昨日(2017年4月24日)の日本経済新聞朝刊3面に「特許審査 AI活用」の記事が掲載されていた。

 

 上記記事によると、

 特許庁は特許や商標、意匠の出願審査などの業務で人工知能(AI)の活用を始める方針。

 AIを使用して出願内容を技術分野ごとに分類したり、過去に同じような技術がないかを文献で調べたりする。

 今夏から実証事業を始めて、2018年度以降に業務に試験導入する。

 

 審査業務をAIが全面的に取って代わるわけではない。審査業務の補助としてのAIの活用である。

 

 AIについては、現在の業務がAIに取って代わられて仕事が奪われるなどと、いわれているが、そうではないと思う。

 

 AIの活用で業務の効率化を図ることができれば、労働時間の短縮を図ることが出来る一方で、生産性の向上を図ることが出来るのではないのか。

 

 現在でも審査のFA期間(審査請求からファーストアクションまでの時間)は、以前と比べたらかなり短縮されているが、これがさらに短縮されるのではないのか?

 

 

 AIの活用で期待することは、ファーストアクションまでの時間の短縮以外に、審査のバラツキの是正である。

 

 審査基準などにより審査のバラツキがなるべく生じないようにしているが、審査官個人のスキルによって結構バラツキがあるのは否めない。

 

 AIの活用で審査のバラツキが是正(審査品質が向上)されるのでは?

 

 

 まあ、単純にバラ色の未来が開けるわけではないと思うが、少なくとも審査のバラツキだけは是正して欲しい。

 

 適正なファーストアクションがあると、必要以上にクレームを減縮

したり、無駄な応答(特許査定の可能性が極めて低いのに意見書・補正書の提出など)を省いたりすることが出来る?

 

 

 

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 今朝(2017/04/20)の日本経済新聞朝刊の第5面経済欄に「知財法制を一括見直し IoT利用促進へ経産省など提言」の記事が掲載されていた。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H33_Z10C17A4EE8000/

 

 これは、経済産業省のホームページに掲載された、ニュースリリース 「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」の報告書 を基にした記事である。
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170419002/20170419002.html

 

 以前ブログにした2017年4月6日の日本経済新聞の記事「特許紛争、専門家が裁定 特許庁が新制度創設へ」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H42_V00C17A4EE8000/ も上記報告書を基にしている。

 

 今後、不正競争防止法や特許法などの一括見直しがあるだろうから、注意深くウオッチしていく必要がありそうだ。


 ところで、今朝の日本経済新聞朝刊のコラム 大機小機に目が留まった。

 

 「北朝鮮情勢が緊迫し、金融市場は地政学リスクに敏感になっている。今も予断は許さないが、今回戦闘状態にならずとも、リスクは消え去りはしない。どんな備えが必要か。」と、次の3つを提言している。

 第1に、全国民への的確な情報伝達だ。
 第2に、有事への備えだ。
 第3に、安全保障・国防・軍事に関する研究と教育を推進すべきである。


 コラム中に「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」のコトバが出てきた。
 これは、「 Peace through strength」、すなわち

「Military power can help preserve peace」を意味するフレーズである。

 

 何故、自称進歩的文化人の間では「 Peace through strength」を忌み嫌うのだろうか?

 本当に憲法第9条第2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」が唯一の平和維持手段だと思っているだろうか?

 結構キナ臭くなっているけれど、どうなるのか心配である。

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 本日(2017年4月18日)の日経朝刊1面に「元従業員側が解決金 新日鉄住金 ポスコ技術流出で 」、また3面で「産業スパイ対策 新段階 新日鉄住金和解 個人追及が抑止力に」の記事がそれぞれ掲載されていた。
 1面の記事 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15427080Y7A410C1MM8000/
 3面の記事 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15426220Y7A410C1EA2000/


