2月25日はランチタイム・コンサート にも行ったのですが、同じWigmore Hallに夜再び行きました。


Dame Felicity Lott
(soprano)
Malcolm Martineau (piano)


Poulenc and early 20th century France

Ravel Manteau de fleurs; La flûte enchantée from 'Shéhérazade'; Le cygne from 'Histoires naturelles'; Le paon from 'Histoires naturelles'
Roussel Le jardin mouillé Op. 3 No. 3; Réponse d’une épouse sage Op. 35 No. 2; Le bachelier de Salamanque Op. 20 No. 1

Saint-Saëns Si vous n'avez rien à me dire; La coccinelle Satie Le chapelier from 'Trois Mélodies'; Daphénéo; Je te veux

Poulenc Trois poèmes de Louise Lalanne; Tel jour, telle nuit; La courte Paille



フェリシティ・ロット
はオペラ界への貢献が認められてSirの女性版であるDameの称号を女王陛下から授けられたほどの人ですから、イギリスを代表するソプラノ歌手で、60歳になる今も、シワがあるのは仕方ないですが、すらっと長身でしゃんとして品があって、年齢には関係なくイングリッシュ・ローズとはこういう人のことを言うのでしょう。森瑤子さん言うところのハンサム・ウーマンにも当てはまるのではないかと。


私は数年前にここで彼女のリサイタルを2、3度聴いたこともあるし、ROHの「薔薇の騎士」の元帥夫人もとても素敵だったし、トビー君と共演したENOの[美しきエレーヌ ]ではコミカルな演技でも笑わせてもらいました。


ウィーン版の薔薇の騎士は映像にもなっていて、ヴォン・オッターのオクタヴィアンとは絵のように美しいカップルでしたが、ROHの彼女も多少年は食ったのですが、歌も容貌もまだまだイケル熟女美人でした。



ここの常連出演者でもある彼女は、洋服のセンスも垢抜けていて、コンサートでもTVインタビューでもいつも素敵なのですが、今回も休憩後は着替えてくれました。


前半の青と紫と緑が混ざったカラフルなドレスも素敵だったのですが、このWigmore Hallは写真なんて撮ったら即怒られそうなので、前半は遠慮してしまったのでした。最後はさっと撮って逃げればいいですけどね。


カメラというわけで裏口から逃げる前にさっと2、3枚撮った写真がこれ。


ベージュ地に光るアニマルプリントのドレスと金色のショールで渋いホールを華やかにしてくれました。



今日のプログラムは全部が彼女お得意のフランス語で、ラヴェル、ローセル、サンサーンス、プーランク。


彼女は全部暗譜でした。当たり前と思うかもしれませんが、皆が歌詞を目で追いながら聴いているので誤魔化しはきかず、それだけでも大変だろうと思います。実際、この日のお昼のラングリッジとマレー夫妻、3日後のクリスティーネ・シェーファーも音符を前に置いて歌ってました。


彼女は何度も聴いているし、同じようなリサイタルもここで聴いたことがあるので、新鮮な驚きはありませんでしたが、いまだ衰えぬピュアな歌声と芝居ッ気たっぷりのチャーミングな歌唱のお得意フランス歌曲は、(知っていたのはエリック・サティのJe te veuxはだけでした)、高尚で洗練されたシャンソンを聴いているようなもので、それを上流階級のサロン並みにこじんまりとしたこのホールで聴くのは理想的。ちょっと高かったですが(26ポンド)、最前列でウィグモア・ホールらしい楽しい時を過ごせました。


   

「私はブーケ、貴方はシャンペン。交換して欲しい?」



カラオケ Felicity Lottの歌声がどんなのかご興味ある方は、ここをクリックすると→ 視聴できます 。Wigmore Hallのライブ版CDです。


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