高校生の時。
ボクは、記号問題と○×問題がとっても好きだった。
3択の女王竹下景子さん以上に、ボクは記号問題と○×問題に全てを賭けていた。
テストが始まると。
まずは、記号問題を探した。そこに神経を集中・・・。
アイウエの中から選べなんて問題の時は、基本「ウ」と答えた。出題者の心理を考えた場合、正しい答えを隠したがる。その結果、アやエが答えということは少ないはずだとボクは踏んでいた。「やつらはイかウに隠れてる。」
実際全国模試を受けた結果の答えを見ると、正答「イ」や「ウ」というケースがとても多かった。
ような気がする。
「次の文章の中から正しいものを選び、記号で答えなさい。」なんて問題もあった。そういう時ボクは、何の迷いもなく一番短い文章を選んだ。
人はウソをつくとき饒舌になる。本当に見せかけようと、詳しい説明を上乗せしてしまう。結果、間違っている文章は長くなるわけだ。ボクは、「間違っているものは長くて、正しいものは短い法則」によって、かなりの高得点を獲得した。
そんな中で、やっかいな問題もあった。一番やっかいなのが、「正しいものを全て答えなさい」というような、複数回答の選択問題だ。
こんな場合、答えは一つじゃない。それは確かだ。一つなのに、そんな聞き方をする程、教育者の精神は一般的にひねくれていない。おそらく正しい答えは二つある。
そしてそれは、時に対偶だったりした。
ア 「AならばBである。」
イ 「BでなければAではない」
ウ 「CであればDである」
なんて場合、正解は必ずアとイだ。対偶だから。
もうそれは、はじめから証明されていた。
なんて、いろんなことを考えながら、高校時代ボクは選択問題と対峙した。
肝心のテスト勉強に対してよりも。ボクはそこに力を集中した。
*「対偶」 論理学や数学で仮説と終結を持つ型の命題に対し、終結の否定を仮設とし、仮説の否定を終結として得られる命題の称のこと。