 新日本製鉄(現・新日鉄住金)から高級鋼板の製造技術が韓国の鉄鋼大手ポスコに流出していた、ポスコ技術流出事件の続報である。


 ポスコ側とは300億円で既に和解済みである。


 これについては、以前、当ブログで取り上げた。
 http://ameblo.jp/patanze/entry-12079356271.html
 日経朝刊1面「ポスコが和解金300億円、新日鉄住金に支払い 技術流出訴訟」


 ポスコ側に製造技術を渡した、元従業員に対する訴訟は継続中とのことであったが、今回、元従業員側が和解金を支払うことで、ポスコ技術流出事件が終結した、とのこと。

 

 新日本製鉄(現・新日鉄住金)の約10人の元従業員が複数のグループに分かれ、1980年代半ばから約20年にわたってポスコ側に営業秘密を提供していたとのこと。

 

 ポスコも悪質であるが、新日本製鉄(現・新日鉄住金)の約10人の元従業員はそれよりも悪質である。


 現行の不正競争防止法の下であれば当然刑事罰の対象になっていたであろう。

 

 営業秘密の漏洩事件のニュースに接して思うことがある。

 

 それは、漏洩してしまったらもはやそれは営業秘密ではない。

 価値が無くなることを意味する。

 漏洩を未然に防止することであると、分かっていても、実行するのは難しい。


 漏洩してしまったら、営業秘密を受け取った企業のみならず、関与した者に対しても徹底的に責任追及(損害賠償の請求)することしかない。

 他に選択肢はないということ。


 今回の事件、記事によると、遺族への追及も辞さなかったとのこと。


 そうでもしないと、再発防止にはならないであろう。


 産業スパイ個人への厳しい責任追及で抑止力になればいいと、思うが???

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 なぜ特許出願をするんですか、との問いに対する答えは、決まっているでしょ、特許を取るためですよ、というのが一般的です。


 じゃあ、特許を取ってどうするの。


 第三者が無断でその特許を受けている発明を実施した場合、その第三者に対して差止請求権や損害賠償請求権などを行使するためですよ。
 あるいはライセンス契約を結んでに実施を認める代わりライセンス料を頂くためですよ。


確かにその通りだと思う。


 2016年度版の特許行政年次報告書をみると、特許査定率そこそこあるけれど、必ずしも特許出願をしたからといって特許が取れるわけではない。

 

 

 そして、特許が取れたとしても、第三者の無断実施に対して侵害だとして訴追するのは実は大変なこと。


 まあ、時間と費用がかかる。


 弁護士費用だけでも馬鹿にならない。


 それなら裁判外紛争解決手続(ADR)があるじゃないか。


 ADR機関である、日本知的財産仲裁センターのホームページに事件統計が掲載されているが、調停・仲裁の申立件数、最近は年間数件レベルである。

 

 

 理由は定かではないが、殆ど利用されていないのが実情。

 

 そうすると時間と費用がかかる裁判になるか。


 いきなり裁判になるわけではけではなく、最初は警告書(通告書)を送り、侵害していますよ、直ちに止めてと、止めないと法的手段をとりますよと、通知する(脅す)。


 それでも止めないなど埒が明かないとき、裁判。


 でもね、裁判で必ずしも勝てるわけではない。


 進歩性無しを理由に無効の抗弁で反撃される場合がある。


 権利侵害と訴えられた被告側は必死で対抗する。

 それはそうでしょう。

 

 世間では特許をとれば万能だといわれるが、そんなことはない。

 維持年金を支払っているだけでは済まないことがある。

 第三者の侵害行為を排除しなければ特許をとっても意味がない。

 特許は単なる飾りとなってしまう。


 それじゃ特許出願なんか意味がない。

 確かにそんな場合がある。


 以上は、特許出願をして特許を取った場合のこと。

 


 それじゃ特許出願をしないで、発明した物を製造・販売していたらどうなの。


 類似品が出回っても権利主張することが出来ず、黙って見守るしかないが、それだけではない。

 

 その発明について、第三者が特許出願をして特許を取得したらどうなるの。

 

 だって第三者の出願前に自ら発明したんだから問題はないのでは。

 

