クレヨンしんちゃんの名作、大人帝国の主人公が作る組織の名は、「イエスタディ・ワンスモア」だった。

昭和に戻りたい。そう願う主人公の計画は、気持ち的にはとてもよくわかる。

万国博をこよなく愛し、トヨタ2000GTに乗り、昭和の横丁で買い物をする。

そんな昭和回帰計画を進めるイエスタディ・ワンスモアのリーダー「ケンとメリー」と、現代社会を強く生き抜こうと考える野原一家がこの国の将来を賭けて戦う。



若林で見た空


この映画で、しんちゃんの父親ひろしが東京に出てくるシーンがある。

そこが泣ける。音楽もいい。心切なくなる場面だ。

しんちゃんの映画は、ストーリー的に、非情に筋がいい。

一人で夜、酒を飲みながら観ても、十分楽しめる。

ところで。

話題はしんちゃんではない。

カーペンターズのイエスタデイ・ワンスモアだ。



若林で見た空


この曲は、ボクが中学生の時に大ヒットした。

もちろん、ボクもレコードを買った。カーペンターズのレコードを買ったのは、この時が初めてだった。

「昨日がもう一度来ればいいな・・・。」

大人になると、そういう感覚がとても強くなるらしい。

中学生の頃、ボクはそう思った。

昨日なんて、来なくたって別にいいのに。

そう思って生活していたボクにとって、この曲の本意は当時、理解できていなかった。

ただ、美しい曲と、カレンの歌声が心に響いて、この歌のファンになった。

だから。

この曲。大人になって聞いた方が、よっぽど心に響くのだ。

イエスタディ・ワンスモア。

ケンとメリーも、その文脈に強い憧れを抱いていた。