刺繍工房&ストリート
今日は蘇州の外れにある、刺繍工場を訪ねて来ました。
というのも、母から「少々値はしても質の良い刺繍を買ってきて欲しい」と頼まれていたからです。
十全街・観前街にももちろん沢山のお土産屋さんがあり、刺繍を売っているお店も沢山あります。ですが観光街であるため、どちらも少々値が高いことは目に見えています。またそれらの場所では直に刺繍をしている所を見ることはほとんどできません。(稀に観光客向けに見せるサービスをしている場所もあります)そこで、いわゆる刺繍市場を探しに行くことにしたのです。
まずは工房に電話をし、購入を目的に見学しに行きたいとの旨を伝えました。するとそこの社長さんが新区の日本人客に商品を届けるついでに東吾飯店まで寄ってくれることに。
当日、社長さんの車で出発!
車に揺られて30分、40分…どこまで行くんだろう??
もうとっくに郊外に出ています。新区をまだ越えて、未だ一度も来たことの無い様な、辺鄙な地区に来てしまいました。ついに「」と看板の掛かっている一本道に入り、小さな工房に辿り着きました。
着くと、社長さんの奥さんらしき女性が、黙って商品を机のうえに並べて見せてくれました。その多くは中国の伝統的な衣服をしたものと、色とりどりの壷の形をしたものでした。
形はシンプルですが、デザインはとても凝っていて、よく見るとデザインの複雑さや大きさによって値段が違っていました。(小さいものから500元~700元)
なぜこんなに高いのかって、何といっても作りがとても繊細!!一見しただけでは、とても刺繍だとは思えません。まるで切り絵の様な、正確さ、繊細さです。
たくさんの柄があります。シルクに刺繍が施してあるポーチ、とってもかわいいです。
「蘇州呉皇刺繍」というブランド名が入っていて、材料や特質も書かれています。
一通り作品を見た後、工房内でお仕事をされている女性の様子を見せていただきました。
それぞれの洋服や壷のデザインはすべて型紙があり、決められていました。
そして驚いたのは針です。一瞬不注意だとすぐに見失ってしまいそうな、細い細い針を使っていました。私たちが縫い物をするときに使う針とは比べ物になりません。
こんな細い針を使って、一針一針縫っていくのですね。脱帽です∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
一旦そこの工房を出て、刺繍ストリートへ向かうバス停へ。そのバス停までの道路沿いで、女性の皆さんが仕事をしている姿が窺えました。
刺繍を縫う女性のことを、「繍娘:xiuniang」と言います。
普通はこの様に、家の中で時間があるときに仕事を進めていくそうです。繍娘の年齢は圧倒的に高齢層が多いように思いました。
一つの作品を20日~一ヶ月かけて仕上げるそうです。一作一作、手間と労力を存分にかけられています。
さて今度は刺繍ストリートです。
バス停を降りるとすぐ、「刺繍ストリート」と書かれた門を発見しました。そしてそこからは無限に続く刺繍街。
一件一件見ているうちに、お店によっても質の良い・悪いがあることに気づいてきました。私にも刺繍を見る目が養われてきたかな?と自慢げに思ったり…。ストリートの刺繍は、蘇州市内で売られているような、猫・鳥・花などをデザインしたものが多く、値段も40元程度のものから千元を超えるものまでさまざまでした。
そこでは40元の蘇州の運河をデザインした小さな刺繍を購入し、引き上げました。
その後工房の洋服のデザインの刺繍がどうしても気に入ったので、結局また工房に電話をし、予約しました。今は品切れで、20日後にまた届けてくれるということでした。
あんな郊外に、刺繍の宝庫があったなんて知りませんでした。ほんとに良い体験ができました