とにかくうちに帰ります | 毎日必死です

とにかくうちに帰ります

おはようございます。

今日は津村記久子さんの『とにかくうちに帰ります』の書評&感想です。
会社という小さい世界でのあるあるです。鳥飼さんが主役の話と群像劇っぽい話に分かれます。
最後の話だけ群像劇だったので、はじめ鳥飼さん探しをしてました(笑)
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会社の中で起きる小さな人間関係のいざこざだったり、豪雨の中どうにかして自宅へ帰ろうとする会社員。自分の周りのセカイでおこる小さな事件。
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SFではないけれど明日にでも会社員には起こりそうな話ばかり。
会社員の日常。
前半主役の鳥飼さんに同調してみる。
あーありそうと想像できる。
よくあるよくあると読んでいくが、ふと我にかえる瞬間に気づく。
私は鳥飼さんに迷惑をかけているまたは観察される側の人間ではないのか?
気付いたらもう冷や汗が止まらない。
鳥飼さんの観察眼は冷静で悪く言われるだけではない。
その態度は仕方ないよとかこちら側の事情を汲んでくれたりもする。
だからこそ居心地がー。
我が身を振り返る前半となっている。

後半は豪雨の中どうにか自宅へ帰ろうとする会社員たち、塾帰りの小学生。
そう、雨や雪の交通規制ってどうしてあんなに冷たいのか。
もう回り道をしたと思ったらやっぱり乗れなかったり。
こちらもあるあるだ。
悪いことばかりではないけれど、まあ良いことが続くわけでもなくボチボチやっていける。

これが日常。

以下感想です。
迷惑かけてすみません。
読み進めていくうちに感じた強い気持ちがこちらです。
ちゃんとするって難しいね。でもできないと人として生きてけない…。
さて、読んだ時期が2016年夏だったのでリオ五輪&豪雨にあってます。
夏季五輪ですが、スケートの話ともそこはかとなく臨場感がありました。
アルゼンチン出身のスケーターって誰がモデルかとか。
ほんと誰がモデルなんだろう。

豪雨の中の歩きっぷりやその場にいただけの人との妙な連帯感は異常だけどうまれちゃうんだよな。
なんだろうこの実感。
読んで赤面し、同調し、何度読んでも面白いですね。