先月から東圓旅館 を定宿にして,今回は2度目の來臺。
食事はすぐ近くの中華路が便利なので,ほぼ毎日ブラブラしている。
前回の出張で3回,今回の出張で3回行った屋台に,先ほども一人で行って来た。

先日Pote氏をお呼びした際もここへ来たのだが,その時に来ていた塗装工が
今日も来た。先日お会いしたときにタバコをもらったりしていたのでお互い顔は
知っているから,僕から手を挙げて挨拶をした。

こういう関係の築き方は,日本ならほとんどあり得ないと思う。
もちろんいきなり話しかけるのではなく,店主を介して最初は話し始める。
そのうち,「こいつ国語(台湾における中国語の呼称)が話せるんだな」と分かれば
そこからは早い。

今日は,僕のテーブルに座ってくれた。名前は陳さん。かなりメジャーな名字。
店主と3人で話す内容と言えば,「日本は消費が高い。」とか「どこどこに住んでいる
日本人がよく来てくれるんだ。」とか,そんな話が多い。些細なネタでも通じることが
大切であって,話は深まり,酒が進む。

僕が頼んでいたのは,焼き魚と野菜炒め。あとはビール。
陳さんが海鮮炒めとビール。
海鮮炒めが届いたら,「これ,彼にも食べてもらってくれ。」のようなことを店主に言い,
店主が,「コレェ,イッショタベル,ドーゾ」と言ってくれた。

そこから先は,
タバコ > ビンロウ > 海鮮 > ビール > のサイクルが何度も回る。
台湾では相手にタバコを勧めるのが喫煙者の間では礼儀になっている。

お互いのビールが無くなったら,陳さんが,「もう一本頼むから,彼と一緒に飲む」と
いうようなことを台湾語で言ってくれた。やっぱりそうだった。
結構稼ぎが良いようで,独身の陳さんは,紫色のKYMCOに乗り,卡拉OKへと消えた。

なんだか大したことのない日常でも,こうして外国にいながら通りすがりの人とすぐに
仲良くなれるという点では,台湾は異常にフレンドリーだ。

「明日の朝早く,日本へ帰るんだ。」と言うと,ちょっと寂しそうな顔をした店主が,
「スコシ,オチャ,イデスカ?」とニコニコして。お茶を出してくれた。
今は寂れつつある屋台街・中華路ではあるが,こういうソーシャルに長けた店主の
屋台は,息が長いんだろうなと思う。
今日はゲレンデバーゲンのショートに乗ったお金持ちまで来ていたし,
台湾の交友関係は所得に因らないところが,本当にいいなぁと思う。

では!