 でも第三者の出願前に自ら発明をして既に公知・公用になっていることを立証しないかぎり、権利侵害となり、製造・販売出来なくなる。

 

 それじゃどうするの。

 

 第三者の出願前、公知・公用であることを理由に特許無効審判を請求して、特許を無効にして特許が初めから存在していなかったことにしなければ、特許権が存続している限り、自ら発明したものであってもその発明をした物を製造・販売することが出来ない。


 でもね、公知・公用を裏付ける証拠(例えばホームページでの宣伝用の広告、雑誌・業界紙での広告や記事、展覧会で配布したパンフレット等の書証や販売業者、下請け製造業者の証言などの人証)を探して直ぐに見付かればいいけど、手間がかかる。


 書証には出願前を立証する日付が絶対不可欠だけど、これが無いことが結構ある。


 人証の場合でも、出願前を間接的に立証する、納品書、請求書、領収書等が無いと、認められないことがある。

 

 公知・公用が立証できなければどうなるの。

 

 そうしたら、裁判の場で、第三者の出願の際、日本国内で発明の実施である事業をしていたことを立証して先使用権の存在を主張する。

 先使用権の存在が認められなかったら、権利の存続期間中は実施できない。

 実施するにはライセンス契約を結んでライセンス料を支払うしかない。


 先に発明をして製造・販売等の実施をしておきながら、後でその発明について特許出願した第三者の特許の所為で実施できなくなるなんて不公平だと思うかもしれないが、実際にこのようなケースはある。


 以上は、特許出願をしなかった場合のこと。

 


 特許出願をして特許を取った場合、第三者の侵害行為を阻止できないことがあっても最低限自己の実施を確保できるが(注)、特許出願をしなかった場合、自己の実施すら確保できないことがある。

 

 じゃあどうすればいいの。


 発明をし、製造・販売する予定があるなら、その前にその発明について特許出願をしておく。

 そうすれば、特許出願で開示した発明の範囲内において実施を確保することが可能となる(注)。

 

 

 なぜ特許出願をするんですか、との問いに対しては、特許を取るためであると、答える他に、少なくとも実施を確保するためであると、答えることにしている。 

 

 注:他人の基本特許を利用して発明をした場合には、基本特許が存続している限り、いくら自分で発明をして特許を取得したか否かに係わらず、その他人の承諾を得ない限り、実施できないことに注意する必要がある。

 今朝(2017/04/06)の日本経済新聞朝刊第5面に「特許紛争、専門家が裁定 特許庁が新制度創設へ」の記事が掲載されていた。
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H42_V00C17A4EE8000/
 
 将来の特許法改正関連事項なので備忘録としてブログにした。

 

 同記事によると
 「特許庁は企業間の特許紛争をすばやく解決するため、新しい裁定制度をつくる。同庁の選んだ専門家が両者の間に入って仲立ちするしくみで、来年に特許法改正案を国会に提出する。破綻企業などの特許を安く取得して同じ技術を使う企業から法外な利用料を得る「パテント・トロール」と呼ばれる訴訟専門会社による乱訴を防ぐ。」

 

 「破綻企業などの特許を安く取得して同じ技術を使う企業から法外な利用料を得る「パテント・トロール」と呼ばれる訴訟専門会社による乱訴を防ぐ」という趣旨から分かるように、これは「パテント・トロール」対策に特許庁が乗り出したということなのか?

 

 新たな制度は「裁判以外の紛争解決(ADR)」の一種と記事にあるが、現行の不実施などの場合の通常実施権の設定の裁定制度(特第83条~88条、92条、93条など)との関係はどうなんだろう。

 

 敵は百戦錬磨の「パテント・トロール」で、 新たな制度でも一筋縄では行かないのでは?

 

 

 ところで、昼食後は事務所近辺の御茶ノ水界隈を徘徊しているが、一昨日は神田明神まで足を延ばしてみた。

 桜が見頃であった。

 

 

  ただ残念なことに、隣接する駐車場が工事中で、その屋上庭園に入場することができなかった。

 例年、屋上庭園からも花見をしていたのに。