国境線のない地球儀 | 「ピースボート子どもの家」のブログ

国境線のない地球儀


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『ピースボート子どもの家』には、地球儀が二つあります。


ひとつは、国境線のない丸い地球。

陸と海がひとつの惑星の上に共存していることを

子どもが手で触って質感から感じることができるように、

陸はサンドペーパーでザラザラしていて、海はツルツルしています。
異なる質感をさわって確かめるのが大好きな時期の子ども達は、飽きずにずっと触っています。



この地球儀を触っていた子が、なにやら口ずさんでいます。
そーっと近づいて聴いてみると、

♪青いところは海ですよ~ ザラザラのところ土ですよ~  
     それから空気もありまして~ みんながすんでる地球~♪ 


と、素敵なうたができていました。



もうひとつの地球儀は、7つの大陸を色分けしたものです。

♪北アメリカ 南アメリカ ヨーロッパ アフリカ アジア  
 南極もあるよ オセアニアもあるよ みんなが住んでる 7つの大陸 地球の仲間だよ~♪


このうたは、子どもの家のお母さん的存在、深津高子 さんがみんなにプレゼントしてくれたもの。

大切そうに地球を抱いてひとつひとつの大陸を指さし、うたを歌っています。



どちらの地球儀も、球が支えられている台から取り外すことができ、

「北が上で、南が下」というような固定概念からも自由です。

世界のどこでも、地球の中心であり、世界の果てでもあることが、手に取った地球儀でわかります。



さて、子どもたち、実は、

船内で子どもから80代の方まで総勢約500人の参加者が集ったイベント『船上紅白歌合戦』

のオープニングに大抜擢され、みんなの前でも堂々と「7たいりくの歌」を披露しました。



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――地球一周に同行する保育士の先生のことばが印象的です。


「子ども達にとっては、大人が思うよりずっと、自分の住んでいる地球という場所が身近です。
この旅では20の港を訪ねますが、『違う国』に行くというよりも、お散歩にいく感覚みたい。

地球を、まるで『ひとつの家族』のように感じている子ども達の姿に触れ、

これから出会う人達との交流が、ますます楽しみになりました。」

まるで、近所の公園や隣町のことを話すのと同じような感覚で、


「韓国?ああ、日本のおとなりの国だよね。ご飯がからくておいしい」 と言う4歳児や
「ギリシャって、大きな犬のスワミちゃんがいたところだね」 と自然な会話の中でいう2歳児に

大人のほうがハッとして、成長させてもらえる、そんな気さえします。

2歳から6歳、体験することはなんだってそのまま吸収し、自分の一部にしてしまう時期の子どもたち。

この時期に、大好きなお父さんやお母さん、先生やお友達と一緒に地球の多様性を体験して、
想像力の裾野をぐんと広げていくのでしょう。

さあ、これから出会う世界は、どんな場所でしょうか。
船旅はまだまだ、はじまったばかりです。