「たこって足が多いんだってね」「いかにも」

「かみなりってコワイんだってね」「なるほど」

ボクは、ちっちゃな頃、落語を聞くのが好きだった。

両親に頼んで、落語のカセットをクリスマスプレゼントで買ってもらった。

小学生の頃の話だ。


若林で見た空


落語のカセットは、豪華10数本セット。

古典落語満載の、そのカセットセットは、きっと今思うにものすごいお値段だったんじゃないかって思う。

小学生のクリスマスプレゼントにあるまじきお値段がはじき出されたのではないかと思われる、その落語カセットセットをボクは、来る日も来る日も聴き続けた。

ちっちゃな頃。

三波春男の俵星玄蕃が好きだった。全部覚えて歌ってた。もちろんあの名セリフも。

赤穂浪士に憧れて。

時代劇を見続けるその子供は、聴く音楽も渋かった。

柳ヶ瀬ブルースが好きで。ランドセルを背負い、柳ヶ瀬ブルースを鼻歌で歌いながら、小学校に通ってた。

そんな息子を見て。

親は、どう思っていたのだろう。

きっと、危機感を感じていたに違いない・・・。