10月27日、バービカンのMagdalena Kozena(メゾ・ソプラノ)とil Giardino Armonico(古楽オケ)のコンサートに行きました。
前から2列目の真正面で舞台からは1メートルちょっと。幸い前の席は空席だったので、細かいところまでよく見えて、カーテンコールの写真もきれいに撮れました。クリックすると大きくなるので、ジロジロ見ちゃいましょう。
コジェナは実力よりも美貌が先立って話題になった感があり、ベルリン・フィルの常任指揮者のSirサイモン・ラトルが彼女に惚れて奥さんを棄てたことで有名。二人の間には子供もいます。
西洋人女性は老けてみえることが多いので、33歳の彼女も目尻にちょっと皺があったりして30代後半にみえるのですが、さすがに綺麗です。白い肌に金髪、タイプとしてはヒッチコック好みのクール・ビューティで、おそがい名画「鳥」のティッピー・ヘドレンに似てます。ちょっと前にテレビで観たら異常に痩せて頬骨あばら骨ゴツゴツでしたが、今は元に戻って丁度良い肉付き。胸はペタンコですが。
太った人がこんなヘアスタイルだと、金髪でも「お相撲さん」になってしまいますが、美人はなんでもオッケー
こういう人はスッピンでも美しいのを自分でもわかっているからでしょうか、ほとんど化粧をしてなくて、アイシャドウと地味な口紅だけだったのではないかしら?マニキュアもペディキュアもしてなくて、スカートの裾が少しほつれていたのもそのまま。ドレス自体も有名デザイナーのものとも思えなくて、金の刺繍入りですが布地は安物。
ウーン、折角美人なんだからもうちょっと着飾って、輝くような美しさで登場して欲しかったですねえ。ルネ・フレミングみたいにいつもディオールやラクロワを着て出ろとは言いませんけどね、晴れ舞台なんだし、こっちはお金出して来てるわけだからして・・・。
ま、それは至近距離で観察してる私だから出る不平でしょうから、聞き流して下さいまし。
もちろん、音楽家は音楽だけで勝負すべきです。
演目はこちら
① Mozart Overture:Mitridate, re di Ponto
② Mozartアリア3曲 Non piu di fiori (皇帝ティトーの慈悲)、Non so piuとDeh vieni, non tardar (フィガロの結婚)
③ Boccherini Synphony in D minor, Op.12 No.4 'La Casa del diavolo'
(休憩)
④ Mozartアリア Per pieta (コジ・ファン・トゥッテ)
⑤ C.P.E. Bach Synphony in F major, W183/3
⑥ Mozartアリア2曲 Deh per questro istante solo
彼女が歌ったのは、お馴染みの有名アリアばかりで、普通はリサイタルのアンコールでやってくれて、「あっ、やっと知ってる歌が出てきた!」とほっとする曲を並べてくれました。
ある意味サービス満点で評価できるのですが、ある意味聞き飽きてるのばかりでつまんなかったです。ま、聴衆にも色んな人がいるわけで、全ての人を満足させることはできないのでしょうから、決して不平を言ってるわけではありませぬ。これも聞き流して下さい。
・・・・聞き流されてばかりでは困るので、肝心の歌がどうだったかと言うと・・・
クラシック音楽家は、スポーツ選手と同じで、美貌が話題になると言ってもそれは単なるオマケとしてなので、コジェナもラトルとの不倫を別としても歌手としても名声を得ているわけですから、歌はもちろんとても上手です。
濁りのない清らかか声をよくコントロールして声量もあり、低音が出なくて個性に乏しいところが一枚看板でリサイタルを即完売するような大スターになるのを妨げるでしょうが、オペラのアンサンブルでは控え目であっても主役として通用する実力は充分あり。
今回アリアを歌ってくれたコジのドラベッラもぴったりでしょうけど、長身を生かした「ズボン役」もいいですね。この日も歌ってくれたケルビーノ(フィガロの結婚の思春期鼻血ドバドバ少年)はもう卒業でしょうが、「皇帝ティートの慈悲」のセストもいいし(これも今回やってくれた)、モーツァルトで他にもいくつかあります。
そして、近いうちに「薔薇の騎士」のオクタヴィアンをやってくれるといいなあ。この声とルックスですから宝塚の男役的魅力一杯のチャーミング美青年騎士になることまちがいなし。
ピアノ伴奏のリサイタルだとずっと出ずっぱりで歌ってくれるけど、今日はオケ付きなのでどうしても歌無しの水増しプログラムになってしまい、「無名オケを聞きに来たんじゃないぞ~。引っ込め~」という気に普通はなってしまいうのですが、Giovanni Antonini指揮の 古楽オケil Giardino Armonicoのメリハリのある演奏はなかなかよくて、特にボッケリーニの交響曲は早いテンポで生き生きと小気味よく進み、感心しました。バッハ・ジュニアの交響曲は曲自体が退屈なので間延びしましたが。
このコンサートはGreat Performersの一つで、シリーズ何枚かまとめて買ったので、28ポンドが15%割引で23.8ポンド。一度コジェナを聴いてみたかったので行ったことを後悔はしませんが、もう一度この値段で行くかと言われると、考えちゃいますね。チェチリア・バルトリなら50ポンド出しても毎回行くけど、コジェナだけってのはちょっと魅力不足だから。でもオペラに彼女が出てくれるのなら嬉しくて楽しみにします。
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