小学生56年生の頃。
富士五湖「本栖湖」にキャンプに行かされた。
母親に毛布を袋状に縫ってもらい、それを大きなリュックサックの上にくくりつけ、飯盒や水筒や食材をたくさん持たされ、ボクらは本栖湖に配送された。
湖の近くにあるキャンプ場に到着すると。
ボクらは自分たちでテントを張り、その中に荷物を入れた。
そして、食事作りにとりかかった。
う~む。こんなな自分たちででたらめなカレーライスを作るより、おかんが作ってくれたコロッケを食べた方がよっぽどおいしいのに。
なんでキャンプなんてやるのだろう。ほんとに迷惑な話だなぁと思った。
夜はキャンプファイヤーをやった。各クラス出し物をさせられて、その後。
みんなで歌を歌った。「遠き山に日は落ちて」。
木の燃える音がパチパチと鳴る、クライマックスの時間になると。
妙な格好をしたおじいさんが現れる。
聴くところによると、山の神様だと言う。山の神様がわざわざ忙しいのに、ここまで来て、ボクらに「友情の火」を与えてくれるという。
ボクらは、あの山の神とかぬかしているおじいさんはきっと、校長先生に違いない。と、うすうす感じながらも、「神様に会って感激です感」を出しながら、おじいさんと接してあげた。
その後。
ボクらはテントに戻って寝ることになる。
例の毛布を袋にした寝袋に潜ると、なんだか地面のゴツゴツ感が伝わってきた。
あ~ぁぁ。家でフカフカのお布団に寝た方が、よっぽど気持ちいいのに。なんて思った。
翌日、朝起きると、みんないつもより表情が生き生きとしていた。
「やっぱり自然の中で一晩過ごすと、ボクらたくましくなった感じがするやね。」
なんて思っている人が多かったのかもしれない。
やがて2泊3日の全ての活動が終了すると、ボクらは小学校までまたバスで配送された。
家に帰って風呂を浴びると、やっぱり家が最高だねぇという話になった・・・。