その昔。

テレビには出ないよという有名人がけっこういた。

テレビでは、ボクらの思いは上手に表現できない。

そうした意思を示されていたのかもしれない。

ボクの記憶が正しければ。

吉田拓郎さん。

荒井由美さん。

井上陽水さん。

など、フォークとか、ニューミュージック系と言われる人々に、そうした方々が多かったように思われる。

ボクは。それを見て、かっこいいなぁと思ってた。

かっこいいから、ボクもそうしようと思ってた。

だから・・・。

もしボクが歌手としてデビューした暁には、ミュージックフェアにしか出てあげないようにしようと心に決めていた。

ミュージックフェアで、ボクだけ出してくれて、30分間ボクの歌を流し続けてくれるのなら、出演することもやぶさかではないと考えていた。


若林で見た空


同様に、バンド活動をやっていたカバに似たAお島クンも、ミュージックフェアなら出てもいいと言っていた。「いや、百歩譲って、夜のヒットスタジオまでだったらいいかな・・・」カバに似たAお島クンはそう豪語していた。

ドラムを叩けばリズムが取れず、他のメンバーを虚ろな気持ちにさせるAお島クン。

コンサートに出ると、楽譜を読み間違え、ドラム演奏だけ先に終わらせてしまうAお島クン。

それでも、彼の志は高かったということである。

それはさておき。

ザ・ベストテンなんかでも。「出演交渉をしているけど、まだ出てもらえないんです。」

なんてアーチストがたくさんいた。

ボクらファンからすると、とっても残念ではあるけれど。

同じアーチストとして。同じ音楽仲間として。同じアイドルとして。

気持ちはよ~くわかっていたから、許してあげていた。


昭和の一時期。

そんなことも、一つの風潮だった・・・。