悪玉コレステロールを薬で善玉に?

今回は日本でも万病の元的なイメージで認識されているコレステロールについて取り上げてみたいと思います。

ねこへびコレステロールって何?

コレステロールと聞くと悪者というイメージが先行している人も多いかもしれません。が、実はコレステロールは体にとって無くてはならないものであることも事実です。
実は、コレステロールには以下のような役割があります。

● ホルモンの原料となる

● 細胞膜を作る

● 胆汁酸の原料となる(消化を助ける)


いずれも大事なものですよね?ですが、コレステロールが過剰に血液中に存在すると別の弊害を生み出すことになります。そう、その主な弊害が動脈硬化です。

コレステロールは血液中ではタンパク質と結合しリポタンパクという状態で存在しています。これは水分を含んでいる血液中を、脂質の一種であるコレステロールがそのままの状態では移動できない(水と油は混ざらないため)ため、タンパク質でくるんで運ぶ必要があるためです。さて、そのリポタンパクですが、実は4種類に分類されます。

● カイロクミン : 悪玉

● 超低比重リポタンパク(VLDL) : 悪玉

● 低比重リポタンパク(LDL) : 悪玉

● 高比重リポタンパク(HDL) : 善玉

良くコレステロールを悪玉善玉と分類して呼びますが、要するにこの種類から来ているわけですね。
ただし、ここでは4種類に分類しましたが、全く別の物質というわけではありません。単にリポタンパクを構成するコレステロール・中性脂質・アポタンパク質・リン脂質の割合が異なるだけです。
 

おやしらずコレステロールを薬でコントロール?

さて、コレステロール値が高くて悩んでいる人は結構いるのではないでしょうか。もし悪玉コレステロールが薬で簡単に善玉コレステロールに変わってくれたら、人は今までと同じように楽しい食事をしつつコレステロールに悩むこともなくなります。実はここに世界的な医薬品メーカであるファイザーが目を付けました。そして、現在飲むだけで悪玉コレステロールを善玉コレステロールに買えてくれる薬、トルセトラピブを開発しました。

そしてまもなくこの夢の薬は世の中へ登場するはずだったのですが、2006年12月4日ファイザーは最終段階となる3回目の臨床試験の開始を延期することを発表しました。

これは、同じくコレステロールに対する薬であるリピトール(こちらは肝臓に作用してコレステロールの合成を抑える効果があります)とトルセトラピブを一緒に摂取した場合に、リピトールだけを摂取していた患者と比べて死亡率が高くなったという統計結果がFDA(米国食品医薬局)より出たためです。

従って、今しばらくこの薬が世の中に登場することはなさそうです。もちろん、新薬の承認が早いアメリカでもまだこの段階なので、大きく承認が遅れることの多い日本ではいったい何年後になるのやら全く分かりません。

厚生労働省にはもっと頑張ってもらいたいですね。尤も、薬害を繰り返してきたその体質を改善するのがまずは先決の気もしますが。
 

ハロウィン基本は食事

薬で状況が改善されるというのはまさに夢のような話です。しかし、本来人間は食べ物から必要な栄養素を取り入れ、そしてそのバランスを取ることが健康の秘訣であったはずです。今回紹介したコレステロールの新薬は確かに意味深いものとなるでしょう。しかし、やはり本来は食事で健康を維持するのが正しいと言えます。
もしかしたら薬には発見されていない副作用があるかもしれませんから。

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それではまた。


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