちらも昂ぶって、素晴らしい演奏だったとますます思えるようになるんです。
第一、私は写真が少ししか撮れなくて焦りましたよ~
ずいぶん長い間、厚化粧で嫣然と微笑み続けた正反対の2月のサラ・チャン の真似までしなくてもいいけれど、せめてもうちょっとサービスして下さいねっ!
みどりさんを聴きに行っただけなので、後はどうでもいいのですが、
後半はストランヴィンスキーのバレエ曲「火の鳥」組曲
このバレエ見たことがないので、その場でプログラムであらすじをざっと読み、きっとここはこういう場面なのかな、こんな感じの踊りかしら、と想像しながら聴いてたのですが、日中仕事が忙しく、その疲れがどっと出て、
あ~意識が薄らいでゆくわ~
うつらうつら、これはこれで極楽だけど、演奏がどうのこうの言えるほど聴けなくて(いやに短かかったもんね)、すんません、勿体ないことしました。ハーディングがかつてのように指揮台で踊り狂ってくれれば楽しめただろうけど、すっかり大人になった彼は、上下で素材のちがう燕尾服を着てごく普通に指揮してただけなので面白くないんです。
でも、偶然にも続けて内田光子さんとみどりさんの活躍を見られて、同胞としては嬉しい限り
特に、みどりさんは今バービカンで特集が組まれていくつかコンサートをやっているようで、大したもんです。