平成25年6月19日、特許庁ホームページの報道発表で、平成24年度 特許審査等の質についてのユーザーアンケート報告書 が特許庁ホームページに掲載されていた。


 上記報告書のアンケート集計結果と詳細分析の概要によると

  特許審査の質全般について、
 「最近(1年程度)の特許審査の質全般についての評価(全体評価)で「普通」以上の評 価(満足、比較的満足、又は普通)1が占める割合は約88%であり、概ね問題がない と考えられます。
  ただし、項目別で見ると、「審査官間・審査室間でのばらつきのない判断」に対して 不満があると回答した割合が約48%と多く、進歩性の判断、記載要件の判断、単一性 の判断に対して不満があると回答した割合が25%前後と横並びで続いています。
  また、ユーザーの出願規模別2に分析したところ、中小規模の出願人では、大規模の 出願人よりも、不満があると回答した割合が高いことが分かりました。」
と分析している。


 概ねよしとするが、不満が全くないわけではなく、例えば、新規性・進歩性に関して、「拒絶理由通知等の記載」や「新規性・進歩性の判断」などで不満があると、報告している。


 「拒絶理由通知等の記載」についていえば、「一致点・相違点の記載」、「引用文献の参照箇所の記載」、「組合せ・動機づけの記載」、「設計的事項に関する記載」などについて、不十分であるとした不満がある。


 「新規性・進歩性の判断」についていえば、「引用発明の認定」や「一致点、相違点の判断」、「動機づけについての判断」などについて不満がある。


 これらの不満に対して、「拒絶理由通知等の記載」について分からなければ審査官に電話などで問い合わせして解消することが出来るし、また「新規性・進歩性の判断」については最終的に審判で判断してもらえば済むことなので、これらを不満というのはおかしいとの意見がある。


 厳しい意見だが、否定できない一面がある。


 ただ、本願発明と引用発明との対比において、本願発明の構成要素に相当すると審査官が判断した、引用発明中の構成部分について、上位概念化して本願発明の構成要素と対比するものの、上位概念化が行き過ぎる場合があることは否めない。


 これが「拒絶理由通知等の記載」や「新規性・進歩性の判断」に対する不満であるとするならば、改めて欲しい。