観光バスの燃費改善テストに挑戦 その2 | 業務外日誌

観光バスの燃費改善テストに挑戦 その2

 さて、7月13日の火曜日の「USO-800」取り付け前の試験走行の結果は、燃費が「4.626km/L」という


結果でしたが、翌朝の、取り付け後、1回目のトライアルは…



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 ああ…心臓が…ドキドキってより…バクバクするぅ~!


 「き、効いてくれよ! か、神様ぁ~ッ!」と、祈るような気持ちで


テスト車両に乗り込みます。


 テスト車両は、今年、新車から16年目を迎えるという「●菱ふ●


う(伏せ字にして隠したって、モロ、分かるけどね!)」製の、十分に


「古い」車体であります。


 最新のハイブリット式のものに比べれば「非力」かつ「大食らい」


という「経営者」側からしても、実際に「運転」にあたる「ドライバー」


にとってもやっかいな存在らしいのであります。


 これの燃費が「10%」ぐらい良くなったら、利益率が大幅に変わ


るのだそうです。


 コースは「装着前」と同じで「T観光バス㈱京都支店」発「一般道」→「大山崎IC」→「栗東IC」→「一般道」→「栗


東IC」→「大山崎IC」→「一般道」→「T観光バス㈱京都支店」という経路で、距離は90キロ弱。


 車内の内装のギシギシ、カタカタという細かいキシミ音や、ロードノイズがかなり劇的に減少しているように感じ


ます。車内は「USO-800装着前」に比べてとても静かです。


 騒音に変わって逃げていた「エネルギー」…つまり「エネルギーロス」が減っているのでしょう。予想通り、


ピッチングやローリングの収まりが良くなっていて、バウンド量も減っているような気がします。


 少なくとも「装着前」よりも悪い結果が出ることはない!…そう確信したのですが…


 超ハイレベルのドライブテクニックを持つ「ドライバー」の方は「揺れの幅が小さくなって乗り心地がよくなってい


る! ギアの入り方が、ドコに入っているのか分からないぐらいナマクラになっていたのが、カチッ、カチッと新車


のように決まるように変わった」と感想を述べられました。 ただし「エンジンのパワーが上がったとか、加速の伸


びがよくなったとか、そういう感じはないですね!」だそうです。


 ギアの決まり方がカッチリしてきたのは、エンジン内での燃料の燃焼状態がよくなった証拠だと思いますが…


いちばん期待していたパワー感の変化や伸びが感じられないというのは…ちょっと心配!


 しかし…高速道路(名神)では、上り坂、下り坂とも、時速90キロを堅持するドライバーさんの超絶テクには脱


帽です!


 平坦地ではエンジンの回転数が1450回転/分ぐらいで、スピードメーターは90km/時(下の写真)を指しま


す。登坂車線でも、回転計が2000回転を超えることは、まず、ありません。



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 それにしても「2350回転」から上が「レッドゾーン」だなんて…ガソリン車しか知らないpepperにとって「大型バ


ス」は、まさに「未知の領域」でありました。


 しかし、昨日のテスト走行時に比べて、目視の範囲でしかありませんが…全体に50回転/分ほど回転数が高


いような気がしないでもありません。 んんんんんん~? 何か変です!


 期待と不安が入り混じる複雑な心境のまま、1時間ちょっとが経過し、1回目のトライアルが終了!


 ドキドキ…いや、バクバクの「給油タ~イム!」となりました。ゴボゴボと音をたてて「軽油」が「給油口」に吸い込


まれる光景は、心臓によくありません。 思わず 「タァ~イム・ショック!」なんて…昔、そんな番組あったな?


 そして結果は…



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 給油量は「19.20L」で、前回を下回りはしたものの、燃費の向


上率は、わずか「1.2%」にとどまりました。


 紹介者の「U氏」は「誤差範囲!」とひと言つぶやいたきり憮然と


した硬い表情をしております。


 私の相棒でメカニックのK君は平静を装っていますが、内心はど


うなんでしょう?


 それでもK君は、ゆっくりと「ドライバー」の方に質問を始めます。「パワー感が変わらなかったこと」について、


それから「いわゆるエンジンブレーキや排気ブレーキの他に、何か車速を下げる装置がついているのか?」。


 ソレは、技術者のK君が、運転中ずっと「スピードメーター」と「回転計」を見比べていて感じた「何か不自然な感


じ」に対する、pepperなどにはとうてい思いつかない鋭い質問だったのです。


 


 10分ほどのインタビューの末、K君が割り出した犯人は「リターダー」という「油圧」で「デフ」の「内圧」を変えて


「ドライブシャフト」の回転を抑える…とかいう「補助ブレーキ」とも呼べる「装置」の存在です。


 コイツは、ドライバーの意思で「ON」にしたり「OFF」にしたりデキたり、効き具合を調節デキたりするらしいの


ですが…下り坂で乗客にショックを与えることなく非常に緩やかにマイルドに「減速」デキたり、抵抗となって「急


加速」がデキないように「車速」を押さえたりデキ、一定の速度を保つのに有用で、ブレーキシステムの磨耗、消


耗が避けられる、とても「安全な」「装置」なように思えるのですが…


 解釈が間違っていたら大変申し訳ないのですが…ある意味、常に「ブレーキ」を効かせているような感じなので


はないかと…コレが「電子」によって「利得」したパワーを相殺したり「車速」の「伸び」を殺しているのではないだろ


うか?…と、K君は考えたワケです。


 つまり「観光バス」や「大型トラック」など「リターダー」を搭載している大型車両では「USO-800」の真価が発


揮しづらいのではないか?…ということです。


 こうなると、U氏やバス会社の人々が納得する「数値」を叩き出すための「根拠」は「オイルの粘度が落ちてサラ


サラになり、エンジンの内部抵抗が小さくなること」「同じ理由で、ギアなどの機械的摩擦が減少すること」…この


あたりになりそうです。


 2回目のトライアル直前、pepperとK君は、急遽、作戦を変更しました! 「USO-800」をエンジンに向けて


エンジン内のオイルを分子レベルにまで分解してサラサラにして「リターダー」の回転抵抗を押さえ込もうという


寸法です。


 フロントに前向きに据えた10発の「USO-800」のうち、4発をハズして後ろに持っていき、内向きにセットして


「電子」がエンジンに向かって飛ぶ(科学者はそんなことあり得ない!…と言いますが…)ようにセットします。


 経験上、こうすると足がグニャグニャに軟らかくなって、腰が抜けたようになるのですが、バスの足回りはいわ


ゆる「電子制御」ということなので、走行に支障はないだろう!…と決行します。


 その結果、ピッチングとローリングは、ハッキリ分かるほど大きく、収まりも悪くなりました。 pepperは「ヤバ


い!」と思いましたが、走り出したバスは止められません!


 あやうしpepper&K君! 我々の運命はいかに? それではまた次回! 乞うご期待!