それは突然だった。
夕食後に彼は1人で遊んでいた。
前フリなんぞ一切なく
急に彼が言った。
「■くんのこと許すんだ・・。」
はっ??
急にどしたんだ
と聞いてみると
「顔、ガリッしたのもお腹ドン!したことも
許すんだ・・◯◯くん。」
顔の大きな傷とお腹を蹴られた件、
彼は「許さない!」
としばらくずーーっと言っていたのだ。
「大人になったら許す!」とも言っていた。
■くん本人にも
「大人になるまで許さない!」と言っていたそうだ。
彼の中で何が起きたのだろう。
「◯◯くん優しいでしょ?」
■くんを許す自分は優しいだろ?という意味なのだが
それは違うやろ!!と。
他人から称賛されたいが為に「許す」のであれば
それはしなくていい
と伝えると
「■くんのこと許すの。もういいの。」
と心から許すということを確認できた。
■くんの話題なんてこれっぽっちも出ていなかったし
その時、
私と会話していたわけではないんです。
塗り絵をしながら突然!
急に言いだしたんですよね。
「許す」
これは
被害者である息子がまさに
被害者から卒業できた瞬間だ。
被害者は加害者よりも幸せにならない。
なんとも残酷な言葉であるが
それは、
加害者に対していつまでも不幸で居続けようとしてしまう
被害者あるある。(例外もあるよ)
自分はこんなことされて可哀想なんだ。
酷いことされたんだ。
許せないんだ
と
自分は不幸なんだ!と思い続けようとする。
そう思い込んでいるのだから
本当に不幸になってしまう
というあるある話ね。
息子は「許せない!」という思い
謂わば、毒を抱えていた。
時間をかけてゆっくりゆっくり
自分の力で解毒していったのだと思う。
といっても1ヶ月とちょっとだったんですけどね。
子供の解毒能力の高さにアッパレでござる。
すっかり毒が出切った彼の心境を聞いてみた。
「よくわからない。」
はい・・そうでしょうな。
デトックスされた後の感想を聞かれて
気分がスッキリしたよ~晴れ晴れしたよ~
・・って語る5歳の子供なんて
ちょっと怖い。
自分ではよくわかっていないかもしれないが
彼の奥の奥底では
細胞レベルでその爽快感は感じているはずなのである。
今となっては貴重な体験をしたと思う。
息子も私も。
比べることでは決してないと思うのだが
被害者が加害者へ対しての
最大級の復讐は
「幸せになることだ。」
と語る方もいらっしゃる。
お母さんよりも幸せになる!
お義母さんよりも幸せになる!
元旦那よりも幸せになる!
あの意地悪な上司よりも幸せになったる!!
大っ嫌いなあの人よりも!この人よりも!その人よりも!
※ただの例です。
これらはひとつのパワーになるのかもしれませんな。
幸せになった暁には、
というか
幸せに気付けた時、
その時には完全に満たされているものだから
相手側の幸せまでも望んでしまう域に達しているのでしょうな。
——許せないのに無理に許すなんて
絶対!しない方がいい。
なぜなら、無理に許しても表面上だけで
全く解毒されていないから。
じわじわとその毒に侵食された心と身体のダメージたるやね。
息子は、
「許せない!」と思っている自分を許したのだと思う。
許せないと思ってもいい
これこそが解毒の第一歩だと思う。
あとは毒を出し切るまでひたすら待つ。
焦らずゆっくりと。
すっかり毒が出せてよかったね。
身軽になれてよかったね。
ということで、今日もありがとうございました。
(よろしければ、「応援しているよ。」の応援クリックをお願い致します。)
↓
※いつもたくさんの応援クリック本当にありがとうございます。